ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突 感想(ネタバレあり)です。
感想記事の書き込み、公開からやや間が空いてしまいました。
まぁ、いろいろバタバタしていたもんで。
観に行ったのは、割と早い段階です。
残念ながらパンフレットは早々に売り切れてしまったみたいで、手に入らず。うむむ……。
・従来の「ニュージェネシリーズ劇場版の売り」を排した作品
これは多くの人が驚いたのではないでしょうか。
いや、私は驚きました。
従来のニュージェネシリーズの劇場版と言えば
・他ヒーローのゲスト出演
・TVには登場しなかった新フォームの登場
・シリーズ完結編としてのドラマ
が、3本柱で、これの内のどれかの要素が入っていないことはあっても、どれも入っていない なんてのは初めてのことです。
この強気の企画は「いつもより少しスケールアップはするものの、内容的にはいつものブレーザーで十分勝負できる」という企画側のウルトラマンブレーザーという作品に対しての自信の表れでしょう。
特に印象に残ったのは他ヒーローのゲスト出演を排したことでしょうか。
それにより良かったことの一つとして、クライマックスの戦闘シーンが割とすっきりとした印象だったことでしょうか。
他ヒーローが客演すると、そちらのヒーローの描写にもそれなりに時間を割かねばならず、結果としてクライマックスの戦闘シーンがやや冗長気味、というのがニュージェネ劇場版の弱点の一つだったと思うんですよね。(特に、田口監督作品でその傾向が強かったと思います)
今回は、その弱点が克服されていた感じです。
そして、代わりに取り入れられていた「劇場版ならでは」の売りは、「首都東京で戦いますよ」というものでした。
予告編の段階から国会議事堂のセットは目立つ形で紹介されており、あれが派手に壊れるシーンが観たかった、というファンもそこそこいたと思われます。
ただ、次回作以降もこれが通用するかと思うと、ちょっと難しいかも。
今回は、ニュージェネシリーズにややマンネリ感を感じていたウルトラシリーズファンが、ブレーザーをやや贔屓目に支持しているところがあるとは思います。
過去のヒーローの客演には頼らなくとも、「新フォーム登場」なんかは、やはり劇場版の売りとして、また復活してくるんじゃないですかねぇ?
・等身大戦と巨大戦が同時に行われる前半の見せ場
、
TVでも、過去何作かでこのテの画面作りにはチャレンジされてましたが、いやぁ、ほんと凄いレベルのところまで来ていますね。
正直、クライマックスよりもこちらのシーンの方に、私は目を奪われました。
・親子のコミュニケーションを軸にしたドラマ
父親のマブセ・イチロウ氏が、思いの他「まともな大人」で意外でした。
作品開始当初はてっきり、親子関係が断絶するのも当然と思わされる非常識人かと思ったのですが。
逆に言うと、それなりの常識を持ち合わせ、彼なりにちゃんと息子のことを大事にしていても関係が壊れてしまうときはあるという話だったわけで。
そして本作の主人公であるゲントでさえ、完全にそれをこなしているかというと、「そうでもない」と描写されています。
ゲントなりに一生懸命コミュニケーションをとっているが、結局息子ジュンの不安を解消するに至っていない。
今回ジュンが抱えていた不安を解消したのは、ジュン自身が母親に不安を訴えたからです。
母がそれに応えて正直に秘密を告白してくれたから、です。
分かり易いドラマにするのならば、
マブセ・イチロウは子供の事なんかまるで気にしていない独善的な悪人とし、
対して主人公のゲントは息子の不安にも正面から向き合ってそれを解消してあげる善人として
それを対比させるドラマにすれば良かったはずです。
結構難しいところを攻めた内容だったかな、と思います。
・ゴンギルガン
↓ゴンギルガン
カッコいいのですが、キャラクターとしてユウキ君のある意味分身と言える要素が入っているため、個人的には「やや悪役属性が弱いなぁ」という印象。
TVにおけるニジカガチもそうでしたが、どうしても「人間の想いを受けて、それに従って行動している」的要素の強い怪獣は、憎み切れないところがあります。
本音を言うと、もっと完全な「凶悪怪獣」を敵として設定して欲しかったところではあります。
また、「怪獣映画」なのだから、もうちょっと「怪獣の特性」みたいなものを前面に押し出した設定や演出も欲しかったところです。
人間の感情を手に入れたがっているというのは、やや怪獣の設定としては「観念的」な印象を受けるかなぁ。
・ユウキ君救出
間接的にではありますが、ユウキ君はゴンギルガンの生みの親みたいなものです。
暴れているのも彼の感情に影響されたところが大きい。
物凄い大被害が出ているわけです。
……結構人的被害も出ていると思うんですけどね。
少なくとも産業スパイの人とか、それを迎えに来ていたヘリに乗っていた人とかは、確実にお亡くなりになっていますよね……。
ごめんなさいで許されるレベルの事ではないと思うのですが、ユウキ君を「悪」とはせず、あくまで救助対象とすることに登場人物達の迷いがない辺りが素晴らしい。
大人とは、こうありたいものです。
TVシリーズから一貫してコミュニケーションの大切さを訴えてきたブレーザーという作品。
いやぁ、最初はもっとミリタリー色の強いマニアックな作品になるかと思ったんですけどねぇ。
良い意味で裏切ってくれました。
そしてこの劇場版で改めて「ウルトラマンブレーザーという作品の基本テーマは コミュニケーション です」と訴えてくれた気がして、嬉しいです。
おまけ
昔作ったやつ。
ブログの内容とは、全く関係がありません。