1631作目はありそうで無い内容だった幻覚物を・・・。
『ドッペルゲンガー 凍てつく分身』
2014年ドイツ作品。
謎の男に自分のすべてを暴かれていくアクションスリラー。
-あらすじ-
ある田舎町でバイクの修理工場を1人で営む中年男エリックは、シングルマザーの
恋人ユリアとその娘リンダとの関係も順調で平凡ながら幸せに暮らしている。ある日、
エリックは謎の男ヘンリーに付きまとわれるようになり、しかもヘンリーが自分にしか
見えないことに気づく。更に、エリックをツィレと呼ぶ男ガスパーが現れ、犯罪組織の
ボスであるカイテルを殺すのを手伝うように言うが、全く身に覚えのないエリックは
聞く耳を持たず、ガスパーは自分の身を守るためにエリックをカイテルに売る。
ヘンリーから今の生活がまやかしであると告げられたエリックは、自らの過去の記憶が
曖昧であることに気づく。そこにガスパーが仲間と現れ、エリックの本当の名前が
トーマス・ツィレウスキだと告げるが、それでもエリックは思い出せない。一方、カイテルは
ユリアとリンダ、そしてユリアの父親である警官のヴォルフガンクを拉致してエリックを待つ。
エリックは催眠術師を訪ねた後にガスパーの指示通りにカイテルのアジトにやってくるが、
カイテルの部下に激しい暴行を受ける。意識が朦朧とする中、催眠術師に首の後ろに刺
してもらっていた針をヘンリーに導かれるままに抜いたエリックはそこで全てを思い出す。
5年前、犯罪組織から足を洗いたがっていたツィレは、ボスのカイテルを撃って下半身を
不自由にしたことから組織に追われる身となり、ある家に逃げ込む。そこは堅気である
実弟の家であり、その弟がヘンリーだったのである。ツィレはヘンリーとその妊娠中の
妻とともに3人で別人になりすまして逃亡するつもりで準備して来たのだが、追っ手に
よってヘンリー夫婦は無残に殺され、家に火がつけられる。燃え盛る炎の中からツィレは
逃げ出すが、そのまま記憶をなくし、別人として生きて来たのである。 エリックはツィレと
して蘇り、カイテルの部下らを次々と倒すと、ガスパーとともにカイテルの前に現れる。
ユリアに関心がないふりをしたツィレだったが、かつては兄弟同然だったカイテルに真意を
見抜かれる。しかし、カイテルに自分を撃たせたツィレは、その隙をついて逆にカイテルらを
射殺する。そしてツィレを撃とうとしたガスパーは拳銃を拾いとったヴォルフガンクに
撃ち殺される。ツィレはユリアら3人を逃がすと、1人で残る。カイテルに撃たれた傷で
意識が薄れる中、ツィレはそこに現れたヘンリーの幻と語り合う。そして、逃がしたユリアが
戻ってきて自分を救い出し、彼女の駆るバイクに乗せられていく様子を夢見る。
-感想-
自分しか見えない人物が実は主人公の弟でしたという結末はありそうで無いタイプですね。
粗暴な性格の弟と温厚な主人公と言うのは本来は逆なので性格はちょっと交換されたようです。
ただその記憶を失うとか性格が入れ替わるというシーンが無いのでそれは欲しかったです。
何故なのかという肝心な所の描写が無いので結構な重要なシーンは欲しかったです。
あとは対決でヒロイン一家以外みんな相打ちになるというシーンは結構雑でしたね。
結末で逃げ出したヒロインが主人公を救いに来る幻覚は悪党の末路としては切ないですね。
展開も結構サクサク進むし幻覚でもありきたりなところに行かなかったのは良かったと思います。
広げた風呂敷をもったいぶらずにしっかり回収しているので見ていてストレスも感じません。
あとは俳優さん達の演技力が高いのもあり映画自体楽しめたと思います。
ちょっと趣向を凝らした幻覚物なので不気味さや怖さなどはあまりないですね。
まあ地味な作品でしたがジャンル的にもそういう物を求めなくてもいいかという感じでしたね。
そんな感じで派手さは無い作品ですが悪くは無いので興味がある人は見てみてください。