迷いながらも、ロボの見舞いに行った。
最低でもあと2年はそして希望的観測では5年はお世話になるであろう介護病院の病室に手慣れた感じで入って行く。
「ウンチしたいの」と顔を見るなり言問われともと外の看護師に確認を取るため外にでる。「オムツは後で取り替えますから」との返事にそうだよねと病室に帰る。
部屋でポータブルトイレを使いたくない一心でトイレに「連れっててくれ」と腰に抱き着き、ムカデ競争の様に二人で歩きながらトイレに通った日々を思い出す。
右腕を空に伸ばし大きな四角を描きながら「田んぼにないがか」と言う。意味が分からず何度か問い直すも、認知だからなと諦め脉を採る。
痛い方の左肘を擦りながら、このままするしかないんだよと諭す。細い前腕の甲を擦りながら符と想う。
「さすれども さすれども猶ほそ腕楽にならざり ち”っと手をみる」