↓風雲ライオン丸 第11話より
第11話「生きていたタイガージョー!」
いやもうね、この回については書きたいことが山のようにあるのですよ。
まずこの第11話が「風雲ライオン丸」という番組でどういう位置づけのエピソードだったかをおさらい。
大好評だった快傑ライオン丸の後番組として、数々の新機軸を盛り込んで開始された「風雲ライオン丸」でしたが、視聴者の反応は予想外の不評。
そこで大幅な路線変更が行われることとなり、その路線変更を視聴者に印象付ける作品として作られたのがこの第11話でした。
その路線変更とは
・西部劇要素としてのガンマン怪人はとりやめ
これまで「ガンマン」が多かったマントル怪人ですが、はっきり分かる形で今回の怪人ザグロは和風。 以降もガンマン怪人はほぼ登場しなくなります。
・ブラックジャガーの退場
残念ながら人気キャラとなれなかったブラックジャガーが退場となりました。
・ライオン丸が兜を外し、たてがみを見せるスタイルに
雌ライオンみたい、と不評だった兜スタイルを取りやめにすることとなりました。
・タイガージョーの復帰
前作で死んだはずなのですが、復帰。
この4点ですね。
何が凄いって、この4点一つ一つがかなり大きな路線変更で、それぞれに1話かけてもいいくらいなのに全部この回でやってしまう事でしょう。
のんびりと何回もかけてこの変化を描いている余裕はなく、「風雲ライオン丸という番組は変わったんですよ!」と、視聴者に強烈に、かつ、一週でも早く印象付けたかったという事ですね。
この一週でも早くという事情故、以降の回に目に見える形で混乱も起こってしまうのですが……その話はまた別の機会に。
この第11話についてのみ言及するならば、この4大イベントをきちんとこなしているのが凄いとしか言いようがない。
これだけの重大な要素を1本に入れ込んだら、一つ一つの描写がおざなりになってしまいそうなものなのに、この第11話はどのイベントもしっかりと描きこまれているんですよ!
ガンマン怪人とりやめについて言及すると……
単にガンマンであることをやめただけではないのです。
ザグロを魅力的な怪人として描こうというスタッフの意識が強く感じられるのです。
・普段は編み笠に合羽を身にまとった姿で、戦闘時になるとそれらを脱ぎ捨てる
・折られた刀を、口から吐く炎で自分で溶接して直す
・編み笠は巨大手裏剣とも化す武器
・足にも刃が仕込まれており、刀を持った獅子丸と足技でチャンバラを繰り広げる
・手榴弾のような武器も持っており、派手な爆発でクライマックスを彩る
・(手に持った銃ではなく)口に仕込んだ速射砲という武器も持つ
↓風雲ライオン丸 第11話より
普段は編み笠に合羽という出で立ちで、
戦闘時はそれらを脱ぎ捨て、剣道着スタイルに
口からは炎。で、折れた刀を自分で修理
編み笠巨大手裏剣
足に仕込まれた刃
刀を持った相手と足技でチャンバラ
手榴弾攻撃
口には速射砲
なんとユニークなファッションスタイル、印象に残る行動、多彩な攻撃技、武器を備えた怪人だろうか。
正直、「ザクロ必殺兜割り」だけで十分と考えてしまうのが普通だと思うのですが。
スタッフの、この怪人に対しての盛り込み、描きこみは素晴らしい。
そもそも、1本のエピソードで4戦も繰り広げる怪人という時点で珍しい。
で、1戦目はライオン丸の背中のロケットを破壊。
2戦目でブラックジャガーを殺害。
3戦目でライオン丸の兜を割る。
4戦目でついに敗北。
素晴らしい戦績。
……今回で、第11話についての話は終わりにするつもりだったのですが、全然書きたいことが書ききれないので、また次回以降に続けることとします。
いや~自分でも、まさかほぼ怪人ザグロの話題だけでブログ1回分使い切るとは思わなんだ。
(つづく)
↓風雲ライオン丸
おまけ
昔作ったやつ。
ブログの内容とは、全く関係がありません。