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 台風が年間にどのくらい発生しているか、皆さんご存知でしょうか?気象予報士でもないので知らないという方が殆どだと思います。答えは過去10年間で平均26個です。そのうち日本に上陸するのは平均3.5個だそうです。

 近年では巨大台風の上陸が珍しくなくなり、被害も大きくなっています。海洋研究開発機構の地球シミュレータによる予測では、今後は台風の発生数は減少するものの、強力な台風が世界的に増加すると言われています。日本でも900hPa級の超大型台風が接近しやすくなると予測されていますがそもそもなぜ台風は大型化しているのでしょうか。

 通常、台風は赤道付近などの熱帯で発生します。熱帯の海は海水温が高く、上空に空気の渦(気流が起きやすい)その気流に水蒸気を含んだ空気が巻き込まれて上昇気流が強くなると、積乱雲が生まれます。暖まった気流は巨大化して渦となり、さらに成長を続けて台風になります。

 台風は上空の気流によって移動し、冷たい海上に入ると水蒸気の供給がなくなって勢力が弱まります。しかし、温暖化が進んで海水温が上昇すると水蒸気が増加するため、台風に水蒸気が供給されて、勢力が弱まりにくくなります。

一方で、上層が高温化して気流が抑制されるため、全体の発生数は少なくなります。巨大台風は、水害が発生しやすい沿岸部や河川部さらに土砂崩れの山間部で被害をだしやすいが、都市部でも注意が必要です。都市に台風が上陸するとビル風により台風の威力が大きくなってしまい、風速は最大で平地における台風の1.5倍にもなると言われています。2018年の台風21号で大阪都市部の被害が拡大したのも、この現象が要因の一つだと考えられています。皆さん要注意!

 

 次回は第11回【「谷」「窪」「梅」注意した方がいい地名】となります。

 土やコンクリートを河川に盛って堤防を造り氾濫を防ぐ。洪水対策の定番でありますが堤防も万能ではありません。川の地形と洪水の規模によっては、決壊することも珍しくないからです。

 

 堤防の決壊原要因は、大きく3つに分けられます。増水した川が堤防を乗り越える越水、水が内部に染み出し外側へと出る浸透、水の流れで河川側が徐々に削られる浸食(洗堀)です。この3つの発生を警戒すべきは、大きく蛇行している河川です。特に蛇行している外側、最も水流が速い部分は削られやすく、ここに強い流れと土砂が凄まじい勢いで衝突すれば頑丈な堤防であっても決壊する恐れがあります。もう一つ、上流が広く下流のカーブが狭い河川にも危険があります。大量の水が狭い河道に押し寄せるので洪水時に水位が上昇しやすく、同様の理由で複数の河川が合流する地点も水流が勢いを増して水が溢れ出やすい。その典型が鬼怒川で、下流は川幅が狭く、利根川との合流地点もあるために越水による堤防決壊が起こりやすいのです。2015年に鬼怒川で大規模な洪水が生じたのも、こうした地形の影響が受けているのです。

 

また堤防は洪水だけではなく、地震によって破損することもあります。堤防が造られる河川は地盤が緩いため、地震の時には液状化現象を起こしやすく、そうなると堤防が大きく沈下し洪水の可能性が考えられます。実際、1995年阪神淡路大震災でも淀川の堤防が約2㎞にわたり最大3mも沈み、2011年の東日本大震災でも利根川などの主要河川が中心として、関東各地で数多くの堤防が破損しました。破損直後に大雨が降っていれば、各地で氾濫が多発していたかも知れません。

 

政府は全国の堤防強化を進めてはいるらしいが、予算と時間がまだまだ足りないのが現状です。すべての堤防強化が終わるまで災害が起こらない事を祈るばかりです。

 

 

次回は第10回【温暖化により強大化する台風】となります。

 広島県東広島市には、ホボロ島という小さな島があります。ホボロとは「丸い竹かご」を意味するこの地域の言葉だそうです。島がホボロを伏せた形に似ていたことから、名付けられたそうです。

 

 しかし現在のホボロ島にはその由来を思わせる面影は見られない。1956年に発行された地形図では、長径約120m、標高約22mだったが2021年12月現在、満潮時には島の大半が海に沈んでしまい、姿が見えるのは幅約8×3m、高さ約6mの岩のみで、つまり、数十年の間に島が小さくなったわけです。

 

 何故、小さくなったか?

 

 島を小さくした犯人は、なんと虫だったのです。

 

 ホボロ島には、ナナツバコツブ虫という虫が生息しています。ダンゴ虫に似た体長約1㎝の小さな虫で、推定される生息数は数百万から数千万匹。このナナツバコツブ虫が巣穴を掘るために、せっせと島の岩をかみ砕いていった。その結果、岩が脆くなり、風雨にさらされて風化進行し、海に流れ出しそうして島はどんどん小さくなっていったのです。

 

 ナナツバコツブ虫が大量発生したのは、海水温の上昇により餌となるプランクトンが増殖したためとされます。このペースで岩が削られていけば、100年後には島が消滅するとも言われています。恐しや!

 

 

 次回は第9回【堤防が決壊しやすい川の特徴】になります。