全国自主制作アニメーション上映会(第4回上映会)の感想です。
2020年2月9日は、
全国自主制作アニメーション上映会(あにうえ)
第4回上映会でした。
以下、印象に残った作品の感想の続き。
さすがに全部の作品の感想とはいかないし、中には辛口評を書いてしまうものもあるので、辛口評読みたくないって場合は、マジで閲覧しない方がいいかもです。
感想書き始める前に……この辛口評っていうのに、ある種の悩みはこちらもあるのですよ。
という話は以前にもしたのですが、非常に文章が長くなってしまうもので。
リンク先の記事(「以前にもした」のところをクリックしてください)を、一度読んでから、感想を読んでいただければ幸いです。
特に意味はないですが、今回の作品で、登場人物の一人だった 優夢愛 というキャラの絵を貼っておきます。
・メモリア!!
こりゃまたえらいド直球なピュアラブストーリーで。
主人公の、ニッと歯を見せて笑う表情の強調や、デートシーンがミュージックビデオ調になるなど、演出もド直球で、観ていて「ああ、もう、今の自分に、これは作れんなぁ……」と、私が歳をとったことを感じました。
にしても、自分と彼女のツーショット写真を、自分のアルバムにしまうのではなく堂々と展示会に出す主人公の感性は……。
彼女と幸せになりすぎて、見せびらかしたい願望が常識を凌駕してしまったのだろうか(笑)?
・リレー4コマ2018
これは今、現実に私が頭を悩ませている問題なのだけれど、
作品のテンポ、ネットとかで流すモノより、実際に観客のいる上映会用のモノって、若干スローモーになると思うんですよね。
ある程度、観客のリアクションを待ってから、次の場面に移る、ということを常に意識しないといけないだろうみたいな
特にうちがよく出す、笑いを取りにいった作品なら、自分でも「これはきっと会場で、ちゃんと笑いがとれる」というシーンの後には、ワンクッションおいて次のギャグを入れるようにしている。立て続けにやると、そもそも観客が笑っていて、次のギャグを聞き逃してしまうからだ。
また、謎解きシーンなんかも、一回止めてまた謎解きを聞き直す、なんてことができないので、確実に観客の理解が追い付いてくるテンポにするよう、気を付けている。
が、ネット動画がここまで普及した現在、どうも純粋に、うちの作品のようなテンポは「のんびりしていてダサい」と取られるのでは? という考えが、頭をよぎる。
丁寧に見せていくメリットより、のんびりしていると見られるデメリットの方が、最早大きいのではないか?と。
このリレー4コマは、間違いなく「ネットムービーのテンポ」で作られており、早い! 早い!!
この作品を観て、う~ん、うちは今後、どうすべきか、と考えさえられたりするのです。
・夢みる少女
人物の動きのアニメーションは同一で、背景が変化するものをループして見せるという作品。
アイディアは悪くないと思うのだけれど、変化している筈の背景が、場面が変わってもさほどイメージが変化せず。
どのシーンの背景も、基本が暗めで寒色中心の色使い、という共通項があり、そこは残念だったかな。
もっと大胆なイメージの変化を見せてくれれば……。
それぞれのシーン担当者間の、打ち合わせ不足でしょうか?
それとも、もしかして、打ち合わせはせずに、完成品をドーンとお互いぶつける競作方式で、結果、イメージが被っちゃったのかな?
・鉄拳再生 予告編
正統派アクション娯楽作かな?
本編を期待して待ちます。
・埋め合わせ
今回、「動く動画を見せる」というタイプの作品が少なかった。
新入生入学前の時期の上映会で、いわゆる「習作系」「しりとりアニメ系」がなかったせいだろうか?
そういう意味で、光っていましたね。実際、絵も上手でした。
・異世界合体テンセイオー
ん? 「予告編」とはついていないけど、これって、予告編、なんだよね?
本編を期待して待ちます。
おまけ
・自作 について
自作についてもつらつら語りたいと思います。
↓全3話構成の作品だったのですが、その合間に挿入した「おまけ」パート その2。
もちろん、このおまけパートこそ、こちらがウケを取りに行っているところなのです。え~と、冒頭、昨日のと同じですが、違う動画なので、最後まで観て下さいね。
第3回上映会に流した「ハイイング・メッセージ」という作品は、本来、連作短編集の第4話(最終回)でした。
で、今回の上映会では、未制作だった1~3話を作った、というわけです。
そのため、本来考えていた起承転結の構成が、狂う狂う。
1~3話は、あくまで「起」「承」なのです。
今回流した通り、1~3話は
・事件発生~暗号が出てくる
・探偵役の一人「大王」が頓珍漢な推理を披露し、「ここから先は、どうすればいいのか?」と質問され、「そんなのは分からないぞよ」と偉そうに答える。
・探偵役の一人「ノヴァ」が、まともっぽいことを言うのだけれど、それでは暗号の謎は解けず、「ボクは、ダメだ……」と泣き始める。
・探偵役の一人「バン」が、推理を進めるがうまく解けない。
・が、「ノヴァ」がおずおずと「解けました……」と言う。
・なんだ、こんな簡単なことだったのか、と登場人物たちによる暗号の正解と解説。
・で、探偵役だった3人、結局何者だったの?という質問に対し、それを知っている人物が「あの子たちは……」と答えかけたところで、ブチッと作品を中断して、次のエピソードに移る。
全部、この構成です。
対して、第4話(第3回上映会で流した作品)は
・大王が頓珍漢な推理を披露しない
・ノヴァが泣きださない
・大王の「そんなのは分からないぞよ」と偉そうに答えるというシーンをラスト近く(暗号の謎は解決済み。ただし、殺人事件の犯人は判明していない、という状況)まで引っ張って、「そんなのは分からないぞよ。暗号は解いたから、私たちの役目は終わりだぞよ。後はお前達(観客)の考えることだぞよ」と、投げっぱなしにして、EDに入る。
・EDの後に、ちゃんと犯人判明のシーンは入れる
・で、探偵役だった3人、結局何者だったの?という質問に対し、それを知っている人物が「あの子たちは……」の後、ちゃんと、3人が何者かを答えて、終わり。
という、完全に「転」「結」の構成だったんですね。
つなげて見ないと、全く伝わらないですね。
また、本編には全く関係がありません、と明言している「おまけパート」が、確かに内容は関係ないけれど、実は第4話の暗号(曲と歌詞の入れ替えネタ)を解くヒントになっている、という構成だったのです。
じゃあ、今回の1~3話と、前回上映の第4話をつなげれば、本来の形になるのか?というと、実際につなげて1本の作品に仕上げるのと、今回みたいにバラバラにしてしまうのとでは演出が、まるで変わってきます。
連続して観ればいい、というものでもないのです。
今回の作品のタイトルに「幻」という言葉を入れましたが、実は
ハイイング・メッセージの、当初の構想通りという作品
こそが、幻の存在 だったりするのです。
あ~あ。
以上、今回の上映会についてでした!