先生、今日もセッションよろしくお願いします。
こちらこそ。
最近どうですか？
実はめちゃくちゃ腹が立つ出来事があったんです。
どんなことがあったんですか？
あのアントニオ猪木さんに会ったんですよ。
ほう、すごいですね。
それでね、有名なあの闘魂注入をお願いしたんです。
はいはい、あのビンタですね。
ええ。でも、猪木さんが素人相手にですよ、手加減もせずに思いっきりやったわけです。その結果、見てくださいよ。
あらあら、頬っぺたが赤くなってますね。
でしょう？そのことにめちゃくちゃ怒っているんですよ。
なるほど。感情が動くところには必ず価値観がありますからね。早速価値観を探ってみましょう。
先生、「猪木は手加減すべきだ」というものが出てきました。
なるほど。確かにその価値観があるからこそ、それに反して手加減しなかった猪木に腹が立つわけですね。では、その価値観を検証していきましょう。
わかりました。
では、改めて聞きます。猪木は本当に手加減すべきでしょうか？
改めてそう聞かれると・・・ちょっと考えますね。
では、あなたはあの猪木さんに、手を抜いた闘魂を注入してほしいでしょうか？
確かに・・・そんな中途半端な闘魂はいらないかもしれません。
どんな人に対しても手加減するそんな猪木さんを見たいでしょうか？
いいえ、見たくないです。何というか、彼のある意味融通が利かない、まっすぐなところが好きですから。
ですよね。では毎回毎回、全力で闘魂注入してくれているとしたら、それはすごいことだと思いませんか？
確かにそうです。僕ならきっと面倒くさくて、適当にやっているかもしれません。
ですよね？だとすれば、猪木さんは、とてもファン思いな人だということにはならないでしょうか？
そういわれてみれば、そうです。本当にその人を思わないと、あんなに思いきった闘魂注入はできないでしょうからね。そうか・・・ファンを大切にしているからこその、思い切った闘魂注入だったわけですね。
気付かれたようですね。ではもう一度聞きます。猪木は手加減すべきでしょうか？
いいえ、猪木は手加減すべきではありません。
猪木は中途半端な闘魂注入をするべきでしょうか？
いいえ、猪木は思いっきった闘魂注入をすべきです。
猪木はしゃくれるべきでしょうか？
断じてしゃくれるべきです！
ＯＫです。ではもう一度、闘魂注入された場面を思い浮かべてどうですか？
何だか涙が出てきます。こんなにも私は猪木さんに愛されていたんだなぁと感謝の思いでいっぱいです。
浄化されたようですね。猪木は手加減すべきだというガチガチの価値観によってあなたは今までの人生苦しんでこられたのです。ある意味あなたの喜びは、猪木に左右されていたのです。あなたはいつも猪木にコブラツイストをかけられていたのです。その鎖から解放されて、もうあなたは自由です。リングを降りてください。もう闘う必要はないのです。
ありがとうございます！
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「猪木は手加減すべきだ」
この万人に共通するであろう根深い価値観。私たちが幼い頃から当然のように親に教え込まれてきた価値観の一つである。おそらく誰一人としてこの価値観を疑った者はいなかったであろう。
しかし、こんな根深い価値観でさえも、じっくりと検証していくことで手放すことができるようになる。
人間関係のトラブルの元は大抵「誰々はもっと私のことを理解すべきだ」というような価値観に起因する場合が多い。その結果、怒りなどの感情に発展する。
それもじっくり検証していく必要がある。
本当に相手にそれを望んでいるのだろうか？相手の自由を抑制してまで本当にそうしてほしいのだろうか？
「理解されていない」と思う反面、逆に自分は相手のことを本当に理解しているのだろうか？
あるいは他の誰かに対して同じような理解していない態度を取っていないだろうか？など。
様々な角度から検証していくと大きな気づきに至る瞬間がある。そうすれば自ずとその価値観は手放されていくだろう。
よく言われるように、すべて自分の目に映るものは鏡である。
鏡は自分が反転して逆に映る。
何が逆になっているのだろうか？
それは自分の内と外。つまり、自分の内面が反転して外側へと投射されたものが、私たち一人一人が目にしている現実なのである。
だから私たちが目にするものはすべて自分であり、自分の心の反映ということができる。
何か現実に問題があるとすれば、それは自分の中に原因がある。
自分の内側へと視点を持っていけば、すべての問題は自ずと解決されていく。
現実とは私たちが「何を信じているか」をいつも映し出してくれている。
○○すべきだ、○○してはいけない、当たり前のように信じてきた価値観や観念は手放してしまおう。
次回は、これもまた万人に共通するであろう価値観の代表ともいうべきもの。
春一番は手加減すべきではない。
これについて考察していきたい。
←手加減せずにダーッ！とやってください 笑。
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