ダイヤ改正プレスリリースでの房総特急の置き換えを中心とした定期特急の動き、更に春の臨時列車一覧から今後の特急運用について考えて見る。
◯房総特急の運用について
今回ダイヤ改正プレスリリースと春の臨時列車一覧から房総特急の運用パターンがある程度予想できる。定期特急と新宿さざなみ新宿わかしおについては駅ごとの詳細な時刻も記載されているためそこから判断すると以下の運用パターンになりそうだ。
運用1
平日
幕張→君津回送
さざなみ6号 君津740→東京848
わかしお3号 東京900→安房鴨川1053
わかしお12号 安房鴨川1141→東京1336
わかしお9号 東京1400→安房鴨川1553
わかしお18号 安房鴨川1642→東京1841
わかしお15号 東京1900→安房鴨川2103
土休日
幕張→東京回送
わかしお3号 東京900→安房鴨川1053
わかしお12号 安房鴨川1141→東京1336
わかしお9号 東京1400→安房鴨川1553
わかしお18号 安房鴨川1642→東京1841
わかしお15号 東京1900→安房鴨川2103
運用2
平日土休日共通
わかしお8号 安房鴨川739→東京935
わかしお5号 東京1000→安房鴨川1159
わかしお16号 安房鴨川1542→東京1734
わかしお13号 東京1800→勝浦1930
運用3
平日
わかしお6号 勝浦727→東京902
東京→幕張回送
幕張車両センター留置
幕張→東京回送
さざなみ5号 東京1930→君津2037
君津→木更津回送
土休日
勝浦→幕張回送
幕張→木更津回送
運用4
平日
君津→木更津回送
さざなみ2号 君津552→東京657
わかしお1号 東京715→勝浦845
わかしお10号 勝浦907→東京1037
わかしお7号 東京1100→安房鴨川1252
わかしお14号 安房鴨川1408→東京1604
わかしお11号 東京1700→上総一ノ宮1801
上総一ノ宮→東京回送
わかしお19号 東京2100→勝浦2232
土休日
木更津→東京回送(日曜日のみ幕張→東京回送)
わかしお1号 東京715→勝浦845
わかしお10号 勝浦907→東京1037
わかしお7号 東京1100→安房鴨川1252
わかしお14号 安房鴨川1408→東京1604
わかしお11号 東京1700→上総一ノ宮1801
上総一ノ宮→東京回送(GW除く)
わかしお19号 東京2100→勝浦2232
運用5
平日
わかしお4号 勝浦644→東京825
東京→京葉回送
京葉車両センター留置
京葉→東京回送
さざなみ3号 東京1830→君津1940
君津→東京回送
わかしお21号 東京2200→上総一ノ宮2303
上総一ノ宮→幕張回送
土休日
勝浦→幕張回送
運用6
平日
幕張→茂原回送
わかしお2号 茂原608→東京708
東京→幕張回送
幕張車両センター留置
幕張→勝浦回送
わかしお20号 勝浦1810→東京1942
わかしお17号 東京2000→上総一ノ宮2106
上総一ノ宮→幕張回送
土休日
幕張→勝浦回送
わかしお20号 勝浦1810→東京1942
東京→幕張回送
運用7
平日
さざなみ4号 木更津703→東京810
東京→京葉回送
京葉車両センター留置
京葉→東京回送
さざなみ1号 東京1730→君津1836
君津→東京回送
さざなみ7号 東京2030→君津2141
土休日
幕張→新宿回送
新宿さざなみ1号 新宿751→館山1006
新宿さざなみ4号 館山1602→新宿1807
新宿→幕張回送
運用8
平日
幕張→佐倉回送
しおさい4号 佐倉652→東京743
東京→幕張回送
幕張車両センター留置
幕張→東京回送
しおさい11号 東京2045→佐倉2133
佐倉→幕張回送
土休日
幕張→新宿回送
新宿わかしお1号 新宿722→安房鴨川936
新宿わかしお2号 安房鴨川1620→新宿1829
新宿→幕張回送
このような運用パターンとなる可能性が高い
この場合平日は定期8運用+予備2本、土休日は回送含めて定期6運用+臨時2運用+予備2本となる。
ここから気になる点がいくつかある
まず1つ目は余りにも日中の定期運用が少ないことだろうか
現行わかしお10号→わかしお11号相当の列車が削減され、わかしお9号をわかしお12号の折り返しに合わせて繰り下げため、日中の運用は3本で足りるようになってしまった。残りの5本は平日は朝夕しか動かない。ただし繁忙期や夏休みなどはこの5本の一部を用いて臨時のわかしおやしおさいを設定する可能性はある。
そして2つ目は回送が多くなってしまった点だ。京葉線は朝ラッシュは蘇我方面からの各駅停車や武蔵野線からの直通列車等が多く走る関係で、京葉線東京駅での折り返し時間に長く費やすことが出来ない。そのため新ダイヤでは朝ラッシュに限りわかしお同士の折り返しが出来なくなっており、さざなみがない土休日でも幕張または木更津から回送で東京まで送り込む必要性がある。それだけならまだ良いが問題は朝ラッシュの上りわかしお2本(4号、6号)が勝浦出庫でこのわかしおが夜のさざなみや上総一ノ宮行きわかしお21号担当になり幕張や木更津停泊になることから、停泊地を変えるために勝浦→幕張間で土休日に回送だけの運用が発生している。
似たようなケースだと土休日のE257系2000番台がまさにこのパターンで湘南や踊り子の運用がないのに停泊地を変えるために回送だけの運用が発生しているのだ。
その結果土休日のE257系500番台の定期運用は特急だけ見れば4運用あれば足りるのに実際には6運用必要なダイヤになっている。
尚先程のE257系2000番台のケースでは回送だけの運用は繁忙期に限り臨時踊り子で使用していることから、今回のケースでも繁忙期に限り臨時わかしおで使用する可能性が高い。その証拠に東京13時発の臨時わかしおは89号となっていて、13時以前に最大4本(81号〜87号)が余地が残っていることである。
3つ目は予備車が1本から2本に増えた件だろうか、ただ予備車が増えるだけならそもそも255系を新宿さざなみに残す必要性はない。ということは何かしらの動きがあると考えられる。
ここで重要なのは10編成全てに電源コンセントが設置されていること、そして波動用編成(OM-51〜OM-52,OM-91〜OM-93)に電源コンセントが付いていないことから、波動用転用ではなく房総特急への残留であることは事実。
ただE257系500番台は他の番台と異なり未更新であることから予備車が増えたこのタイミングを使って機器更新を実施する可能性が高い。であるならば機器更新終了後10編成全て房総特急に残留することを前提としてあらかじめ電源コンセントを設置して、機器更新期間は一時的に予備車を1本を増やし機器更新終了後に繁忙期の新宿さざなみで残っている255系を置き換えというのが自然な流れだと考えられる。
◯臨時運用はどうなるのか
上記の理由からE257系500番台は平日定期8運用+機器更新入場1本+予備1本、土休日は京葉線東京発着の臨時わかしおを含む定期6運用+臨時2運用+機器更新入場1本+予備1本であること分かった。
これを元に新宿さざなみ新宿わかしおなどの臨時運用を考えて見る。
まずE257系500番台の臨時運用が2運用しか設定できないため、毎土休日運転の新宿さざなみ1号/4号と新宿わかしお1号/2号に必要な分しか用意出来ない。つまり追加で臨時運用が増えると波動用車を用いることになる。
追加で臨時運用が増える日が以下が該当する。
3/17 ごうざき酒蔵まつり
4/20,21 日本遺産北総四都市号
4/27〜29,5/3〜6 新宿さざなみ3号/2号,しおさい81/82号
4/27,5/3,4 新宿さざなみ81号
4/28,5/5 新宿さざなみ82号
5/25〜6/16の土休日 あやめ祭り
それぞれがどのような波動用車を用いるかは他線区の運用状況からある程度察知が出来る。
3/17はE257系5500番台が草津四万31号/82号の1編成のみだが翌日に富士回遊93号と草津四万71号があり、事前に車両の送り込みが必要であること、E257系5000番台があずさ74号1本のみであることから新宿わかしおがE257系5000番台でこうざき酒蔵まつりがE257系500番台の可能性が高い
4/20,21はE257系5500番台が足利大藤祭りで2本使い切る一方でE257系5000番台の運用がないため、新宿わかしおがE257系5000番台で日本遺産北総四都市号がE257系500番台
GWは臨時運用が3運用増えている一方で、E257系5500番台は草津四万と足利大藤祭りで使い切り、E257系5000番台はあずさで2本使用することから、新宿さざなみに255系、新宿わかしおにE257系5000番台3本目を入れつつ更に新宿さざなみ81号/82号にE257系500番台の予備編成を使用
あやめ祭りは少し複雑であやめ祭り期間はあずさ79号/74号とあずさ83号/86号でE257系5000番台を2本使用する一方で、E257系5500番台の運用がないため、あやめ祭りにE257系5500番台を入れるのが原則である。
ただし例外があり6/8,9の2日間だけは花咲く鎌倉あじさいでE257系5500番台を使用する関係で、あやめ祭りにE257系5500番台が入れられずE257系500番台を入れることになる。そしてあやめ祭りにE257系500番台を入れる関係で新宿わかしおがE257系5000番台となり、更に新宿わかしおにE257系5000番台を入れる関係で、6/8のあずさ79号と6/9のあずさ74号はE353系を入れるといった動きになっていることが分かる。
◯255系について
GWとあやめ祭り関係での動きから255系の運転頻度はE257系500番台/E257系5000番台/E257系5500番台/E353系が全部埋まっていてそれでも足りない場合のみ新宿さざなみで使用するという運転頻度となり、このようなケースはかなり稀なケースであるため255系が運転するのはかなり少ないという状況になる。特に概ね毎土休日に運転する鎌倉がE653系になったことでE257系5500番台の運用数が減ったため、房総方面にE257系5500番台を入れやすくなり夏以降は255系の運転頻度が更に減る可能性もある。
◯185系について
最後に185系についてだが、春の臨時列車一覧を見てもダイヤ改正後に群馬エリアや伊豆エリアを中心に運用が残っている。このことから今回のダイヤ改正での房総特急の動きと185系置き換えは無関係であることが分かる。検査時期から185系引退が近いことが事実だが動きを見ても185系を置き換える車両は房総特急とは無関係な別形式になる可能性が高そうだ。