みちのくいとしい仏たち 行きました | ぐりぐり寺

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ぐうたらなのに山越え谷越え石段越え。絵と文の記録です。
ゆるい仏画、御朱印帳も手がけています。

 

 

東京ステーションギャラリー 2月12日(月)まで

「みちのく いとしい仏たち」

公式HPこちら

 

 

東京ステーションギャラリー、初めて入りました。

古い駅舎の中の美術館。どこから入るのか知らなかったです。

東京駅の改札を出てすぐ横が入口でした。

 

 

青森県、岩手県、秋田県の木彫仏を集めた展覧会。

仏像ばっかりたくさん♪ あっ神様や馬や鬼やお猿さんもおりますよ。

共通するのは、その土地の人達に求められ、土地の人達が彫って、土地の人達に守られている、なかなか個性的なお像という点です。

 

 

 

 

チケットの絵柄が何種類かあるらしくて、私が当たったのは鬼さんでした。

「鬼形像」 江戸時代 正福寺 岩手県葛巻町

うん、怖くない。

 

 

 

入口のごあいさつ文から、読んでいて泣けてくる内容だったんです・・・。

確か・・・大きなお寺じゃなく、屋根や柱も壊れかかった小さな社で、ずっと耐え忍んできた仏さまたちなのです、みたいな文章でした。

言われてみれば、腕や足先が欠けている像が多かったです。長年頑張ってきたんだなぁ~。(涙)

 

 

 

 

(撮影スポットより)

「山神像」 江戸時代 兄川山神社 岩手県八幡平市

全身に対して頭が長いぃ。モディリアーニの絵みたい?

にっこり笑っています。微笑んでいるお像が多くて、こちらもほっこりしました。

 

 

仏様を彫ったのは、プロ仏師や造仏僧ではなく、地元の大工さんなど。

1点だけ円空作の観音菩薩像がおられました。この展覧会の中では、円空仏が一番技術が高い、気がします。

 

 

 

 

(アイエムのXより)

多くがガラスケース無しの展示でした。

駅舎のレンガ壁と合う~。

時代は江戸時代の作が多いです。岩手県天台寺の如来と伝吉祥天は、平安時代で古いほうでした。

場所は、岩手県八幡平市の所蔵が多かったです。八幡平市に民間仏が沢山おられるのね♪

「個人蔵」「某社蔵」もちらほら。某社の「社」は、会社なのか、神社なのか。

 

 

 

 

(撮影スポットより)

「菩薩坐像」 江戸時代 観音寺 青森市

背後の風景写真は、仏様がおられる町の景色。

会場内にも祠の風景がいくつも飾られていて、この場所で生まれ育ったんだなあと感慨深いです。

 

 

現地の映像のなかで、社を守っている方が「お腹が痛いとき、この像を削って飲むとお腹が治ると言われていた」とおっしゃっていたのが心に残りました。

山犬の像の説明でも「子供が乗って遊んでいた」とあって、そういえば滋賀県湖北の観音様も土地の方に守られ愛されていたなぁと思い出しました。

 

 

 

微笑んで、可愛らしい仏像の皆様。

確かに京都奈良の造仏工房作とは異なるスタイルですが、自宅や近所のお社に必要とされたのは、こういうお姿だったんでしょう。

最後の解説文でもまた泣かされました。正確には覚えていませんが、厳しい暮らしのなか、人に言えない辛いことを、仏さまにはこっそり打ち明けてきた、という内容だったか?

誰かに見せるためでなく、自分がお祈りするため。

何を言っても受け止めてくれる優しい仏さま。

良いですね~。(涙)

 

 

 

 

出口を出たら東京駅だった。

現実に引き戻されました。