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 災害に強い家屋を建てたいのなら、河川沿いは避けた方がいい。洪水だけではなく、地震による倒壊リスクが高いからです。

 

 河川が氾濫すると、上流から大量の土砂が下流に流れ込み、軽い泥はすぐに流れていくが、重い砂は川沿いに堆積していきます。この様な重い砂が洪水の度に溜まっていくことで、河川には堤防の様な土砂の高まりが出来て事があります。この高まりを自然堤防といいます。堤防というだけあって周囲と比べて地盤は硬く、やや高所にあるため水は溜まりにくい特徴があります。

 

 一方、自然堤防付近に広がる後背湿地は、人が住むには適さない危険な場所といえます。後背湿地と呼ぶのは、自然の働きによって自然堤防の後背部にできるからです。自然堤防には川の氾濫を防ぐ効果があるものの、大洪水が生じれば川水や泥が自然堤防からあふれる事もあります。堤防の外に出た川水や泥は、川に戻れずその場に溜まります。するといつしか土地の水はけは悪くなり、後背湿地が形成されます。この自然堤防と後背湿地はセットで出来るので、2つ合わせて氾濫原と呼ぶことがあります。

 

 江戸時代までは、後背湿地は水田地として重宝されていました。ところが近代以降は後背湿地でも宅地開発が進められるようになりました。原因としては、稲作農家の減少と住宅需要の増加です。

 

 次回は第8回【虫が原因で消えてしまう島?】をお届けいたします。

 近年、渋谷駅周辺で再開発が進んでいる。渋谷ヒカリエやスクランブルスクエアなど、200mを超える超高層ビルも立ち並ぶようになった。ただ意外にも、近年の事例を除くと、渋谷周辺に高層ビルはさほど多くない。新宿区には100m以上の高層ビルが52あるのに対し、渋谷区は26にとどまっています。(2021年12月現在)新宿のほうが早くから開発が進んだことも影響しているが、そもそも新宿のほうが開発が早かったのは、渋谷は地形的に高層ビル建設に向かないデメリットがあったからです。

 

 渋谷はその名のとおり、「谷」状の土地。しかも谷に泥が積もってできた地盤の緩い土地です。現在の中心街は、この谷の底にあたる場所に位置します。そのため高層ビル建設に適してなかったのです。

 

 渋谷の谷部分が作られたのは、最終氷期にあたる今から2万年前にさかのぼります。この当時、渋谷には渋谷川という川が流れていました。氷河期が過ぎて氷が解け、海面が上昇すると、渋谷川の谷底に上流から流れてきた土砂が堆積し続けると谷底が埋め立てられ、大地が形成されこれが今の渋谷の原型です。こうした地形を沖積低地又は沖積平野と呼び、一方、氷河期以前に形成された地盤の固い地形は洪積台地といいます。新宿はこの洪積台地に相当します。

 

 沖積低地は谷に泥の土壌が溜まって形成されているため、地盤は不安定になりがちで、地盤が緩いすなわち地震に弱いとなります。従って地学的にいえば渋谷は住むにはあまり適しているとはいえない土地となります。 

 

 

 次回は第7回【地盤は緩く水はけの悪い後背湿地の怖さ】になります。

 東京直下地震や南海トラフ地震など、今後発生が警戒される地震のことをご存知の方は多いと思いますが、では、西日本が常に巨大地震の脅威に晒されている事をご存知な方はどれだけいられるでしょう?

 西日本では、中央構造線という巨大な断層によって縦断されています。この断層帯は日本列島が大陸の一部だった頃、海側から運ばれた陸地と激突したことで出来、全長は1000㎞以上にもなります。

 

 構造線が危険視されているのは、周辺に一定間隔で地震を起こす活断層が存在するからです。そもそも地震には、大きく分けて海溝型地震と内陸(直下型)地震の2つがあります。このうちプレート運動により内陸部の岩盤が歪んで壊れた時に生じる地震が内陸地震です。海溝型と比べると規模は小さいものの、局所的に大きな揺れを生じさせます。

 

 内陸地震によりずれた地層は、断層といいます。断層には一定間隔で活動を繰り返す(地震を起こす活断層があり、その延長戦上で別の地震を起こすこともあります)1995年の阪神淡路大地震も断層帯近くで発生した内陸地震ですし、2016年に熊本から大分にかけて発生した大規模な地震も内陸地震でした。現時点では中央構造線内で巨大地震が発生する可能性は低いと言われていますが、地震予測は非常に困難で、断層の動きは正確にはわかりません。中央構造線付近の活断層で地震が起きた時は揺れが大きいため、いざという時困らない様、知識と対策は身につけておく必要があります。備えあれば患いなし。

 

 

次回は第6回【泥に積もった軟弱な土地・渋谷】になります。