↓風雲ライオン丸 第15話より
第15話「脱獄囚を追跡しろ!」です。
ソニー・マガジンズから刊行されている
「ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸」によると
「激論! 獅子丸対錠之助シリーズ」とされるエピソードの1本。
いやこのネーミング、実に的確で、この一連のエピソードの性格を見事に言い当てている。
そしてこの「激論!~」のシリーズこそ、風雲ライオン丸という作品の白眉と言えるエピソード群でしょう。
↓ピープロ70’sヒーロー列伝2 快傑・風雲ライオン丸
(つづき)
手の先から鋭利な刃物を出現させるという超能力を持つ男:源太。
マントルの大幹部アグダーは、新怪人ゾリラに決め手としてその超能力を与えようと考えており、大罪を犯しさらし首となる運命であった彼を拉致する。
源太を護送していた一行がマントルに襲われる場を偶然目撃する錠之助。
錠之助は、それを好機と捉える。
錠之助「奴らの後をつければ肝心のアグダーへ巡り会えるかもしれん」
↓風雲ライオン丸 第15話より
源太を連れて行く一行を見失わない様、周囲を見渡せるやや高い所に位置を取りながら、尾行を続ける錠之助。
やがて彼は、一行に接近しつつある白馬を見つける。
獅子丸だ。
錠之助「……まずい!」
このままではマントルの一行と獅子丸が遭遇してしまい、そうなれば戦闘となるだろう。
錠之助の計画は破綻する。
錠之助は一行よりも先回りし、獅子丸とまず接触することとした。
↓風雲ライオン丸 第15話より
獅子丸「やぁ、錠之助」
気持ちよく彼を迎える獅子丸。
つい先程も、志乃・三吉の姉弟に会ったばかり。
示し合わせているわけでもないのに続く友との出会いに、獅子丸の表情は晴れやかであった。
この時までは。
錠之助「こっち来てくれ」
そこで獅子丸が見せられたもの、それは……
↓風雲ライオン丸 第15話より
源太「人間様だぞ! 丁寧に扱え!! こん畜生……」
それは、刃を振るえぬよう両手を棒に縛り付けられ、マントル一味に連行される源太の哀れな姿であった。
それを見るや否や、助けに飛び込んでいこうとする獅子丸。
錠之助「待て!」
獅子丸「? なぜ止める錠之助。 何故だ!?」
錠之助「分らんのか。 あいつらの後をつければ、アグダーの居所が分かる」
獅子丸「しかしあの男を見殺しにはできん。俺は行く」
錠之助「構わん。見殺しにしろ」
獅子丸「なに?」
錠之助「放っておけばいい。 あいつはな、人殺しの極悪人だ。
分かったろう? あの男はどっちにしろ罪の報いを受けねばならん。
あれでアグダーの居所が分かれば、奴の死に際も人の役に立つ」
獅子丸「……やっぱり俺は行く」
錠之助「馬鹿な! 絶好の機会なんだ!」
獅子丸「人間の犯した罪は人間が裁く!
怪人の手に渡すわけにはいかん!」
↓風雲ライオン丸 第15話より
激しく口論する獅子丸と錠之助。
しかし、
錠之助「……ぐずぐずしていたら奴らを見失ってしまう」
いつまでも話し合っている余裕はなかった。
背中と腰の刀を身から外す錠之助。
獅子丸もそれに従った。
↓風雲ライオン丸 第15話より