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第6話

「痔  スペース  肛門科」で検索することを覚えた俺は才能をフルに発揮した。
なぜならビジネスマンにとって情報収集能力は必要不可欠な要素だからだ。
長時間の調査の結果、恩師からある診療所の情報入手に成功したのだ。
その名も 「黒川診療所」
院長の黒川先生は関西圏だけに留まらず全国でも屈指の名医として称賛されている。
言わば、「キング オブ 肛門 」なのだ。

黒川診療所は朝の9時半からの診療で予約は一切受け付けていない。
9時受け付け開始ということだったので、8時45分頃診療所に到着した。
そこで俺が目にした光景に度肝をぬかれたのだ。
それは、まだシャッターが閉まっている医院の前に人が並んでいるではないか。
初めてみる、俺の知らない世界がそこには広がっていた。
その初めての世界を目の前に萎縮していく自分。俺は営業界の百獣の王ライオンだ。
メガホンタイプの器具だってクリアしてきたんだ。ひるむことはない。
強気で診療所の自動扉をオープンさせた。

中は清潔な待ち合い室でベンチタイプのソファが4つづつ向かい合っていて慣れた雰囲気の肛門患者達がどっしりと座っていた。
壁には張り紙で、ドーナツクッションはよくない。
当院は切らない治療を心掛けています。
ウォシュレット使い過ぎへの注意。
など俺の知らない世界が広がっていた。
俺はどんどんアウェーの雰囲気に飲まれていった。足取り重く窓口へと足を運んだ。

受付 「今日はどうされましたか?」
俺    「前からずっとお尻が痛いんですぅ」言葉は無力だった。

待つこと1時間。
「池田さぁん、池田一耕さぁん」
とうとう俺の番がやってきた。
診察室への扉の向こうには壮絶な治療と羞恥が待ち受けていた。

次回に続く。