劇場版「仮面ライダーエグゼイド」感想(ネタバレ有) | 無敵動画堂高田のブログ

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劇場版「仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」
感想です。
 思いっきりネタバレありと、ちょっと辛口感想になりそうなので、そういうのが苦手な方は、スルーして下さい。
 まぁ、基本的には、そこそこ楽しんできましたが。

 
 新たなバグスターウイルスをまき散らす謎の仮面ライダー「風魔」と、忍者プレイヤー達。
 裏で彼らを操っていたのは、「マキナビジョン」のジョニー・マキシマであった。
 小児脳腫瘍で入院している少女:星まどかも、感染。
 なんと、新型ウイルスに感染した人々は、仮想現実の世界に意識を飛ばされ、小学校の運動会で、それぞれの役割を演じていた。
 彼らを現実世界に呼び戻すべく、永夢(仮面ライダーエグゼイド)は、新開発の「幻夢VR」を使って、仮想現実の世界へ突入!
 果たして、「仮面ライダー風魔」の正体とは? その目的は?
 そして、自らバグスターとなり、ラスボス:ゲムデウスと化すジョニー・マキシマ。
 果たして、仮面ライダー達はゲムデウスを攻略できるか?


 真のエンディング、ということなのだが……。
 単なる後日談としての1エピソード!?
 真の最終回を観たっていう感慨は、ない。
 キャラの「テレビシリーズ後」が描かれているので、キャラ愛のあるファンならば、それなりに感慨深いものもあるだろうけど……。
 やっぱり、それも含め、多分に「後日談としての1エピソード臭」が。

 後、まぁ、色々細かいところではネタに変化はあったけど、
仮想現実空間に入ったゲストの子供を、現実世界に連れ戻す話って、
仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦
で、すでにやったネタやん!
 その子供が、難病を抱え、入院中、というのも同じ。
 結局、飛彩が手術に成功して治るのも同じ。
 この番組の場合、どうしても「飛彩が、どんな病気でも治してしまうスーパー外科医」という「キャラ設定」があって、(しかも、この「キャラ」が ぶれる 展開は、まずありえない)その為、医療物にある「本当にこの患者を救えるのか?」という緊張感が、出せない。
(かといって、飛彩に手術を失敗してもらって、登場人物が死んでしまうような展開を望む気持ちは、
 私には欠片もない)

 医療物、として真面目にやる展開を盛り込むのなら、「飛彩は手術に参加できない」展開にしてほしかった。

 そして、6人のライダーがズラッと並んで変身する、というカッコいいシーンがあっても、その後、
あっさりライダーがやられてしまうというのが分かるので、
(だってこのシーン、明らかにまだクライマックスよりも、前なんだもん)今一つ、盛り上がりに欠ける。
 で、クライマックスはというと、ハイパームテキが、一人で無双ぶりを発揮してゲムデウスを圧倒。
 ……それでいいの?

 あと、命と医療をテーマとして扱った作品で、死んでしまった 貴利矢や黎斗が、普通にバグスターとして再生しました。その後も生きています、という展開で、いいのだろうか?
 いや、「じゃあ、キャラを殺した方がいいんだね?」なんて言われると、そういう気持でもないので、答えに困るのですが。
 でもやっぱり、このテーマを扱った作品で、「死んだ人が生き返って、めでたしめでたし」的展開は、なんか喉の奥に魚の小骨が刺さってしまったような、そんな感覚も、私にはある。

 最終回感が薄く、後日談としての1エピソード臭が強い、最大の理由は、
今回のドラマの中心になっているのが、主人公の永夢ではなく、ゲストの少女、星まどか と仮面ライダー風魔(正体はまどかの父:影成)である
ということでしょう。
 最終回で、ゲスト話をやられてもねぇ。
 で、この影成とまどか親子のドラマ……正直、ちょっと共感しづらい。

・影成は、まどかが生まれて間もないころから、行方をくらましている。その理由が語られないままなので、影成に感情移入しにくい。
・影成は、難病を抱えている娘を、せめて仮想現実の世界で、健康に幸せに生きてほしい、と彼女をその世界に送り込む。ここまでは、まぁ分かる。
 が、その他の感染者は皆、その世界で「役」を与えられ、まどかの運動会に参加している。
 現実の体は昏睡状態。
 娘一人の心を落ち着かせるために、どんだけの人々を昏睡状態にしたんだ? こいつ
・そして娘は、自分を仮想現実空間に送り込んだ者が、父だと認識している。なぜ分かったのか? 映画でちゃんとその答えは示されました「一目見ただけでお父さんだと分かった」
 ……んなアホな!

・で、実はまどかは、全てを一瞬で理解した上で、自分の為ではなくお父さんを喜ばせたくて、表面上幸せな仮想空間に留まろうとする。
 生まれて間もなく別れて、記憶にもない父の為に……。
 健気なキャラにしたかった、というのは分るけど、いくら何でもやり過ぎじゃあないですかね?

 と、かなり感情移入しずらいドラマが中心に据えられていて、それの周りでライダー達とゲムデウスがバトルをしている、という作品。
 ドラマとバトルとの関わりが薄いので、バトルも盛り上がらない。

 新ライダービルドのお披露目シーンは……多分、エグゼイドファンには、不興を買う登場シーン。
 なぜああいう登場のさせ方をしたんだろう?

 ただ、永夢の
「子供の笑顔を守るのは、
 僕達大人の義務じゃないですか!」

(細かくは、違うかもしれませんが、そんな感じのセリフ)
は、グッとくるものがあった
 映画単品ではなく、TVシリーズを見てきて、ということだけれども、このセリフを言う永夢は、もう、ホント、カッコ良かった。
 このセリフと、各キャラのお遊びはそこそこ楽しく、
 なんかボロカスに書いてしまったけれど、
 そんなにつまらなくはなかったです。

 多分、夏映画ではなく、放送後発売のVシネ、とかだったら、大分抱いた感想も違ったものになったかな、と思います。
 うんやっぱりこの作品、「後日談としての1エピソード」でしょう。