ライオン丸のライバル達 タイガージョーJr.(その26)見殺しにしろ(その6) | 無敵動画堂高田のブログ

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 ↓風雲ライオン丸 第15話より

 

 第15話「脱獄囚を追跡しろ!」です。

 

 ソニー・マガジンズから刊行されている

「ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸」によると

「激論! 獅子丸対錠之助シリーズ」とされるエピソードの1本。

 いやこのネーミング、実に的確で、この一連のエピソードの性格を見事に言い当てている。

 そしてこの「激論!~」のシリーズこそ、風雲ライオン丸という作品の白眉と言えるエピソード群でしょう。 

 

   ↓ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸 

 

 

 

(つづき)

 

 源太によって連れ去られてしまった三吉。

 源太の凶悪性を考えると、もう生きてはいないかもしれない。

 その夜、獅子丸と錠之助は再び言い争う。

錠之助「お前のやり方は間違っている。

 ……俺の言う通り、アグダーの居所を突き止めないからだ

獅子丸「今はアグダーの居所を突き止めるより、三吉を救い出すことが先だ」

錠之助「だからお前のやり方は時間がかかる。 寄り道ばかりしている

獅子丸「寄り道でもいい。 俺は奴らの非道が許せない

 

 ↓風雲ライオン丸 第15話より

 

 さてここで個人的に書き留めておきたいことですが……。

 この場での二人の会話というか、錠之助の話の振り方なのですが、多くの視聴者とは意識のずれがあるのでは? という事。

 

 何しろ作中で源太の悪党ぶりが強調されていたものですから、視聴者の気分としては

「獅子丸が悪党の源太なんかを助けたのがいけない

と、考える人が多いのではないでしょうか?

 ところが錠之助が獅子丸を責めているのはそこ(悪人を助けることの是非)ではなく「マントルとの闘い方の方針」についてなのです。

 いちいち目の前で起こった事件に関わっているから……さらに俯瞰して言うならば「いちいち怪人と戦ってこれを倒すようなやり方をしている」から「マントルを倒すという本来の目的とは異なる面倒事に巻き込まれ、寄り道をすることになってしまうんだ」と非難しているのです。

 

 錠之助は初登場の第11話の時点から

「いちいち怪人達を倒していくというやり方では、いつまで経ってもマントルは倒せない。 大幹部アグダーに狙いを定めるべきだ」

といった旨の主張をしています。

 割と一貫して、錠之助は怪人を倒すことには関心がないのです。

 狙いは怪人ではなくアグダー。

(もちろん、状況によっては怪人と戦いますが)

 

 確かに今回獅子丸と錠之助は「源太を見殺しにするか否か」で意見衝突しました。

 でもそれは「アグダーの居所を突き止めるのに、源太が役立ちそうだったから」です。

 これが前提条件なのです。

 

極悪人なのだから、見殺しにして駒として使う条件を満たしている

というのが錠之助の主張であり

極悪人であるという事では、見殺しにしてもよいという条件を満たさない

というのが獅子丸の主張なのです。

 

 もし、今回のような前提条件がなかったら、錠之助は 獅子丸がどんな極悪人を助け出しても 特に気にもしない事でしょう

 

 でも、おそらく視聴者の感覚としては

悪人を救うことの是非こそ論点と考えてしまうのではないかと。

 

 このシーンの時点で、「この二人が何を論点として衝突しているのか」を理解しておかないと、二人の言動がやや不可解に見えてしまうと思います。

 

 結構重要なポイントだと思うのですが、実際の作品ではやや分かり難いですかね。

 なにしろ源太の悪役ぶりが強調されているので、つい「悪人を救うことの是非こそが論点」と感じ取りたくなります

 

 

 獅子丸と錠之助から逃れた源太だったが、結局マントルの手によって捕らわれの身となっていた

 彼の超能力を怪人ゾリラへと移植する手術が開始される……。

 

 ↓風雲ライオン丸 第15話より

 

(つづく)

 

 

 ↓風雲ライオン丸

 

 

 

 

 おまけ

 昔作ったやつ。

 ブログの内容とは、全く関係がありません。

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