私の「坊ちゃん」
恥ずかしながら、この年で夏目漱石先生の「坊ちゃん」をやっとこさ読んだのですが。
自分の想像する「坊ちゃん」と、本当のそれの内容が全然違うのでビックリした、という話。
いつも韓ドラ見る句友の先輩(日文出身)が「坊ちゃん」フリークで。
「坊ちゃん…あれは最高のエンタメなんだ!」
と言う。
「そもそも坊ちゃんって、なんなの、なんで坊ちゃんなの?」と超そもそも論を居酒屋でぶつける馬鹿丸出し無知な私。
先輩のざっくり説明で、清という下女が主人公を坊ちゃんと呼んでたいそう可愛がったという事とか初めて知り。(読んでないから当たり前だ)
そいつが松山に行って、学校のちょっと悪い体制とやり合ったりする話…と聞いて。
私が想像していた話はこんな感じ
松山生まれの主人公「坊ちゃん」が、進学のため東京に行って、教員免許とって(ここは多分そのまま東京で働きたいが色々あって不本意ながら)地元で教師として就職。
久しぶりに再会した幼馴染の赤シャツや山嵐とマドンナを取り合ったり、田舎の悪ガキ生徒たちとだんだんうちとける青春物語ー
文学好きな人からしたら信じがたいでしょうそうでしょう。
そんな話でしょ?と思っていたわけです。
読んだら全然違うじゃんねー夏目せんせーっ
ちなみに「こころ」は教科書に載ってたから読んだし、面白かったですっ。映画も見たわ。
坊ちゃんは東京の人だった
坊ちゃん、江戸っ子だったわ!
のっけから、「あれ?松山…じゃないの?なんか知ってる町名出てくるぞ」となり。
坊ちゃんの無鉄砲エピソードが凄いスピード感で描写。与党がよく言う「スピード感を持って対応したい」とか比べものにならないくらいの、躍動感ある文に「うわぁ、坊ちゃんの親じゃなくて良かったぜ…」とか、「坊ちゃんと話す前に要点まとめないとブチギレられそう」とどうでもいい事ばかりおもう。
そして、清、坊ちゃん買い被りすぎ。
親族から見放されても、清は坊ちゃんを崇めまくる!
無条件に人から愛されて、羨ましいっす。
理系凄い
父の死後、松山の中学校へ数学教師として就職。
坊ちゃんは自分では勉強が得意ではないとか、そんな調子で書いてるからわかりにくいのですが、たまたま入った東京の物理学校、後で調べたら今の東京理科大学。
調べたら、当時早慶含め私学は文系専門。当時は法律で認められた大学は東大京大だけで、その中で理系に特化した学校に行ってた坊ちゃん、カッコエエ!
ずーっと自他共に認める無教養で無鉄砲キャラ、と描写されてるけど。この頃の中学校も愛媛県では当時は最高学府に就職したこととなる。月給40円は当時の小学校校長の2割増しくらいと。高級取りです。
松山ディスりが凄い
学校の先生たち、最初の下宿主人、蕎麦屋、生徒たち全員、どいつもこいつも嫌な奴ばかり。
食べ物屋さんにも「東京の味を知らない奴が作った」とか、勢いに任せてディスり続ける坊ちゃんです。
もちろん心の中で
坊ちゃん団子、とか、松山と言えば坊ちゃんなのに、
こんな悪口言っていいのかハラハラ。
観光名所としてアピールする愛媛の人の器のでかさを感じます。(松山のホテルには聖書と坊ちゃんが置いてあるヨと先輩より)
教頭の赤シャツがムカつくのはもちろんですが、
執拗に教師をからかう生徒たちが怖い。
当直の布団にバッタをたくさん仕込む悪戯をして。
「それはバッタじゃなくて
イナゴぞなぁもし」
この方言と、先生に叱られてもゾンビみたいな感じの生徒たちが、私は怖かった!
やっぱり理系凄いで終わる
ラストは山嵐とのバディ感で、暴れ回って、赤シャツを制したようにも見えて、この狭い田舎から東京に戻っても赤シャツは強かにあの地で上手い事やって行くのでしょう?!なんかなー。でもこのほんの一矢報いただけの話をクローズアップしてるのが、愉快なのですねぇ。
そして、最後の最後に、東京に戻り「街鉄の技手」になる坊ちゃん。何それ都電の運転手?と思ってたら、今で言うハイテク企業の課長クラスのようです。
清が小さな頃から坊ちゃんは大成すると褒めまくったけど。
ターナーに見える崖だ、とか気取った文化系男子の赤シャツの会話がサッパリわからない無教養な坊ちゃん。
でも多分最後の就職で赤シャツを抜くでしょうね。
結論 やっぱり理系は凄いなーと思ったのでした。
坊ちゃんにサブタイトルつける
しばし坊ちゃんで盛り上がる私と先輩。
懲りずにサブタイトルつけ始める。
坊ちゃん〜熱血二等辺三角形
先輩!それ単に模範刑事の余韻が、抜けてないだけじゃないすか!
(余韻が凄くて「アンダーカバー」も録画してるのにまだ見れない先輩)
坊ちゃん〜無鉄砲教師の赴任日誌
あまりにも郷に入っても従わない坊ちゃんのはちゃめちゃ新米教師ぶり。あれ、それってストーブリーグっぽい?
こんなんやってたら、ドラマ化映画化されたやつに
サブタイトルついとった!
変なサブタイトルっ!
(内館牧子先生)
そして最後に私が考えた
坊ちゃんin京城
京城に暮らす親日派の父(キム・ソンギュン)と兄貴(アン・ジェホン)と坊ちゃん(リュ・ジュンヨル)。家族とソリが合わず済州島へ赴任。田舎者の噂や洗礼に耐えられず、寂しくなって下女の清に会いに京城に戻るが、清(ラ・ミラン)は実は抗日運動のスパイで、日帝の幹部を殺しに行く途中だった…。
って、キャスティング考えるの面倒くさいから応答せよを応用したら、けっこういいんじゃない?
お兄ちゃんは商売人の道を探すし。
清、の本名(朝鮮名)はアン・オッキョン(安玉京)
(ラテさん命名)
坊ちゃんにだけ、本名を教えるやつね
追加キャスト(まだやるか)
赤シャツ(教頭、卑劣、親日派、うらなりの婚約者マドンナを奪おうとする) パク・ソンフン
野だいこ(赤シャツの腰巾着)イム・ソンジェ
うらなり(英語教師、内気な性格)イム・シワン
のちに豹変する。原作とは違うスタイル
マドンナ(うらなりの婚約者だったが赤シャツとつきあう。その理由は他にあって…いつもガーターベルトに銃が!)チョン・ジョンソ
狸(校長、事なかれ主義)ソン・ドンイル
先輩がこの朗読してる人の声が門脇麦に似てると
聞いたら本当に門脇麦みたいな声で!!AIなのかな。これ聞くと途中で必ず寝られるよ、と。