こんにちは、国語大好き数学ダメダメ、工学部2年の稲田です。

 真夏日の続いた9月がようやく終わり、もうすぐ10月がやって来ます。10月といえば神無月…島根県の出雲大社に萬の神々が集まり、全国から神様がいなくなると言われる月です。
 では10月1日から神様が留守になるのかというとそうではありません。本来神無月とは旧暦10月を指し、現在のカレンダーでは10月下旬〜12月上旬あたりに存在するからです。昔と今の「神無月」は別の季節を表していると言えますね。

 このように、昔から今まで使われ続けているものの、その内包する意味や現象が変化した言葉が私たちの周りにたくさん隠れています。たとえば「はしゃぐ」という言葉がありますが、みなさんはどういった場面で使いますか?

夕方の公園で遊ぶ子どもたち、長い夏休みの到来に歓喜する大学生…なにか嬉しいこと、楽しいことを迎え、テンションが上がるときに使いますよね。

 しかし昔はなんと、「乾燥する」という意味の言葉だったそうです。実際にお手元のスマホかパソコンで「はしゃぐ」と打ち込んでみてください。「燥ぐ」と変換されるはずです。
 私たちは気分が沈んでどんよりとした様子を、「湿っぽい」と表現しますよね。ならばその逆だからと、浮かれ気分で騒いでいる様子を「燥ぐ」と表現した江戸時代の言葉遊びが、いつしか「はしゃぐ」の意味そのものに変わってしまったそうです。

 このように中身だけが変化した言葉はたくさんありますが、そのほとんどは意図せず、長い時間をかけて変化したものです。私たちが今使っているもの、たとえば「船」や「漕ぐ」なんて言葉も、数百年後には全く違った意味になっているかもしれませんね。