らせん です
日曜日の朝寝坊
なんとなく時間を気にしながらも
ふとんの中からまだ出たくない
なんの予定もない日は
そんな風に過ごすのもいいかも
そのとき
心の中がピクンと跳ね上がりました
この前延期した予定
今から決行
そう 思いたったら吉日
きっと良い日が約束されてるはず
来ちゃった
ずっと来たかった山の階段に会いに
春の山の土のにおい
ふかふかした天然物の絨毯を踏みしめて
さあ 元気に歩きましょう
あちこちの枝の先には
黄緑色の葉っぱのあかちゃんが
今だけしか見られないやさしい色合いを
見せてくれます
山の階段はでこぼこしながら
気持ちもでこぼこと不規則に
高揚させてくれます
登りはじめてちょっとしたら
ふたつの山神さまに出会いました
ひとつの山を
何人かの山神さまが持ち回りで
治めているのかしら
まるで12ヶ月の精の話しのようです
春夏秋冬ある日本なら
季節ごとにちがう神さまが
山をつかさどるのもあり得そう
向こうで階段がいざなっています
それにしても
なんてきれいな山でしょう
芽吹いたばかりの若草色の中
アップダウンをくり返して
幅広い尾根道ややせ尾根をくり返して
どんどん登っていく
なんて気持ちがいい
無理しないで背伸びしないで 自分らしく
ゆっくりゆっくり
羽を伸ばせる場所
倒木の影に小さな フデリンドウ 発見
マッテイタヨ
小さな声の歓迎の言葉を
聞き逃すわけがありません
もしかしたら
フデリンドウたちは全ての花の記憶を
共有しているのでしょうか
ユーシンで初めて出会ったフデリンドウと
ここで出会ったフデリンドウは
ちがうはずなのに
やさしい気持ちを抱かせるのは
同じです
今日の目的地に着きました
辺室山 644.3m 登頂しました
三角点にもタッチしてご挨拶
朝寝坊をしてふとんの中でごろころして
ピピっとアンテナが立って
30分で支度して出かけたから
この先の探険はまた今度
だぁれもいない
すれちがったのは数人だけ
辺室山を独り占めして
春を謳歌しました
林の奥には桜色の靄
今だけしか見られない若葉の黄緑の中
けむるような淡い桜色は
春霞のようです
豆桜の花びらが散る山道は
勢いよく活動をはじめた山の土のにおいと
散りばめられた馬酔木の残り香が合わさって
もしかしたら知らないうちに
おとぎの国に迷い込んだのかもしれません
少なくともほんのつかの間
確かにおとぎの国にいたような
そんな記憶が残っているような。。
辺室山綺譚 な気分です