2023年 オム・テファ監督


あらすじ

大災害により一瞬で廃墟と化したソウル。唯一崩落しなかったマンションは、生存者たちで溢れかえっていた。無法地帯となったいま、マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が発生。危機を感じた住民たちは主導者を立て、居住者以外を追放し、住民のためのルールを作って“ユートピア”を築き上げることに。


登場人物


キム・ヨンタク(イ・ビョンホン) 

皇宮アパート臨時代表。

職業不明、寝たきりの母がいる。火事が起きたときに消火活動して、婦人会会長に一目置かれ、代表となる。最初は気弱そうだったのに、外部者を追い出すという成果を得て代表という座に酔いしれる。


キム・ミンソン(パク・ソジュン)

公務員。防犯隊隊長。

ヨンタクや周りがどんどん狂気じみてきて、妻を守るためにもそこに加担する。


チュ・ミョンファ(パク・ボヨン)

元看護師。ミンソンの妻。医療隊。

非常時にもフラットな目で物を見る人。


キム・グメ(キム・ソニョン)

婦人会会長。ここの住人以外がこのマンションに避難する事に意義を唱え、投票して外部者を追い出す。その動機が地価の高いマンションの住人たちに散々今まで馬鹿にされてきた恨みも入ってて…。

婦人会会長の肩書きNo.1なソニョンさん。


トギュン(キム・ドユン)

代表の他にも役割を決める時、自分は糸球体腎炎だから兵役免除で係はできない!と言い、周りの反感を買う。めちゃ勝手な人かと思っていたわ〜ガーン


災害時の人間の本性

この映画のスタートが、ミンソン夫婦が目覚めると既に外が荒廃していたのでよくわからなかったのですが(え?寝てる間に災害が起きたの?と)

ミンソンのはっきりしない態度も、自分と妻中心の利己的な弱い人間を表してるのかなー?と思って見ていたら、災害のど真ん中で恐怖体験をしたというのも後からわかり。説得力ありました赤ちゃん泣き


住民だけ集まって代表を選んで、外部者を追い出すことを決める。


そんな中でも利他的に生きている人もいて。




狂気

この映画の予告を見た時、ビョン様の演技が見たくて見たくて!

期待通り面白いイ・ビョンホン祭でした。


消火栓引っ張り出して吠えるくだりから、なんでオレが?な拡声器うまく使えず外部の人追い出すところ、外に食料調達して帰って祭りでカラオケ歌うところ…。この大災害の世界の方が尊敬されてやりがい感じられて幸せに見えて。


そんなビョン様の変化の演技面白かったけど!

パク・ソジュン!


ずーっと顔面蒼白で、でも妻が外部者に物資を渡してるの知って妻を守るためにももっとやばい人間にならざるをえないミンソン。刺さりましたー。


私はハリウッドのディザスター映画は苦手で見ないので比較できないですが、映像は相当迫力がありました。加えて、いつもの脇役俳優陣のリアルなやつ!自分たちだけのこのユートピアマンセー!な感じを皮肉たっぷりで描くシーン。

とにかく寒さが伝わってきて、ラストの握り飯のシーンは、温度と人間の温かみに1番ホロっときました。具なしの米に希望が満ち溢れて見えました。

監督の弟、オム・テグちゃん2回出てきて嬉しいっ。