SALTWORLDが今号で最終号になるようですね。

パパ大津留さんのツイッターで知りました

ソルトワールド誌、最近まで会社の福利厚生で定期購読してたんですよね。
経費削減で止められちゃいましたが。

会社で買ってもらう以前も帰国休暇で帰ると必ず買っていた雑誌でした。

が、ここ数年は届いてもかつてほど熱心に読む事はなくなってたなあ…
だから定期購読打ち切りもあまり抵抗することなく、すんなり受け止めて。

ソルトワールド誌は98年に創刊ですか。
たしか、師匠のお店で創刊号を手にしたんだったかな。
その頃、既にソルトルアーの雑誌の草分けとしてSALT WATER GAME MAGAZINE(以下SW誌)が出てて、その後にルアーフィッシング情報が出てたあたりかな。
先の2誌に比べてソルトワールドは大きくカラーページの多い誌面で、さらに当時盛り上がりつつあったソルトルアーの中でも遠征、GTやジギングの記事が多かった。
クルマ雑誌のカーグラみたいやなと思って飛びついたんですわ。

SW誌が出る前、ソルトルアー専門誌がなかった頃にはアングリング誌が前半はトラウト、後半にソルトルアーやバスという誌面構成で、そのソルトルアーも海外遠征の記事が多くて夢中になって読んでた。
それを一つの雑誌でソルトルアー専門にしたという感じ。

鈴木文雄さんが連載持つのも共通してますな。

そういう誌面だから、海外在住GTアングラーの私は非常に参考になる記事が多くて、帰国すると必ず買い、そして会社を説得して福利厚生として定期購読…だったんですがねぇ。
そうやって入手した雑誌を何度も何度も読み返したわけですが、最近は一度読んだら終わりと。

だから定期購読打ち切りや休刊になっても寂しさは有りますが、個人的にイタイとは思えない。

その原因は…
今手にしているスマホでしょうな。

私は本を読むのが好きで活字中毒気味なとこが有りますが、だからこちらに来た時は非常に辛かった。

事務所にたる先輩が持ち込んだ雑誌類や文庫本を何度も何度も読み返して、自分もジャカルタに行く時は関税で2倍になった文庫本をどれを買うかあれこれ迷って購入して、それをまた何度も読み返すという日々。
また帰国した時に読みたかった本を貪り読むのですが、出国前の丸善で文庫本を2万円ぐらい買い込んで、本屋の手提げで機内持ち込み手荷物にして持ってきました。
本って結構重くて、スーツケースに入れると超過料金が結構するんですよ。
釣具や仕事の荷物でただでさえ重いのに

本を読んで物語を楽しむ、または情報を入手するというのも好きなんですが、それに加えて活字を目にすることで得る刺激。
それがないと辛い人間になってた様です。

だからか、日本から持ち込んで重宝してたのが、釣具メーカーのカタログ。
それもルアーメーカーでなくダイワやシマノ、または谷山みたいな総合メーカーのカタログを、やらない釣りの道具やスペックも見て刺激を得てました。

そういう活字不足の中での定期購読は非常にありがたかった。
ソルトワールドが隔月刊になった時にさらに交渉してSW誌も追加して。

SW誌はどちらかというと派手さのない、シーバスメインにメソッドとか中心の雑誌でしたが、それはそれで自分の陸っぱりのメッキに応用効くとこありましたし。

そして、キャスティングGTの記事はあんまりなかったけど、遠征アングラーの茂木陽一氏や平松慶氏の連載はあったし、ジギングの記事はスパイラルジャークからスローピッチジャークの佐藤統洋氏の記事が有りましたからね。
DVDも買って、懸命に学びましたよ。
そして釣り雑誌の広告や新製品紹介で見るタックル。
次に帰ったらこれを買うぞ!と

そんな活字不足の中で干天の慈雨となる刺激と情報を与えてくれた釣り雑誌
あまり熱心に見なくなったのは…
やはりスマホでしょうな。

まず書籍の入手って点では電子書籍の出現で変わりました。
同僚がすごいものが出た!とSONYのreaderの端末を貸してくれて私も買いましたが、確かにすごいものでした。

なんせ、このインドネシアの田舎で日本の書物が電子化されていたら、日本と同じ値段で入手出来るんですから。

さらにその端末にかなりの量の本を持ち込んで持ち歩ける。
出張での空港やホテルでの時間潰しに常にかばんに文庫本を数冊(それも何度も読んだのを)入れてましたが、その必要がなくなりました。

そういうのが影響してたんでしょうな。
ジャカルタ出張の楽しみやった、2倍の値段で本を買ってた丸善は閉店。
紀伊國屋書店も最後に行った時はかなり売り場面積が狭くなってました。
移転して広くなったと聞きましたが、私は行ってないですね。

さらに日本の新刊の値段で古本を売ってたカモメって漫画喫茶兼古本屋も潰れてしまいましたね。

おそらく、ジャカルタの日本人間で流通してた紙の本が激減したのでしょう。

そしてジャカルタだけでなく、関空の丸善も閉店。
これはショックでした。
かつてほど切実ではないですが、電子使ってても、出国前に文庫本を買い漁る楽しみは続けてましたから。
でも、私みたいな海外滞在者以外にも旅行中に読む本を…って人が電子化で減ったんでしょうなあ。

こうやって電子書籍で本の入手度が落ちた上に、活字中毒者への活字という刺激を得る事にはスマホってやつがさらに大きい存在となります。

電子で本を読むには金を払わねばなりませんが、スマホでネットやSNSを眺めていれば、それより安い通信量で刺激をダラダラ延々と得れますからねぇ。
そして情報も。

釣り雑誌が苦しくなったのは、このスマホという存在が多すぎたんでしょうね。
釣り雑誌を見てワクワクしてた、もしくはパラパラ眺めて刺激を得てた。
それがスマホに太刀打ち出来なくなった。

釣り雑誌がグラビアでバーン!と載せてた釣果写真。
今やインスタやFBで探せば、いくらでも見れますし。
そしてそれが写真だけでなく動画でも提供されてる。
釣果情報も速報性という点では雑誌は敵わなく、あまりにも拡がり過ぎて釣場を潰すくらい。

釣り道具、タックルに関してもそうですね。
雑誌に頼らなくてもメーカーが懸命にサイト作って情報を流している。
SW誌はそうでもなかったけど、ソルトワールドは悪く言えばメーカーの太鼓持ち的な、新製品の紹介にページを割くことが多かったわけですが、今見ても金を払って読むほど、メーカーのサイトの情報への追加分が有るとは思えない。

さらにですね、メーカーの謳うスペックやら性能も大事ですが、使ってどうよ?は
スマホで見れるネットに雑誌は完敗してますしね。

まず雑誌というのは売り上げそのものもだけでなく、広告収入がかなり大事と。

そういう広告主がメーカーなんやけど、そのメーカーの商品を辛口で評価する事が出来ない。
つまり褒めても批判は出来ないと。

となると、短所の指摘、ましてや欠陥などは有っても書けないわけですわな。

だから、「使ってどうよ」は昔は口コミ
ネットが出現して各個人サイトに2ちゃんの掲示板。
そしてブログに動画配信にSNSと個人が感想を述べて、それを多くの人が探したら見れる時代になると、まあ勝てないのは当たり前ですわな。

こういう個人の発信は匿名も可能なんで、精度に劣る情報も有るでしょうが、数が増えるとその点を頭に置いて見てると、充分参考に出来ると思ってますし、そうなる様に私もこのブログにインプレ書いております。

そういうネットの活字や写真、動画の前には釣り雑誌って苦しいやろなあと思ってましたが、ついにSW誌だけでなくソルトワールドも休刊。
月刊ルアーフィッシング情報から変わったSALTYも既になく、ルアーマガジンソルトやソルトウォーターも…

かなり前からこうなるのは、自分が雑誌を見て「ワクワク」しなくなってた事から予想はしてましたが、やはり寂しいもんですな。
特に年をとっただけに時代の変化とそれについていけないモノへの哀切は、自分も他人事でないだけに余計に強く感じてしまいます…
辛いねえ…