読み終えた とあるミステリー作品の感想を書こうと思っていたのですが……
というか、途中まで書いていたのですが、かなりきつい辛口感想を書き始めておりました。
あんまり私には合わなかったんですね。
ただ、その主要因が今読んだからだろうな、と。
読書の順番の問題です。
作品そのものに何かそこまで大きな問題があったって事ではないだろう、と。
なので、感想記事を書くのは取りやめ。
鼓動 を読み終え、更に同じ作者(葉真中顕)の Blue を再読し……
重い社会派の作品が続きました。
なので、「次は少し軽めのものがいいかな」と手に取った作品だったんですね。
期待通りのムードの作品でした。
軽妙な会話、テンポの良い筋運び、ドタバタというほどには騒がしくなくシリアスというほどには重くもないまさにライトタッチの作品。
望んでいた通りの作品を読んでいたつもりだったのですが……。
作品中盤で、ひきこもりの男性キャラが出てきまして。
これがもう露骨に「厄介者にして問題ありの人物」として扱われていたんですよ。
う~ん、鼓動 を読んで間もない時期でしたからねぇ。
鼓動 は、このブログに感想を書きましたが、「ひきこもり」という社会問題に真剣に向き合った、重厚なミステリー作品です。(「鼓動 読了」参照)
で、そういう作品に出合ったら少しは考えますよ、どうすればこの問題を解決できるのだろうか?と。
そしてこれは私個人の考えですが
「あんな連中排除してしまえばいい なんて考え方では、より解決しづらい社会問題となって、この国の未来を蝕んでいく」
と思っているんですね。
なので、作中でひきこもり男性キャラが露骨に「厄介者」「問題ありの人物」そして「このキャラさえいなくなってしまえば万事解決」という「排除すべきもの」として扱われているのを読むと……もう、作品に気持ちが入っていかなかったんですよ。
今回読んだ作品の作者だって「ひきこもりなんて存在は排除の対象なのだ!」という主張を掲げて作品を書いたのではないでしょう。
ひきこもり全体の話として書いたのではなく、作中の悪役として登場したキャラクターに「ひきこもり男性」というキャラクター性を付与したにすぎません。
・今回の悪役 = ひきこもり男性
・今回の悪役 = 排除すべきもの
ですが、断じて
・ひきこもり男性 = 排除すべきもの
ではありません。
でも一旦作品に気持ちが入らなくなると、なかなかその後リカバリーするのは難しいんですよ。
で、とどめに、作中に登場した外国人労働者が犯罪者予備軍扱いの役どころで。
う~ん、Blue を読んで間もない時期でしたからねぇ。
これも同じで、作者だって「外国人労働者なんて犯罪者予備軍だ!」という主張を掲げて作品を書いたのではないでしょう。
・今回の悪役 = 外国人労働者
・今回の悪役 = 犯罪者予備軍
ですが、断じて
・外国人労働者 = 犯罪者予備軍
ではありません。
もうね、二つ重なってしまうと、リカバリー不能。 どうやっても作品を好意的にとらえることができなくなってしまいました。
鼓動 と Blue の読了から、少なくとも半年は間をあけて読むべき作品でしたねぇ。
でも、読む前にそんなことは分からないし……。
ちょっと、タイミングが悪すぎました。
読む順番って、大事。
おまけ
昔作ったやつ。
ブログの内容とは、全く関係がありません。