【Amazon.co.jp・公式ショップ限定】宇宙戦士バルディオス Blu-ray BOX (.../石森達幸
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(続き)
クインシュタイン「マリン・レイガンを利用するのです」
クインシュタインは、マリンの言葉を信用した上で、彼を戦闘要員として、敵にぶつけようというのである。
今、敵に対抗できる戦力は、パルサ・バーンしか存在せず、そしてパルサ・バーンを操縦できるのは、マリンしかいないからだ。
しかし、月影は反対する。
月影「私は反対だ。仮に彼が敵でないとしても、所詮同じ星の人間同士。
我々を裏切らないと、誰が保証できるんだ!?」
この反対する理由が、良い。
月影長官は、マリンをスパイと疑っているとかそういう理由で反対しているのではなく、いかに敵を憎んでいても、同胞と戦うという事には無理がある、と判断したのだ。
そしてそれは人道的見地からの意見で無く、いつ裏切るか分からない、という見解によるものだ。
要するに、月影は、全くマリンを信用していない。
クインシュタイン「保証はできませんが……責任は私がとります」
月影「責任を取って済む問題じゃない! 地球の存亡がかかってるんです、博士!」
クインシュタイン「もうじき解析の結果が出ます。そのデータを元に、バルディプライズとキャタレンジャーをパワーアップしてみます」
しかし、それは難しい作業であろう。
パルサ・バーンの操縦者であり、科学者でもあるマリンの協力が得られれば、作業は格段に進むに違いない。
そう判断した月影は、基地から外には出さないという条件付きで、マリンの身柄をクインシュタインに預けることにするのであった。
月影長官、なかなか判断力がある司令官、というところを見せます。
一方、牢に入れられたマリンは、すっかりふさぎ込んでいた。
様子を見に来たジェミーは、そんな彼に、窓を開けてみることを勧める。
マリン「バカな、そんなことをしたら放射能が……。
地球では、外気が吸えるのか!?」
ジェミー「え? ええ、まぁ……」
マリン「空は……空は青いのか!?」
ジェミー「その右側のボタンを押して、自分で確かめたら?」
ジェミーの言う通りボタンを押すと、牢の窓が開いた。
そしてマリンの目の前に広がっていた景色は……
マリン「綺麗だ……なんて綺麗なんだろう……。
父さん……。
これが本当の、自然なんだ……。」
マリンは感動のあまり、込み上げてくる涙を、止めることが出来なかった。
そして、空を、海を見て涙する青年、マリンの姿を、見つめるジェミーの心に去来するものは……。
(続く)