ColoRs act.4






「エル、まさか俺達がドラズだってこと言ってねーだろうな?」
キッドは煙草を揉み消し、エルを睨んだ。
親友だろうと恋人だろうとドラズということバラしてはいけない。
「言ってねぇよ、そこまで馬鹿じゃねーっての。それに、一応言葉で縛っておいたし、勝手な行動はしないって」
本来ドラズとしてのエルの力は"怪力"だが、言葉で相手の行動を制限させる"言縛り"をかけることも出来る。
一般人や堕ち人にならエル程度の使い手でも"縛り" は有効のはず。
「そーゆー問題じゃねぇっ!」
キッドはバンッとデスクを蹴り上げた。
「堕ち人だろうがなんだろうが、俺らが任務以外でドラズに関わる訳にはいかねぇんだよ!!」
「キッド、落ち着いてっ」
暴れかねないキッドをドラリーニョが必死に押さえ込む。
「お前、どんな立場か忘れてんじゃねーのか!?」
その言葉にエルは「忘れてねぇよ」と静かに呟く。
ドラズだった者は平穏無事に表世界では生きていけない。
だからと言って一度ドラズを裏切った自分達が再びドラズに戻れる訳がない。
そんな中、自分達は警察官として、普通の人間として生活している。
凶悪なドラズの根絶、それが絶対条件。
「だったら今すぐそいつを追い出してこい」
たった一人の勝手な行動で仲間全員がとばっちりを受ける。
「ねぇキッド、エルの話も聞いてあげようよ。きっと理由が」
「理由なんてねぇよ・・・・・・ただあのガキがしばらく泊めてくれっつったから泊めてやるだけだ」
ただそれだけ。
「・・・・・・堕ち人は危険」
ドラニコフはエルを諫めるかのように短く言葉を発した。
「裏があるかもしれない」
堕ち人の殆どは名を縛った特殊能力者の所有物となる。
敵対している相手の動向を窺う為、堕ち人を利用する者も多い。
「ねー、二人共!一回その堕ち人に会ってみてからどうしようか決めない?」
追い出せ、と言うキッドとドラニコフをなだめながらドラリーニョが提案した。
「もしなにか企んでたらニコフが気付くし、僕達なら堕ち人の一人や二人簡単に捕まえられるでしょ?」
それぞれ過去に武勇伝を持っている。
堕ち人くらいなんとでもなる。
「・・・・・・おいニコフ、家に行くぞ」
キッドはドラニーニョから目を逸らし、深く帽子をかぶり直す。
「エルとリーニョは此処で待ってな」
「えーっ!僕も堕ち人に会いたいのにー」
「リーニョはエルがまたやっかいなモン拾ってこねぇように見張ってな」
「ずるーい!」
ドラニーニョは子供のように駄々をこねる。
「なんでそんなに会いたいんだよ」
「だってエルが堕ち人を助けたってことは、すっごく美人なはずでしょ?」
女たらしのエル。
その異名は伊達じゃない。
「僕も行きたーい、会いたーい、おしゃべりしたーい」
「遊びに行くワケじゃっ・・・・・・!」
「キッド、早く行こう」
ドラニコフはキッドを促し、部屋を出ていく。
「お前ら絶対何処にも行くなよっ」
留守番組に念を押してキッドも部屋を出た。
「どんだけ信用ねぇんだよ・・・・・・」
「エルは日頃の行いが悪いからねぇ」
「オレのどこが悪いんだよ」
仕事はきちんとやっている。
たまにサボることはあるが。
「毎日サボってばっかりだもん。サボってたから堕ち人を拾ったんでしょ?」
「・・・・・・・・・」
反論出来ない。
「ねー、その堕ち人って可愛い系?綺麗系?」
「あのなぁ・・・・・・堕ち人はセニョリータじゃなくてヤロー。性格の悪いガキだっつーの」
黙っていれば可愛いが、一度口を開くと氷の矢のごとく相手を突き刺す。
見た目と中身のギャップは激しい。
それを聞いたドラニーニョから一瞬笑顔が消えた。
「ロリコンは犯罪だよ?しかも少年って・・・・・・まぁエルがそーゆーの好きでも僕は縁を切ったりしないからね」
そう言いながらもエルを映す瞳は完全に引いている。
「ばっ・・・馬鹿かっ!?オレ様がそんな趣味に走るワケ・・・・・・ッ」
「あんまり近寄らないで」
あからさまにエルと距離をとり、身構える。
「だから違うっつーの!!!」
「はいはい、そーゆーことにしといてあげる」
ドラリーニョはそう言いながら、デスクの引き出しからたくさんの書類を取り出した。
「なんだそれ?」
「勤怠報告書、始末書、事前銃器貸出書、事後銃器貸出書、休暇及び有給休暇希望書、公共物破損報告書、一般破損報告書・・・・・・あとは」
一旦、息継ぎをして再び言葉を繋ごうと口を開くと「もういいって!」とエルは遮った。
「じゃあコレ今日中に書いて提出してね」
「マジで!?」
「うん、マジで」
明るく太陽のようなドラリーニョの笑顔。
(コイツの顔、殴りてぇ・・・・・・!)
「今日中に提出出来なかったら給料カットらしいよー」
エルは拳を握り締める代わりにペンを握りしめ、書類と向き合った。







王ドラは静寂の中ソファに深く座り、赤い髪の男、エルの顔を思い出した。
いかにも女性にモテる容姿で、しかも自覚している為、かなりナルシスト。
性格は単純で乗せやすい。
つまり、馬鹿。
ついでに怪力。
拳が飛んできた時、とっさに受け止めた手が今でも痺れが治らない。
(あれで警察だなんて・・・)
思わず笑ってしまう。
"ドラズ"という言葉が出てこなければニワトリ頭の男とは二度と関わらないようにしただろう。
(とりあえず部屋の掃除でもしてあげますか)
ゆっくりと立ち上がり一歩足を踏み出した瞬間、吐き気と目眩が王ドラを襲った。
「・・・・・・・・・!」
ガクッと膝が床につき、右手でなんとか身体を支えた。
(く、すり・・・・・・っ)
ポケットの中からケースを取り出し、錠剤を飲み込んだ。
「ぁ・・・ぐっ・・・・・・」
右の脇腹を押さえながらうずくまり、全身に突き刺さるような痛みにじっと耐える。
「・・・・・・は・・・ぁ」
どれだけの時間が経ったのか王ドラは分からなかった。
何度か咳をしながら近くに放置していたケースを手に取り、錠剤の数を確認する。
(この分だと足りませんね・・・・・・どこかで稼ぎますか・・・)
身体で稼ぎ、薬を買う。
それが当たり前。
当たり前だった。

『自分をもっと大切にしろ』

王ドラの脳裏にエルの言葉が響き渡る。
初めて言われた言葉。
一瞬、ほんの一瞬だけ赤髪の彼に自分の全てを委ねたいと思ってしまった。
(・・・・・・私は何を、考えているんでしょう)
疲れているのかもしれない。
ふらつきながら立ち上がり、カーテンの隙間から射す夕日に目を細める。
「私は何も望まない」


『幸せ』なんて言葉はこの世には存在しないのだから。




─To Be ContinueD─









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ColoRs act.3





「ニワトリの割には良い所に住んでいるんですね」
少年が部屋に入って開口一番言い放った感想はエルに対し、大変失礼なものだった。
「あのなぁ、お前は居候の身だぞ?オレ様を崇め奉ることがあっても貶せる立場じゃねーだろ!次、馬鹿にしたら追い出すからな!」
「・・・・・・以後気を付けます」
いきなりシュンとした少年に掛ける言葉が思い浮かばず「まぁ・・・分かればいいんだけど、さ」とごもごもとした返ししか出来なかった。
「とりあえず、オレ以外の奴らに迷惑かけなきゃ良いし」
「誰か一緒に住んでるんですか?」
「署の仲間と四人で共同生活」
「なるほど・・・だからあなたごときの人がこの高級マンションに住めるんですね」
「・・・お前気を付ける気ぃねーだろ」
「当たり前じゃないですか」
ここまでハッキリ言われるといっそ清々しい。
この少年に口で勝てる気がしない。
「あー、日付変わる前には帰って来るから腹減ったら冷蔵庫の中勝手に漁れ。あと、オレの部屋はあそこの端だから自由に使いな。他の部屋には入んなよ」
必要な事を伝え、エルは玄関に向かう。
「あ、鍵はきちんと閉めとけよ」
そう言いながら振り向くと、エルの目の前に橙色の瞳があった。
少年は背伸びをし、両腕をエルの首に回すと、自分の唇と相手の唇を触れ合わせる。
「・・・・・・んっ!?・・・・・・おいっ!」
少年の両肩を押し、距離をとる。
「なんのつもりだっ」
「何って、言ったじゃないですか」
出来る限りの事はします、と。
「自分で言うのはなんですけど結構上手いですよ、私」
エルの胸に顔を埋める。
「離れろっ・・・・・・!オレ様はそんな趣味ねーんだって!」
引き離そうとしてもなかなか離れない。

「これで生きてきたんです」

微かに声を震わせながら静かに答える。
「堕ち人の私は、こうしなければ生きていけなかった」
「おまっ・・・・・・おち、びとなのか?」
「ええ、だから私には何もありません。あるのは『王ドラ』という呪縛だけです」
だから、と言葉を繋げる。
「あなたが望むなら私はなんでもします。だから私を独りにしないで下さい。見捨てないで下さい」
・・・助けて下さい。
少年の眼から涙が流れた。
「・・・・・・なんでもすんるだな?だったら」
エルは少年の身体をギュッと抱きしめた。
「自分をもっと大切にしろ」
「え・・・?」
その言葉に思わずエルの顔を見る。
「ここに居る間は自分を粗末にするな。それに今、お前に出来ることはオレ様の部屋掃除と晩飯を作ることだっつーの!」
「エル、あなたのこと馬鹿だと思ってましたけど、間違いでした。あなたはミラクル阿保です」






『ニワトリの割には良い所に住んでいるんですね』
エルは見た目は可愛いが口は相当悪い少年の言葉を思い出す。居候の身のクセに文句ばかり言う少年。
正直、つまみ出そうと心から思った。

『堕ち人の私は、こうしなければ生きていけなかった』

(堕ち人、か・・・)
特殊能力者によって"名"を縛られた者は"堕ち人"と呼ばれ、ほとんどが奴隷のような扱いを受ける。
能力の強い者に縛られれば微力だが特殊能力が得られ、運が良ければドラ一族と同等な力を手に入れることが出来る。
それを求めて自ら堕ち人となる輩もいる。
あの少年が自ら堕ち人になったのか、無理矢理縛られたのかは分からないが、どちらにしても特殊二課のエルは捨て置くことは出来なかった。
(さーて、どーすっかなー)
デスクの上にあったペンを指でクルクル回しながら、生意気少年の事を考えていると・・・。

「特殊二課の赤い奴!聞いてるのか!?」

突然怒鳴られ、身体が震える。
(そーいやー会議中だったな)
月二回行われる特殊課捜査会議。
毎回暇な会議の為、まともに参加した時が無かった。
「すいません」
怒鳴った上司は小言が多いということで有名であり、素直に謝った方が良い。
「ふん」
上司は鼻を鳴らし、再び話し始める。
「"蒼い悪魔ドラえもん"と"深緑の奇術師ドラメッド三世"の動きが激しくなっている。被害も甚大だ。更に、一年前からこの二人のドラズに新しい能力者が加わったという」
エルは手元の資料に視線を落とす。
内容は前回とほぼ変わっていない。
(こんな分かりきったこと書く必要ねーだろ・・・)
"蒼い悪魔"と"深緑の奇術師"、若い彼らはドラ一族でもかなりの権力を持ち、この辺りはほぼ彼らによって牛耳られている。
特殊能力もすごいのだが、残虐極まり無いドラえもんと、情報を網羅するドラメッド三世が手を組んでいる為、一向に捕まえる事が出来ないでいる。
「しかし、その人物の情報が皆無である。情報収集と共に"蒼い悪魔"と"深緑の奇術師"の捕縛を特殊二課に任せる」
(結局二課任せなんだよなー)
危ない橋は全て二課任せる。
仕方ないと言えば仕方、ない。
(早く会議終わんねーかなー)
瞼は重くなり、キッドに起こされるまで夢の世界へ旅立った。






「で、今回もブラックリスト担当なワケか」
会議に参加していなかったキッドは分厚い資料をペラペラとめくり、五メートル先のゴミ箱に投げ入れる。
「いくらオレ達が能力者って言っても歯が立たねぇんだよなぁ」
警視庁特殊二課は元ドラ一族の特殊能力者のみが配属される。
それを知っているのは警視庁内のトップだけである。
普通の人間と特殊能力者が敵対している中、元ドラ一族が一般社会で生活することは難しい。
「この新しい仲間ってゆーのも気になるね」
キッドの後ろから甲高いテノールの声でドラリーニョが資料を指差す。
ちなみにドラリーニョの服装はほぼ毎日サッカーユニホームだが突っ込まないのが暗黙の了解だ。
「この二人が仲間を作るってことは、すごい能力者なのかな?」
「どうだろうな・・・情報が全く無い時点でなんかあるんだろうけどさ」
「珍しい能力だったらニコフが気付くのにー」
ねー、とドラリーニョは少し離れた場所に座っているドラニコフに声を掛ける。
「・・・ここ最近で気になるドラズは居ない」
「ニコフで気付かないってことは普通のドラズ・・・ってこたぁないか」
お手上げ状態のキッドに一度も声を発さなかったエルが「全然カンケー無いことなんだけど」といつものトーンで話し掛ける。
「三時間くらい前に落としもの拾ってさー、マンションに置いてきたんだけど」
「んだよ、犬か?猫か?」
一拍おいて「人間」と答える。
「てゆーか、堕ち人」
まさに堕とし者。


・・・・・・・・・・・・。


エル、渾身のギャグは通じなかった。





NexT...ColoRs AcT.4








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ColoRs act.2






ドラズが動けば動くほどエルの労働時間は長くなる。
最近では雑魚程度のドラズしか捕まえることが出来ない。
「あー、やってられねぇ・・・」
ふかしたばかりの煙草を灰皿に押し当て、窓から身を乗り出しそのまま外へ飛び出る。
スタッと着地し、何事もなかったように歩き始めた。
(漫喫にでも行くか)
どうせサボるならとことんサボった方が利口だ。
一応見つからないように細い路地に入り、裏道を通って行く。


「大人しく有り金渡せば許してやっからよぉ」


奥から微かにチンピラの決まり文句が聞こえてきた。
(いつの時代もチンピラはチンピラだな)
溜め息をつきながら声のする方へ向かっていく。
ただ、助ける為ではなく、目的地である漫画喫茶がたまたま同じ方向だったからである。

「さっさと出せや!」
「それとも身体で払うか?」
「ひゃははっ、イイ顔してっから男でも高く売れるぜぇ」

(あー、気分悪ぃ)
数人のチンピラが発する言葉に吐き気がした。
遠目から見ると囲まれているのは女顔の少年。
チンピラは二、三人かと思えば、かなりの人数が少年を囲っている。
しかし、少年は無言で立っているだけで、怖がっている様子はない。
(セニョリータだったら迷わず助けるんだけどなぁ)
深い溜め息をつき、一番近くのチンピラの肩を叩く。
「はいはい、恐喝罪で逮捕するよー」
ジーンズの中に入れていた警察手帳を取り出す。
普通、チンピラなら簡単に追い払うことが出来る。
しかし、全く効果無し。
「あん?なんだテメェ!」
「コイツの保護者か?」
何故か絡まれた。
手に持っている物を見ると、警察手帳ではなく、メモ帳だったことに気付く。
「げっ」
服の中を探るが、無い。
(持ってくんの忘れた・・・)
デスクの中に入れっぱなし。
普段物忘れが激しい仲間をからかってきたが、もう馬鹿に出来ない。
「おい」
チンピラの一人がエルの胸ぐらを掴み、持っていたナイフで頬をペチペチと当てる。
「このガキが俺らのダチにぶつかった所為で入院する羽目になっちまってよー、代わりに慰謝料払ってくんねーかなー」
(ベタだなー)
ベタ過ぎて溜め息が止まらない。
「仕方ねぇ・・・」
財布を取り出すと、数人のチンピラが集まってくる。
胸ぐらを掴んでいた男がニヤッと笑った瞬間、エルは財布を持っていた手で殴り飛ばす。
「ゲフッ・・・!」
手加減したつもりだったが男は数メートル程吹っ飛んだ。
「テメェ何者だ!?」
「通りすがりのイケメンだよっ」
襲いかかってくるチンピラを次々倒し、最近溜まっていたストレスを発散する。
(・・・弱過ぎだろ)
五分も経たない内に全員再起不能。
弱い者いじめをした感じになってしまった。
「ったく、弱いクセにオレ様に喧嘩売るなっつーの!」
煙草を取り出し火を着ける。
運動の後の一服は堪らない。
「おい、大丈夫か?」
絡まれていた少年に声を掛ける。
少年はエルがストレス発散していた間、逃げるでもなくただ立っていた。
「子供はこんな所通っちゃダメだぞー」
とりあえず、怖がらせないよう最大の笑顔で少年の頭を撫でようとした時、ペシッと手を振り払われた。
「子供扱いしないで下さい、このニワトリ頭」
可愛い顔した少年から発せられたとは思えない言葉。
「ニワっ・・・!助けてやったのにニワトリ頭だとっ!?」
「私は助けてと言ってません」
冷静に反論してくる少年に対し、エルは苛つき始める。
「ガキのクセに粋がってんじゃねーよ!」
「さっきも言ったでしょう?私を子供扱いしないで下さい。ニワトリなのは髪の色だけじゃなく、頭の中もニワトリなんですね」
「ダァァァァッ!ニワトリゆーんじゃねぇっ!!」
少年相手に勢いよく殴りかかってしまった。
(やべっ)
すぐ我に返ったが勢いのついた拳は止まらない。

パシッ!

少年はエルの拳を受け止めた。
本気で殴りかかってはいなかったが、少年に止められるほど手加減していたわけでもない。
いや、正直に言うとかなり本気だった。
「!?」
「・・・力も馬鹿ですね」
受け止めた手が痺れたのか、軽く振っている。
その様子を見て、エルは肩を落とす。
「やってらんねー」
ベタなチンピラに絡まれ、助けた子供に馬鹿にされた挙げ句、自慢の拳まで効かなかったことに腹が立つ。
「ドラズのこともあるし署に戻るか・・・」
今日は運が悪い。
大人しくしていた方が良いかもしれない。
エルは少年に背を向け、片手を挙げる。
「気をつけて帰れよー」
今後二度と会わないように願いを込めた。
三メートル程歩いたら、服を引っ張られ振り返る。
「なんだよ、ガキ」
「私をあなたの家にしばらく泊めて下さい」

・・・・・・・・・。

「なんでオレ様が口の悪いガキを泊めねぇといけねーんだよ!」
「今までの暴言は撤回します。だから私をあなたの家に泊めて下さい」
さっきとは打って変わって、少年は礼儀正しく頭を下げ懇願する。
「お金はありませんが、出来る限りの事はします」
「・・・・・・分かった分かった、わーかーりーまーしーたー。泊めてやるから頭上げろっ」
腕にさぶいぼができた。
「オレはエル。お前の名前は?」
少年は少し考え、口を開く。
「私は、王・・・。王といいます」
夕焼けと同化しているオレンジがかった茶色の髪の少年・王は微笑んだ。
(笑えばなかなか可愛いじゃん)
そんなこんなでエルは居候を一人拾った。





NexT...ColoRs AcT.3








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過去を忘れ、



未来を諦め、



希望を捨てた。



もう、



何もいらない。


ColoRs act.1







薄暗い部屋の中、王ドラの視界に見慣れた天井が入った。
一瞬自分がどこに居るのか分からなくなる。
今時珍しい畳の部屋。
中央には、寝やすいとは言えない薄っぺらい布団。
そこに王ドラは身体を預けていた。
「王?」
しゃがれた声。
呼ばれてからしばらくして、今自分は男と一緒に寝ているのだと自覚する。
焦点が合わないくらい近くに白髪混じりの男の顔があり、ジッと見つめた。
(名前・・・なんでしたっけ・・・・・・)
思い出せない。
「どうしたんだい?」
男はそう言いながら王ドラの身体に口付けていった。
「なんでもありません」
目を閉じ「もっと・・・」と呟く。
男の名前は忘れたが、何をすれば気を良くするのかは覚えている。
ゴツゴツとした手が中心部へゆっくり移動し、優しく撫でられる。
「・・・ん・・・・・・」
軽く身体をよじりながら男の肌に擦り付けた。
積極的になればなるほど男は高い金を払う。
このタイプは楽だ。
何も考えずただ身体を重ねれば金になるのだから。
「あっ・・・・・・ん・・・」
何度も受け入れた所は抵抗も少なく、男のモノが挿入っていく。
「可愛いよ・・・」
挿入れたまま王ドラと唇を合わし、お互いの舌を絡ませ唇の端から唾液が一筋流れる。
男は名残惜しそうに唇を離すと徐々に腰を動かし始めた。
王ドラの手は自然と男の背中に回る。
「イくよ」
「あっ・・・!」
王ドラの中に全てが吐き出された。
「気持ち良かったかい?」
モノを引き抜き起き上がる。
その台詞を言う時は終わりの合図。
男は自分で身体を拭き、着替え始める。
「もう行くんですか?」
答えは分かっているが、つい聞いてしまう。
期待している訳ではない。
ただの社交辞令。
「ああ。また来るよ」
別れの口付けをし、男は部屋を出ていく。
一人残った王ドラは仰向けになり、天井を見る。
(・・・さすがにこの天井は見慣れましたね)
何年も何千回も飽きるほど嫌になるほど見てきた天井。
「いつになったら・・・」
此処から解放されるのだろうか。
誰にも聞けない問い。
誰にも解らない答え。
(・・・・・・やめましょう)
辛くなるだけだ。
叶わないと分かってる事を願うほど子供ではない、と自分に言い聞かせる。
(そろそろ来る頃ですかね)
起き上がるのが億劫。
出来る事ならこのまま寝てしまいたい。
いっそのこと寝てしまおうかと瞼を閉じた時、襖がスッと開いた。
「王」
「今起きます」
何かを言われる前に返事を返す。
ゆっくりと起き上がり、ベタついた身体を近くにあった布で拭いていく。
「上の空だったらしいね」
王ドラを呼びに来た青年、ドラえもんは部屋の中に入り、襖を閉めた。
「上の空?」
「さっき君が相手してた人からクレーム。駄目だよ、一応大切なお客様なんだから」
「以後気をつけます」
注意を半分聞き流し、用意されたいつもの服に着替えようと右手を伸ばした瞬間、ドラえもんに腕を掴まれた。
「これは注意でも忠告でもなく、命令だよ?」
蒼い目が王ドラの動きを止める。
「どんな客でもちゃんと接客してもらわないと商売にならないんだし」
「分かっています」と言ったつもりだが、きちんと言葉として発することが出来たかは分からなかった。
声が震え、呼吸が上手く出来ない。
「分かっているなら良いんだけどね」
「・・・・・・っ」
心臓に激しい痛みが走り、左手で胸を押さえる。
「・・・くっ・・・・・・」
「『心臓』」
ヒュッと喉の奥が鳴る。
酸素が身体に入ってこない。
「『呼吸』」
薄暗い視界がいきなり真っ暗になった。
完全な闇。
「『視覚』」
ドラえもんの声だけが頭の中に響く。
絶対な呪縛。
「僕は君から『思考』も奪うことが出来るよ」
「・・・・・・!」
握りつぶされそうな心臓。
息の吸い方すら忘れた呼吸。
闇と同調した視覚。
耐えることがやっとで、何も出来ない。
「王、君ごときが『上の空』なんて良い度胸だね。何様のつもり?」
「ああああああああああっ!!」
全身に無数の針を刺したような感覚。
言葉に出来ない痛み。
耐えられない痛み。
思考は停止した。
「男の子が声なんか出して、だらしないなぁ」
先程王ドラが身体を拭いていた布を目一杯口に詰め込む。
「・・・・・・・・・っ」
「これで静かになったね。まったく、ペナルティはこれからなのに」
王ドラの首を掴む寸前、タンッと勢い良く襖が開いた。
「やり過ぎである」
「・・・君はまるで正義のヒーローみたいだね、メッド」
溜め息をつき、王ドラを掴んでいた手を離す。
「あっ・・・・・・げほっ・・・うっ」
一気に身体が楽になっていく。
大量の酸素を求め、何度も何度も呼吸を繰り返す王ドラの耳元で「良かったね、王」とドラえもんは囁き、部屋を出て行った。
「大丈夫であるか?」
「ええ・・・」
震える手で、ドラメッドが差し出した服を受け取り着替える。
「えもんを怒らせて良い事なんてないである」
「分かってます」
出会った時から、嫌というほど思い知らされているのだから。
着替えを終えて立ち上がり「いきましょう」と一言呟き部屋を出る。
此処から逃れることは出来ない。
この世界に自分の居場所はない。



そしていつか黒へと染まる。





NexT...ColoRs AcT.2








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■ドラえもんズBL長編小説
・エル×王ドラ/エル×王ドラ前提王ドラ総受け
・18禁/擬人化/バラレル/シリアス



殊能力者"ドラズ"に飼われ、特殊二課に身を寄せる、堕ち人・王。

エル×王ドラですが中々二人は結ばれません。

ドラえもんが結構酷いです。



不快な思いをしたら読むのを即効止めることをお勧めします。



☆目次☆


act.1
   『男の子が声なんか出して、だらしないなぁ』

act.2
   『今までの暴言は撤回します。だから私をあなたの家に泊めて下さい』

act.3
   『自分で言うのはなんですけど結構上手いですよ、私』

act.4
   『ねー、その堕ち人って可愛い系?綺麗系?』









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僕らの余韻








ドラえもんの一発により合同実習は白熱し、その後の対戦は盛り上がっていった。
「お疲れ様です」
王ドラは冷えたタオルをドラえもんに渡す。
「王ドラさんの声届いたよ」
今はすでに落ち着いているが、先程見せた王ドラの熱い声援は一生忘れないだろう。
「さん付けしなくてもいいですよ」
「あっそうだったね・・・王ドラ。さっきはありがとう」
「いえ、ドラえもんが頑張ってくれたんですから私も本気を出さないといけませんね」
「でも、無理はしちゃダメだからね?」
昨日の傷を悪化させてはいけない。
「大丈夫ですよ。私を誰だと思ってるんですか?」
「へ?」
「次、王ドラ前へ」
不敵な笑顔を残し王ドラはリングに向かっていく。
リング上には屈強な生徒が何人も上がっていた。
「えーっと・・・五対一?」
「あの分だと三十秒だな」
「我が輩は十五秒に千円であーる」
クラス中で賭が始まっていた。
王ドラが中国拳法の名人であることをさらっと聞く。
(驚かない驚かない)
想定内と言えば想定内である。
リング上で王ドラがバタバタと投げ飛ばしていようと驚かない。
「おい、エル!お前の番だぞ」
キッドは昼寝中のエルを叩き起こす。
「むにゃ・・・オレ様の相手は誰だ?」
目をこすりながら起き上がる。
リング上では王ドラがエルを見つめていた。
エルはニヤリと笑い、駆け足でリングに向かう。
(あれ?もしかして・・・)
王ドラはリングに残り、エルはリングに上がる。
つまり・・・エルの相手は王ドラ。
「王ドラに千円!」
「オレも王に千円」
再び賭が始まった。
「ドラえもんはどっちに賭ける?」
キッドはメモ帳を片手にドラえもんの横に座わる。
「いや、賭けるとかじゃなくてクラスメート同士が戦うって•••あの先生の策略じゃないの!?」
「多分そうだと思うぜ」
キッドは当たり前だ、というように答えた。
「でもよー、王の相手がエルじゃあ意味無いし」
「意味が無い?」
「考えてみろよ。あいつら毎日本気で殴り合ってるんだから心配することねぇだろ」
確かに。
心配するだけ無駄だ。
「だから楽しめって。それにさぁ、面倒なセンコーに喧嘩売ったんだから長い戦いになるはずだし」
あの暴力教師はそんなに面倒なのだろうか。
「深く考えてると重荷になるだけだぜ?」
「王ドラもそうだった?」
「まぁな。でもこのクラスは馬鹿騒ぎが好きなヤツの集まりだから考えるのを止めたらしいぞ」
「それは分かる気がする」
王ドラが諦める理由がよく分かる。
「今回はこれ以上何もしてこないと思うし、馬鹿なオレ様野郎の応援でもしようぜ」
どうやらキッドはエルに賭けたらしい。
リング上では死闘が繰り広げられている。
「王ドラ楽しそうだね」
「王はオレ達が思ってる以上に馴染んでるし、めでたしめでたし」
ドラえもんの肩を軽く叩く。
(キッドはキッドなりに僕のコトも気にしててくれたのかな?)
ただのワガママではなかったらしい。
(他のみんなもただ騒いでるだけじゃないし・・・)
自分達が出来るコトを精一杯やっている。
結果、騒がしくなってしまってるのだが。
「キッドって友」
友達思いだね、と言葉を続けたが周りの歓声で打ち消されてしまった。
「げっ・・・」
キッドの顔色は心なしか青い。
「あの居眠り野郎に賭けたオレが馬鹿だったか・・・。オレ、サボるからあとは頑張れよ!」
そう言うとキッドはそっとその場を去っていく。
ドラえもんの周りでは賭けの結果で盛り上がっていた。
「エルに賭けた奴っ!賭け金払えよー」
「キッドが居ないであーる」
「逃げやがったなっ」
あちこちが騒がしい。
遠くではエルと王ドラが終わったにもかかわらず、再び戦い始めている。
(・・・前言撤回。みんな、ただ自由なだけなんだね)
溜め息をつき、空を見上げる。
「空って青いなぁ・・・」



なんとなくこのクラスに来て良かったと心から思った──。






─LogIcAl DevelopMenT enD─




NexT...Undecided









ドラズ受け別RANK
**ドラズ溺愛RANK**
★擬人化ドラランク★
◆擬人化ランキング◆


僕らの結実







(重い・・・空気が重すぎる・・・)
無事、寮にたどり着いたが、汗だくなドラえもんと痣だらけの王ドラを見たキッドは慌ててエル達を呼び、おそらくキッドの部屋だと思われる所に入れられ何があったのか詰め寄る。
全く喋らない王ドラの代わりにドラえもんが分かる範囲で話すと、長い沈黙が部屋を包む。
あまりの重圧にドラえもんの胃がキリキリと痛み出す。
(胃潰瘍になっちゃうかも)
誰にも気付かれないよう、そっと溜め息をつく。

「心配をお掛けしてすみませんでした」

沈黙を破ったのは、王ドラ。
「私なら大丈夫です」
そう言って立ち上がり、部屋を出ていこうとすると、キッドは王ドラの腕を掴む。
「ちょっと待てって!全然大丈夫じゃないだろ!?」
「そうであーる」
「きっと、またなんかしてくるよっ」
皆を遮るように王ドラは言葉を発する。
「・・・•次は私だけでは済まないかもしれません」
その言葉に再び沈黙が流れる。
「キッド、手を離して下さい」
キッドはゆっくり手を離し、王ドラはドアに手を掛ける。
「あぁぁぁぁ、もうっ!!!!」
ドラえもんの中で何かがプツンと切れた。
今日は色々ありすぎて簡単に切れるらしい。

「なんで一人でなんとかしようと思うかなぁ・・・みんなに心配掛けたくなかったら少しは頼れば良いんだよ?頭が良いなら分かるでしょ!?キッドはキッドで、ちょっと王ドラさんがワガママ言ったらハイハイ言うこと聞いて手ぇ離しちゃうしさぁ・・・いつもみたいに嫌だと思ったら突き通してよねっ!あと、エル!!朝はくだらないコトで言い合いしてたクセに、大事な時は黙っちゃって・・・エル・マタドーラ様はビビリーなの!?僕は王ドラさんのコトもこのクラスの事情は全然知らないけど、今この状況が馬鹿らしいってコトはハッキリクッキリ分かるからねっ!!!!」

息切れが半端なく辛いが言いたい事を全て吐き出した所為か大分スッキリした。
「次に何かされる時は確実にあなたが・・・」
「じゃあ、みんなでなんとかしようよ。それに今は僕のことより王ドラさんの怪我を治療した方が良いと思うんだけど」
王ドラは何も言わないが、身体は痣だらけのはず。
「そうだよな・・・ドラえもんのゆー通りだよな!」
キッドはうんうんと頷き、王ドラの手をしっかりと掴む。
「キッド!?」
「医務室行くぞっ!他の奴らは作戦会議だぁー!」
「オォォォ!!」
ドタドタとみんなは部屋を出て行き、エルと2人っきりになっていた。
「えっと・・・なんか出しゃばった感じになってごめんなさい」
「俺様としたことがこんなことでビビってしまうとは・・・たまには一般人の力も借りないとな!」
ハハハッと笑いながらドラえもんの肩をバシバシ叩く。
「明日から全面対決だな」
「へ?」
さらっと何か重要なことを言われた気がした。
「先公に喧嘩売ったんだから死ぬ気でいくぜ」
頼もしい言葉。
(僕、大変なことに巻き込まれたかも・・・)



翌日、ドラえもんが登校するとげた箱には熱烈なラブレターが入っていた。
(うわー、本当に狙われちゃった・・・)
ここまでベタなのは珍しい。
(とにかく、言われた通りにしないと)
普段カバンには絶対入っていないゴム手袋を履き、ドラメットから貰った怪しいビニール袋にササッと手紙を入れる。
(怪しいモノを怪しいモノに入れるって・・・)
怖すぎる。
ビニール袋に入れた手紙をカバンにしまい、教室に向かう。
「おはよう」
教室のドアを開けると少しピリピリした空気が流れていた。
「お、ドラえもん!手紙入ってたか?」
キッドが襲い掛かる勢いでドラえもんに近付く。
「う、うん」
はい、と例の手紙を渡す。
「げっ・・・前と同じじゃねーか」
「うむ、そうであるな」
全員が手紙に群がる。
「助かったな、ドラえもん。直接触ってたら全身かぶれてたぜ?」
まさか世界に誇れる学校でこんな嫌がらせを受けると誰が予想しただろう。
「メット、なんて書いてあるか早く読めよ!」
「焦らせないでほしいのであーる」
完全防備でドラメットは手紙を読み始める。
「『先日は先生の邪魔をしたらしいですね?私たちに刃向かうとどうなるか思い知らせてあげましょう。本日の合同実習で恥ずかしい目に遭いたくなければ早く謝りなさい。そうしたら先生もきっと許してくれるでしょう。キミは落ちこぼれ学級に転入して間もないはず、今すぐ改めれば普通クラスに戻れるかもしれません。よく考え直しなさい』だそうである」
「どう思う、ドラえもん?」
一斉に注目される。
「えっと・・・いろいろ言いたいコトはあるんだけど・・・・・・今日って合同実習あるの?」
初耳である。
「連絡網で回ってこなかった?」
「ドラえもんの前って誰だ?」
「リーニョじゃない?」
「あーじゃあ仕方ないな」
(なんか朝から疲れちゃったよ・・・)
溜め息をつきながら自分の席に座る。
隣の席にはエルが堂々と寝ていた。
「エル、起きた方が良いよ」
軽く揺さぶるがピクリともしない。
「それじゃあ起きませんよ、そのバカは」
振り返ると足を大きく振り上げた王ドラが不敵に笑っていた。

ガシュッ

「おまっ、殺す気かっ!?」
エルは間一髪でガードし、受け身をとる。
「あなたを起こしてあげようとしたんですよ」
「あんな起こし方があるかっ!」
(あれ・・・デジャヴ?)
昨日と同じような光景が目の前で行われている。
「二人なりのスキンシップなんだよね、きっと」
そう自分に言い聞かせる。
いちいち気にしていたら胃潰瘍になってしまう。
「エル、王!体力は温存しとけよっ」
激しいスキンシップをしている二人にキッドは忠告した。
(一体何するつもりなんだろう?)
あまり良い予感はしない。
と言うより、悪い予感しかしない。
(もう、帰りたい)
今日は長い一日になると思った。





「それではこれから合同実習を始める」
先生の長い話が終わり、各クラスそれぞれの待機場所に移動する。
「ねぇキッド、今回の実習って組み手?」
広いグランドの中央にはプロレスリングのような会場が設置してあった。
「らしいな。久し振りに暴れられるぜぇ!」
やる気満々。
「それでは名前を呼ばれた者は前に出てくるように」
体育教師は名前を呼んでいき、実習は滞りなく進んでいく。
最初の方はいわゆるガリ勉クラス同士の実習の為、簡単な組み合いで終わる。
「僕たちのクラスなかなか呼ばれないね」
「多分運動系のクラスとぶち当たるな、こりゃ」
「そ、そんなぁ・・・」
運動能力は人並み程度のドラえもんとしては、勝てる気がしない。
組み手となると更に不安。
心臓のドキドキが止まらない中「ドラえもん、前へ」と言われ、ゆっくりリングに上がる。
(みんなが遠いなぁ・・・)
特別クラスの待機場所が一番端の為、豆粒サイズでしか見えない。
「久しぶりだな、ドラえもん」
「え?あっ・・・久しぶり」
元クラスメートが対戦相手として目の前に立っていた。
「ドラえもんが居なくなって寂しかったんだぜ?授業とか静かで。そっちのクラスは良いよなぁ騒がしくても怒られなくてさ」
明らかにイヤミを言っている。
「まぁ手加減しないでかかって来いよ」
「う、うん」
一応手合わせするが、簡単に投げ飛ばされる。
「あ、悪いな。俺さぁ空手少しかじってたんだ」
力の差は歴然。
嫌がらせの意味もようやく理解した。
(早く終わらないかなぁ・・・)
もうどうでもよくなっていった。

「何やってるんですか、ドラえもんっ!!」

遠くの方から王ドラが叫んでいた。
「そんな奴、あなたなら一発KOでしょう!?死ぬ気で戦いなさいっ!!」
初めて聞く王ドラの叫び声が心に響いた。
「・・・自由な人たちだなぁ、みんな」
ドラえもんは心を落ち着かせ相手を真っ直ぐ見つめると、大きく拳を振り上げる。
「なっ・・・!ゲフッ」
「ごめん僕、空手黒帯なんだ」


特別クラスに編入してから度胸がついた、と心の底からドラえもんは思った───。




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僕らの転機







「ドラえもーん、先行ってるぞー」
「早く来いよ」
帰りのホームルームが終わり、キッドとエルは教室を後にする。
今日は二人に寮内を案内してもらうはずだったが、寮の手続きをしていたドラえもんは思っていた以上に帰るのが遅くなっていた。
「ちょっと待ってー」
少し遅れてドラえもんはバタバタと教室を出て行くと、見知らぬ生徒に声を掛けられた。
「君、此処のクラス?」
「え、一応・・・そうですけど」
インテリチックな男子生徒がドラえもんの行く手を阻む。
「王ドラ君って居るでしょ?何処かな?」
「えっと・・・わ、分からないです」
朝のホームルーム以来一度も顔を合わせていない為、今何処に居るかは知らない。
「本当に?」
少しずつ詰め寄られていつの間にか壁際まで追い詰められてしまう。
(どうしよう・・・)
訳が分からない。
誰かに助けを求めたいが、残念なことにクラスメートはすでに帰宅している。
「もしかして君も王ドラ君の友達?」
「えーっと・・・友達ってゆーか、知り合いってゆーか、隣の席ってゆーか・・・・・・」
「何処にいるか教えてくれない?」
どんなに詰め寄られても知らないものは、知らない。
(誰でもっていいからなんとかしてっ!)

「何してるんですか」

ドラえもんの願いが届いたのか、少し離れた所から影が伸びる。
「あ、王ドラさん」
インテリ男子の探し人である王ドラが不機嫌そうに立っている。
「探したよ、王ドラ君」
「・・・なんの用ですか」
男子生徒はドラえもんから離れ、王ドラの方へ向かって行く。
解放されたドラえもんは動いていいのか分からず、その場に立ちつくす。
「やあ、今から下校かい?」
「用が無いならそこを退いて下さい」
「素っ気ないなぁ。まぁいいや、君に頼みがあるんだ。今度の模試、受けないでほしいんだよ」
それを聞いて王ドラは感情のない声で返事をする。
「受けるか、受けないかはあなたが決める事ではありません」
「確かに僕が決める事じゃないね。でも王ドラ君、キミにも決定権はないんだよ。落ちこぼれなんだから」
クスクスと笑う姿がドラえもんの位置から見ても分かる。
明らかに馬鹿にしている。
「・・・退いて下さい」
「どうしても嫌なら力ずくで僕を・・・って、そんなこと出来ないよね?そしたら今度こそ退学だ」
無言で聞き入る王ドラにそっと耳元で囁く。
「生徒指導室でセンセイが待ってる」
その言葉を聞いた瞬間、王ドラの目が見開く。
「返事は明日でいいよ。よーく考えておくんだね」
そう言い残し、男子生徒は去って行く。
「王ドラさん、大丈夫!?」
ピクリとも動かない王ドラが心配になり、ドラえもんは駆け寄る。
「大丈夫です。あなたこそ何かされませんでしたか?」
「ちょっとビックリしたけど、何もされてないよ」
何もされてないが、汗は尋常じゃないほど流れている。
「そうですか」
時計をチラッと見る。
「そういえば寮の見学をする予定なんでしょう?」
「あっ!そうだった!!」
「早く行った方がいいですよ。拗ねると面倒くさい人達ですから」
キッド達の所へ行くようにドラえもんを促す。
(さっきのあの人なんだったんだろう?)
会話を聞いた限りではあまり良い感じはしなかった。
「あ、王ドラさんは寮に戻らないの?」
ドラえもんの質問に王ドラは少し考え答える。
「『さん』付けしなくてもいいですよ。クラスメートなんですから。僕は用事があるので遅くなると彼らに伝えておいて下さい。あと、今の事は誰にも言わないで下さいね」
有無を言わさない視線を受け、「うん」と答える。
「それじゃあ王ドラさ・・・・・・王ドラ、また明日ね」
ドラえもんは時々振り返りながら寮に向かう。




(勝手に付いて来ちゃったけど、マズいかなぁ・・・)
寮に戻る予定だったが色々気になり自然に尾行してしまった。
ドラえもんはそっと近くの教室に隠れる。
数日前まで執事たるもの必要以上に前に出てはいけない、と教育されていたおかげでなんとかバレずに付いてこれた。
(こんなコトの為に訓練してた訳じゃないんだけど)
溜め息をつき、教室から顔を出すと王ドラは生徒指導室の方へ歩いて行った。
すると指導室のドアが開く。
「やあ、久しぶり」
出てきたのは数学教師だった。
(あの先生って確か・・・)
特別クラスになる前はこの教師に教えてもらっていたが、今では一切会うことがない。
(王ドラさんの用事ってこのことなのかなぁ?)
王ドラは指導室の中へ入っていく。
何か話しているようだがドラえもんがいる所まで声が届かない。
(もう少し近づいても大丈夫かな?)
音を立てないように指導室の前まで近づく
「今回の模試は成績だけではなく、今後の進路にも影響する。お前がいると他の生徒に示しがつかないんだよ」
「・・・それは私の所為ではないです。私より劣るのが嫌でしたらその分勉強すれば良いだけのことです」
「聞き分けのない奴だ!」
バキッと言う音が響く。
扉のガラス窓から覗くと、王ドラが倒れていた。
「この俺に逆らう生徒が模試どころか一般授業が受けれると思うなよっ!!」
倒れている王ドラを何度も蹴り飛ばす。
「なんだその目は・・・反抗する気か?少しでも抵抗したらお前は退学だ」
蹴るのが飽きたのか、長いものさしを取り出し王ドラの身体を打ち始める。
「・・・・・・!」
王ドラはあまりの痛さに顔をしかめ、声が漏れる。
「二度と逆らわないと誓え!そうしたら落ちこぼれ学級から普通のクラスへ戻してやる」
王ドラはその言葉に一瞬顔を上げるが、唇を噛み痛みに耐える。
(と、止めないと・・・!)
ドアを開けようしたが、鍵が掛かっている。
「もう・・・・・・火事場の馬鹿力ァァァ!!!」
ドラえもんは全力でドアを押し開け、指導室の中に入る。
ガシャンとドアが半壊する音が室内に響く。
「な、何だお前は!?」

「えっと・・・あのっ!今日は王ドラさんに寮の案内をしてもらう予定で、宿題とかも出てて早めに寮に戻らないといけなくて、明日は僕たち日直で朝早いし、なんか王ドラさんは怪我してるから治療も必要かなぁとか色々あるのでもう帰って良いですよね?それでは失礼します!」


一気にそう言うと王ドラの手ををとり、指導室を出て行く。

とりあえず皆が居る所へ向かって歩く。



この事がきっかけでとんでもない対決をしなければならないとは思ってもいなかった──。




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僕らの承認







過激なスキンシップをしあって約十分・・・。
ようやく王ドラとエルは動きを止めた。
「あなたの所為で貴重な時間を無駄にしてしまいました」
王ドラは溜め息をつき、席に戻る。
「ケンカ売ってきたのは王の方だろっ!!」
「机にゴミが乗ってたら捨てるのが常識でしょう?」
当たり前、と王ドラはエルを冷ややかに見上げる。
「・・・・・・っ!俺はゴミじゃねぇぇぇぇ!!!」
「離しなさい、この万年遅刻魔」
「表出ろっ!!今日こそ決着つけてやる!!」
再び二人は乱闘を始める。

「ねぇキッド・・・」
ドラえもんは隣にいるキッドの服を軽く引っ張る。
「あの二人は仲が良いんだよね・・・?」
約十分前に聞いた王ドラとエルの関係。
「あいつらは親友同士だぞ?」
「水と油の関係にしか見えないんだけど・・・」
それ以上に相性が悪い、と言っても過言ではない気がする。
「そうか?まぁ、そろそろ止めないとホームルーム始まっちまうなぁ・・・エル!はしゃぎ過ぎるとまた停学だぞ!」
その言葉に反応し、動きを止める。
「さすがに今年は停学数一ケタに抑えないとヤバいな・・・今日のトコロは俺様の広ーい心で許してやろう!!」
どこからかバラを出し口にくわえポーズをとる。
それを完全に無視し、王ドラは席に戻る。
「・・・・・・で、結局俺様の席はドコなわけ?」
「知りませんよ。あなたの席に彼が座ってるんですから諦めなさい」
また乱闘になるかも、とドラえもんは身構えたが、その気配はない。
「まぁ、どーせ王の席空くしホームルームくらい席無くても問題ないか」
そう呟くと壁に背を付けしゃがみ込む。
「どうせ授業中は寝てるんですから元々机は要らないでしょう」
言い合いは止まらないが、乱闘はしないらしい。
(やっと落ち着けるぅぅぅ)
ドラえもんはホッと胸をなで下ろした。
いくらスキンシップだと言っても過激すぎる。
(でも、王ドラさんがあんなに攻撃的だったなんて・・・)
謎多き少年はさらに謎めいていった気がした。
とりあえず、目の前の宿題を終わらすことに集中しようと決意した。


ホームルームが終わると、いつものように王ドラは教室を出ていく。
(何処行くんだろう?)
このクラスに編入してから一度も授業を一緒に受けた事がない。
なにか理由があるとは思うが聞いてもいいのかどうか分からない。
(本人には聞けないよね)
なにしろ自己紹介もしてもらってない。
必要最低限の会話しかしてないのだから聞けるはずがない。
「なぁ、ドラえもん」
隣の席に座ったエルが机に肘をつきながら声をかける。
「あいつと仲良くやってるか?」
「あいつって王ドラさんのコト?」
そうだ、と頷くのを確認し考える。
「・・・教科書貸してくれたり、分からないコト教えてもらったりしてるけど」
果たしてこれは仲がいいのかどうか・・・。
「もしかしたら僕、嫌われてるかも」
「それはない」
即答。
「嫌いだったら王の奴、ガン無視するし、少し触れただけで服着替えるし、肌だったら全身消毒するし」
なんとなく力がこもってるのは気のせいだろうか。
「ごめん、王ドラさんがヒドい人にしか聞こえないんだけど・・・」
「でもよー、あれはエルが悪かったし、仕方ないよな」
いつの間にかキッドがドラえもんの後ろに立っていた。
「な、何しちゃったの?」
「コイツ、王を女だと思ってナンパしたんだよ」


・・・・・・・・・。


「一生の不覚っ!!」
「ドンマイ」
うなだれるエルの肩をそっと叩く。
「そんなに嫌われてたのに仲良くなったの?」
それだけ嫌われてたのだから余程の事がなければ親友になれるはずがない。
「女の子に囲まれて動けなくなってたあいつをこのエル・マタドーラ様が助けてやったのさ」
「そんなことで・・・?」
エルを許せるものなのだろうか、と考えているとキッドがそっと補足する。
「王は体調崩すくらい女が苦手でさぁ、囲まれたら最後気絶しちまうんだよ」
「女性恐怖症ってこと?」
意外な弱点。
「初めて会った時は冷たい奴だと思ったけどさぁ、今じゃクラスに打ち解けてるし」
「う、打ち解けてるの!?」
あれで?
クラスのみんなと会話してるところをこの一週間あまり見たことない。
「教室ではあんま話す機会がないけど、寮に戻ると普通だぜ」
「王ドラさんって寮生なんだね」
生徒の三割が学園内の寮に入っている。
しかし、寮生になれるのは成績優秀者だけである為、王ドラはかなり頭が良いという事になる。
「確かに王は学園一頭イイけど、オレたちのクラスは全員寮に入んないといけないはずだぜ?」
「そ、そ、そんなこと聞いてないよ!」
キッドの発言に思わず立ち上がる。
「あと数日すれば通知がくるからそしたらドラえもん、晴れて俺たちの仲間になるな」
ポンポンと肩を叩き、キッドはドラえもんの机を見る。
「おっ!宿題終わったみたいだな•••コレ借りてくぜ!!」
返事を待たずにノートを持っていく。
「ちゃんと返してね」
「ドラえもんも打ち解けてるし、なんも問題ないな」
エルはそう言うとどこからか枕を出して完全に寝る体勢を整える。
「あとはアイツが早く俺様たちと授業を受けられれば楽なんだけどな」
「アイツって王ドラさんのこと?」
「そう、アイツって学園一秀才だから特別クラスになっても授業だけは普通クラスで受けているのだ」
「だからいつも教室に居ないんだね」
これで一つ謎が解けた。
ただ、また一つ疑問がうかぶ。
「あ、じゃあなんで王ドラさんって特別クラスになったの?」
学園一の秀才が落ちこぼれ学級になるはずがない。
この問いにエルは渋い顔をする。
(地雷踏んじゃったかなぁ・・・)
気まずい空気が流れる。
「ちょっとした暴力事件があって、その所為でこのクラスの仲間入り」
「そうなんだ・・・」
これ以上聞いてはいけない気がして返答に困っていた時、教師が教室に入ってくる。
「後で詳しく教えてやるよ」
エルはそう言うとそのまま寝はじめる。
「・・・ノートは見せないからね」
溜め息混じりに忠告し、教科書を取り出す。
(僕もこのクラスの仲間かぁ)
数日前まではみんなのお荷物で肩身の狭い学園生活だったが、今は少し楽しい。
(卒業まで何もなければ良いなあ・・・)


ドラえもんの願いは翌日あっさり打ち砕かれることになる──。




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僕らの起因








ドラえもんが特別クラスに編入して一週間、ほぼ全員と仲良くなり、ほぼ全員の携帯電話のアドレスを交換した。
個性溢れているが根本的に楽観主義者の集まりの為か話は合う。
「おい、ドラえもん!」
教室に入るなり、ドラえもんは抱きつかれる。
「キ、キッド!!どうしたの!?」
「宿題見せてくれっ!!」
アメリカからの帰国子女で早撃ちガンマン、ドラ・ザ・キッドは涙ながらに懇願した。
「宿題?」
そんなものがあっただろうか・・・。
「先週、数学の授業で珍しく宿題出たじゃねーか」
「そう言えば・・・」
出てた気がする。
しかも結構な量が。
以前だったら絶対忘れなかったが、このクラスになって緊張感がなくなっているかもしれない。
「ごめん、僕もやってない」
「最後の砦まで失っちまったぜ・・・」
ドラえもんは肩を落とすキッドを励ます。
「提出は帰りのホームルームまでなんだし今からやればなんとかなるよ」
量は多いが難しい問題は無い。
なんとかなるはず。
ドラえもんは自分の席に着き、ノートを広げる。
「マジで今からやんのか?」
「なんとかなるって」
黙々とやり始めるドラえもんにキッドは呆れた顔をした。
「しょーがねーなー・・・ダメ元でアイツに聞いてみるか・・・」
そう言うと携帯電話を取り出す。
「もしもーし、オレだけどお前今日の宿題やってる・・・ワケないよなぁ・・・・・・いや、期待してなかったし、てゆーか遅刻すんなよ」
じゃな、と電話を切り肩を落とす。
「誰に電話してたの?」
「エルだよ、エル」
キッドはドラえもんの隣の席に座り宿題をどうするか考える。
「エルって誰?」
「そーいやー、ドラえもんが来る前に停学になったんだっけ?エル・マタドーラってゆー遅刻魔で居眠り野郎」
遅刻と居眠りのせいで一週間の停学になったらしい。
「今日から復活するから紹介してやるよ。それより宿題どーすっかなぁ・・・」
頭を掻きながらキッドは教室にいるクラスメイトと話し合う。
(諦めて宿題やった方が早いのに・・・)
ため息をつき隣の席に目をやる。
(まだ来てないなんて珍しいなぁ)
いつもならすでに席に座ってるはずの王ドラがまだ来ていない。
欠席だろうか?
そんなことを考えながら宿題を少しずつ片付けていく。


「そこの少年」


ドラえもんの真後ろから聞き慣れない声が掛かる。
「へ?」
そっと振り返ると、真っ赤な髪の男が立っていた。
「ここは俺様の席だぜぃ?」
「えーと・・・どちら様でしょうか?」

「俺様何様エル・マタドーラ様を知らないってコトは・・・お前、新入りだな?」
そう言うと王ドラの机に腰掛け、足を組ながら薔薇を取り出す。
「口説いた女は数知れず、男も羨むこの美貌、誰が呼んだか眠りの王子、エル・マタドーラとはこの俺様のことさぁ」
エルはドラえもんに薔薇を渡し、肩に手を置く。
「覚えてくれたかい、凡人よ」
「う、うん」
どうしたら良いのか分からず、キッドに助けを求めようと視線を送る。
しかし、キッドはそれに気づかない。
「よし、そしたらそこをどけ」
会話がかみ合ってない。
一方的に喋ってるだけで、会話はしてないのだけれど。
(どーしよー・・・)
とりあえず席を立とうとした瞬間───


──ドカッ──


エルは腰掛けていた机から落ちた。
いや、蹴落とされていた。
「人の机に座らないで下さい、Mr.停学処分」
蹴落とした人間、王ドラは何事も無かったかのように席に着く。
「痛ってぇ・・・お前ッ俺様の顔に傷がついたらどうするんだっ!!!」
顔面をモロに打ったのか、全体的に赤い。
「別にどうもしませんよ。あ、顔が傷ついたら良い所一つも無くなりますね」
「・・・っ!?」
エルは王ドラの胸ぐらを掴み上げる。
「ふ、二人とも落ち着いてッ」
ドラえもんが二人の間に入ろうと立ち上がると、いつの間にかキッドが横にいた。
「いつものことだからほっといても大丈夫だぜ?」
「いつもなの!?」
「エルと王ドラは仲良いからな。喧嘩するほどなんちゃらってゆーだろ?」
(仲良ければこんな“死闘”はしないよ・・・)


ドラえもんはそんなことを思いながら今、目の前で繰り広げられている日常茶飯事を見るしかなかった──。




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