2020年 イ・ジョンピル監督


あらすじ

1995年、ソウル。大企業サムジン電子に勤める高卒の女性社員たちは、すぐれた実務能力を持っていても、任されるのはお茶くみや書類整理など大卒社員のサポートばかり。しかし、そんな彼女たちにもチャンスが訪れる。社の新たな方針で、TOEIC600点を超えたら「代理」という肩書を与えられることになったのだ。ステップアップのため英語の勉強に励む女性社員たち。ジャヨンもそんな女性社員のひとりだが、ある時、彼女は会社の工場から汚染水が川に流出しているのを目撃する。その証拠を会社は隠ぺいしようとしていたが、ジャヨンと同僚たちは解雇の危険も顧みず、真相解明に向けて奔走する。



1995年は?

93年に長い独裁政権が終焉し、金泳三政権へ。

生まれ変わった民主国家、グローバル国家として英語フィーバーへ突入。(大企業サムソンがTOEICを導入したことが就職活動に変革をもたらす)

600点以上取らないと志願すらできない企業も多く、英語教育は子どもたちにも波及し、舌の手術をする親も。

また、95年には独裁政権の手抜き工事の結果、三豊百貨店崩壊や聖水大橋崩壊も。



 高卒の制服組

詳しくはわからないけども、能力ややる気があるが大学進学できなかった高卒の女性社員たち。

家庭の経済事情など(男兄弟は進学するのに女はその学費を稼がなきゃならないのはよく韓ドラや映画で出てくる)で高卒で就職。給与の差や、仕事内容も差別されています。



彼女たちだけ制服を着ていて、おじさんたちのコーヒーの配分からそれぞれのタバコの銘柄まで暗記し、大卒の女性社員からも差別されている。

代理に出世するため必死にTOEICの勉強をする彼女たち。


最後は連帯

ジャヨンはたまたま工場から怪しい液体が排出され、川の魚が死んでいるのを目撃してしまい。

自分の会社がこんなんではいかん!と報告書を作成。

報告書も自分から渡しても取り合ってもらえないことを自覚しているので、後輩で自分より職位は上のチェ・ドンス(チョ・ヒョンチョル)に託す。



村長と会社との話し合いで、汚染物質が健康被害はない検査データを見せて住民の同意を得て補償金も渡して解決。したように思ったのだが…!

ここから、親友のユナ、ボラムと共に会社が検査データを隠蔽していることに気がつき、奔走。

最初は3人の孤独な闘いだったけど、

段々と他の女性社員も手を貸すようになって。



更に会社の検査データ不正が、外資のグローバルキャピタルの罠だったことまで突き止める。

そうなると、大卒のおっさん社員も大量の首切りにあう可能性が出てくるわけで、連帯して闘うことに!


天才数学少女だったボラムは、経理。

その上司ポン部長(キム・ジョンス)との関係性がすごく良かったです。


実際には斗山(ドゥサン)グループの子会社、斗山電子が有害物質フェノールを垂れ流しして、市民により事件が発覚した事件をモチーフにしているそうです。社員ではなく市民たちにより事件化されたとのこと。


個人の暮らしの向上が民主化運動から変遷していった時代。現在も様々なデモが見られる韓国。自分たちの暮らしを守るために社会問題に目を向けて立ち向かう。社会問題が多いという事でもあるけども、健全な社会だからこそこういう運動ができるという事でもあるよなぁ、と思います。