裏金問題で揺れる自民党。長い歴史を誇る宏池会や清和研が解散を決定したのは衝撃であった。政策集団へと脱皮していくと宣言した派閥もあったが、今後どうなっていくのだろうか。

 保守合同で生まれた巨大政党「自由民主党」。その中には様々な人がいる。利害関係は複雑であり、中選挙区制や総裁選挙といった要素が混ざり、派閥が形成され、之を原動力として戦後政治は動いてきた。党内で派閥が競い合うことで党の政策が左右を往き来した。だから政権交代がなくても戦後政治は硬直化せず、ダイナミズムを維持することができたのである。

 派閥の功罪を議論しようとすれば、それは際限のないものになるであろう。大切なのは今後どうなっていくのかである。枠が消えてもそこにいた人の存在自体は変わらない。人間関係は同じように続いていくのだ。

 秋には総裁選がある。権力の椅子取りゲームの中で政治家はどう動いていくのか。新しい派閥の誕生を見守ることになりそうだ。