1999年 カン・ジェギュ監督 ハン・ソッキュ主演



あらすじ

1998年。韓国情報機関“OP”の情報部室長ユ・ジュンウォンは、相棒のイ・ジャンギルと共に、武器密売人イム・ボンジュからある情報を入手するために落ち合う約束をするが、ボンジュは何者かに狙撃され即死する。現場の状況からジュンウォンは、北朝鮮の凄腕女性工作員イ・バンヒが事件に関係していると直感し、捜査を進めるうちに、バンヒがボンジュと組んで液体爆弾CTXを手に入れようとしていたことを突き止める。



  スケールの大きさに驚く

1999年に東京国際映画祭で舞台挨拶上映が行われて、翌2000年一月に公開。18億の興行成績という大ヒット作。

当時私は韓国ドラマも韓国映画にも興味がなく、もちろん見に行ってませんが周りでけっこう見てる人いたいた。スパイ映画として見に行って凄かった、と感動していた映画サークルの友達とか。(当時はもう就職していたけど。)

この時代、覚えてるのは「ケイゾク」の映画版くらいかな。。

昨年東京国際映画祭で上映していて、また見逃してしまい、中古DVDゲットしてやっと鑑賞。


冒頭から勢い凄くて、

ここから韓国映画が世界に「ドヤ〜」ってなった、という話が本当にわかりみしかない。凄い映画。

スケールでかいし、今の韓国映画やドラマよりよりアメリカっぽさ?を感じもしました。一般人巻き込みますし、拳銃乱射しまくり。


でもって、やっぱり「自国に対して表現が容赦ない」の。こゆとこ、好き。


  ​分断された国家の心情が細かく描かれる

スパイ映画の激しさ、アクションも凄いのですが、

ミニマムな感情の描写も良かった。

ソッキュとユンジンのラブもありますが、

ソッキュ🇰🇷とミンシク🇰🇵さんの関係性もたまらないっ。

ミンシクさん、この後あの「ハッピーエンド」ですんごい情けないサレ夫を演じたのね。あっという間に体重増やしたのかな?





  みんな、若すぎる!

やっぱりこれですね。

25年前の俳優陣の、お肌!

ユンジンさんもかわいい。


サブちゃんみは1ミリも無かったし、ベルリンファイルより尖っていた。


ソン・ガンホの感じが面白すぎた。

布施博?

あぶ刑事みたいなユーモアっぽさ、時代が漂ってた。って、髪型のせいですよね。

この2人プラス恋人のキム・ユンジンの3人でデートする形式も面白い。

この翌年が「JSA」。チョコパイ〜悲しい

やはりこの映画で南北問題を扱ってから後続もどんどん…、という流れなのかな。


あと、冒頭のイ・バンヒを演じてる人(パク・ウンスク)がハ・ジウォンみたいで、え、この人誰?とすぐラテさんにLINEしちゃいました。

北の特殊第八軍団のめちゃんこ辛い訓練の映像がセリフほぼ無しで流れるんだけど、それが猛烈で強烈。


やっぱり「ムービング」の北の訓練ここからだよねー、なんて思ったわ。

ムービングの最高人民兵、これも酷かったけど。

第八軍団凄かった…。


  南北問題に切り込む


チェ・ミンシクのセリフで

「50年間騙されてきたらもう充分だ。政治家は統一なんて望んでない。ハンバーグとチーズで育ったおまえらはたった100ドルで中国に売られていく女を見たことがあるか?餓死した子どもを埋める親の悲しみを知っているか?」

これは実際に監督が脱北者に聞いたことからのセリフで、今でこそ南北の映画やドラマたくさんあって、北の様々な面を知る事ができますが、当時としては衝撃だったという。

きっと、謎に包まれた隣国が、このセリフにより同胞なんだとエグいくらい実感し涙するシーンだったのだと思います。




昨年の東京国際映画祭で監督より…

    
出資元であったサムスン映像事業団の廃業によって長らく無くなっていた上映権が回復。
来年上半期頃を目処に韓国と日本での劇場公開(恐らく今回観たデジタル・リマスター版)の予定がある。

もしかして、配信系に来るかもしれませんね!



  シュリ以前・以降

興行は600万人動員。

これ以降、韓国人が映画館に行くのが日常習慣となる!

また、この辺りから助監督経験のない監督、映画学校卒エリートたちが監督になり始める。(ポン・ジュノとか)

(古い気質の映画人が一掃されたり、殴ったりいじめたりの縦割り体制の現場では無くなる。監督たちが民主化運動やってきた影響、と)


非英語圏興行成績ランキング

ウィキで思わず調べてみた。

(英語圏と邦画が入ると、鬼滅、千と千尋、タイタニック。)


シュリは23位。



こうやって見ると、やっぱり興行成績20億以上にならないと「金曜ロードショー」は無理ってことですかね。 

「神と共に」が金ロー来ないかな〜、とか夢物語でしたアセアセ

ちぇっ、こんな金曜ロードショー向き映画は無いと思うのだが。老若男女楽しめるのにー。