↓風雲ライオン丸 第15話より
第15話「脱獄囚を追跡しろ!」です。
ソニー・マガジンズから刊行されている
「ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸」によると
「激論! 獅子丸対錠之助シリーズ」とされるエピソードの1本。
いやこのネーミング、実に的確で、この一連のエピソードの性格を見事に言い当てている。
そしてこの「激論!~」のシリーズこそ、風雲ライオン丸という作品の白眉と言えるエピソード群でしょう。
↓ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸
(つづき)
源太によって連れ去られてしまった三吉。
源太の凶悪性を考えると、もう生きてはいないかもしれない。
その夜、獅子丸と錠之助は再び言い争う。
錠之助「お前のやり方は間違っている。
……俺の言う通り、アグダーの居所を突き止めないからだ」
獅子丸「今はアグダーの居所を突き止めるより、三吉を救い出すことが先だ」
錠之助「だからお前のやり方は時間がかかる。 寄り道ばかりしている」
獅子丸「寄り道でもいい。 俺は奴らの非道が許せない」
↓風雲ライオン丸 第15話より
さてここで個人的に書き留めておきたいことですが……。
この場での二人の会話というか、錠之助の話の振り方なのですが、多くの視聴者とは意識のずれがあるのでは? という事。
何しろ作中で源太の悪党ぶりが強調されていたものですから、視聴者の気分としては
「獅子丸が悪党の源太なんかを助けたのがいけない」
と、考える人が多いのではないでしょうか?
ところが錠之助が獅子丸を責めているのはそこ(悪人を助けることの是非)ではなく、「マントルとの闘い方の方針」についてなのです。
いちいち目の前で起こった事件に関わっているから……さらに俯瞰して言うならば「いちいち怪人と戦ってこれを倒すようなやり方をしている」から「マントルを倒すという本来の目的とは異なる面倒事に巻き込まれ、寄り道をすることになってしまうんだ」と非難しているのです。
錠之助は初登場の第11話の時点から
「いちいち怪人達を倒していくというやり方では、いつまで経ってもマントルは倒せない。 大幹部アグダーに狙いを定めるべきだ」
といった旨の主張をしています。
割と一貫して、錠之助は怪人を倒すことには関心がないのです。
狙いは怪人ではなくアグダー。
(もちろん、状況によっては怪人と戦いますが)
確かに今回獅子丸と錠之助は「源太を見殺しにするか否か」で意見衝突しました。
でもそれは「アグダーの居所を突き止めるのに、源太が役立ちそうだったから」です。
これが前提条件なのです。
・極悪人なのだから、見殺しにして駒として使う条件を満たしている
というのが錠之助の主張であり
・極悪人であるという事では、見殺しにしてもよいという条件を満たさない
というのが獅子丸の主張なのです。
もし、今回のような前提条件がなかったら、錠之助は 獅子丸がどんな極悪人を助け出しても 特に気にもしない事でしょう。
でも、おそらく視聴者の感覚としては
悪人を救うことの是非こそ論点と考えてしまうのではないかと。
このシーンの時点で、「この二人が何を論点として衝突しているのか」を理解しておかないと、二人の言動がやや不可解に見えてしまうと思います。
結構重要なポイントだと思うのですが、実際の作品ではやや分かり難いですかね。
なにしろ源太の悪役ぶりが強調されているので、つい「悪人を救うことの是非こそが論点」と感じ取りたくなります。
獅子丸と錠之助から逃れた源太だったが、結局マントルの手によって捕らわれの身となっていた。
彼の超能力を怪人ゾリラへと移植する手術が開始される……。
↓風雲ライオン丸 第15話より
(つづく)
↓風雲ライオン丸
おまけ
昔作ったやつ。
ブログの内容とは、全く関係がありません。