面白い組み合わせ02 白井聡さんVS小池晃さん「とことん共産党」 | 群青

面白い組み合わせ02 白井聡さんVS小池晃さん「とことん共産党」

前話「面白い組み合わせ」に続きまして、こちらも異色の組み合わせ。
永続敗戦論で気を吐いた政治学者の白井聡さんが「とことん共産党」に出演。

 

 

 

 

米国の言いなりというか、1945年敗戦は、占領軍が居なくなってもずっと続いている日本なのだというバッサリの白井聡さんが、共産党に何を言うのか、見ものではないだろうか・・・。
あまりにも面白すぎて、つい、引き続きのアップです。

これもまた、1時間15分。長いですけど、中島岳志さんの時と同様に、目が離せないです。

 




 

 

右手人差し指で自分の髪の毛を幾度かナゾっている小池晃さん。何かアレッと思ってモノ言いたげな・・・。というか、白井聡つんも同じような仕草を見せているし。
あ~っ、この二人、論客同士で似たもの同士かも・・・。
司会の役の朝岡晶子さん、軽妙な味ですね。
なんと・・・白井さん、1977年生まれだと、朝岡さんから紹介。白井さん著「国体論 菊と星条旗」が大ベストセラーになっていて、発売2カ月で7万部。驚異的。易しい本ではないのにと言われて白井さん「そうですネ~」。
「どこまで続く アメリカいいなり安倍政権」というのがこの対談のテーマだそうです。
大阪高島屋前では、一度共産党の選挙応援に登壇したことがあるんだそうです。その他、京都でも。
自分が知らないだけで、白井さんと小池さんは度々ご一緒だったようです。


●16分30秒まで、入り口だけですが、文字おこししてみます
5分11秒。今なぜ国体論なのか。
「言いなりだけだったらまだマシかも。言いなりだと、情けない、いい加減にしろよとなりますよね。だとするともっと主体性を持てと政治の世界もなっていくと思うし、国民の意識もそうなっていくだろうけども、そうならないんですよね。何故ならないんだろうと考えてみると、属国ということが巧妙に隠されている。日本の対米従属は非常に特殊だな~と。アメリカというのは他の国から国力が隔絶した国。アメリカに従属した国は日本以外にも沢山ある。日本が対米従属というのはある意味当たり前なんですけど、世界に類を見ないのは、そのことが、全く自覚されていないということなんですよね。」
「安倍、トランプ政権になってそれが益々露骨になってきた。例えば朝鮮半島のこと、トランプさんの発言は、ある時は強硬的、ある時は融和的になり、シンガポール会談が行われるまで紆余曲折があって、2転3転した訳で、ともかくその間安倍さんは何をやっていたのか・・・。トランプさんが何かを言うと、常に100%支持していると(笑) これは凄いこと。
小池さん「トランプさんが会談をすると言うと、支持すると。会談を止めるというとまた支持すると。」
白井さん「そうなんです。原則はどういうことなのかというと、トランプさんが言う事はなんでも支持するということでしょうし、日本にトランプ氏が来て一緒にゴルフをやりましたけれども、バンカーでゴロコロと転ぶ。トランプさんを追っかけようとしてゴロゴロとなったということがありましたけれども、あれは象徴的でしたよね。象徴的で今の日本の姿を現わしている。で国民はこんな姿を見ると、情けないという形で感じるのが当たり前だと自分は思いますし、結局、バンカーを転げ落ちたのは日本人の姿なんですよね。あれは僕らの姿なんですよね。だけどそんな自覚、ありますかということなんですよね。ですから今日本人は自分達の姿が見えていないんでは無いですかということなんです。」

この時点で9分32秒です。
「この自覚のなさといのは、煎じ詰めていくと、天皇制に行き着くんですよね。どういうことかというと、戦前の天皇制国家と言われますけど、その特徴は何であったかというと、天皇を中心とする国。この地上に日本国が生まれた時からそうだったし、未来永劫そうである。そうあり続けないといけないとか。それに異を唱えるやつは許さんと。こういう体制だったんですね。日本字というのは大きな家族なんだと。その大きな家長として天皇陛下が居るんだ。国民は臣民と言われましたけれども、これは、臣下であると。同時に赤子(せきし)と言われたんですね。天皇は国民を自分の子供のように愛してくれる。愛してくれるとは、ああ日本人に生まれて良かったなと。だから一朝、何かあったら愛してくれる天皇に応えなければならないと。だから天皇のために死ぬのは当然の義務であるし、日本人として光栄なことであるし、幸福な事であると、いわば価値観が強制されていたんですよね。そして戦後民主主義というのは、この観念を破壊した訳ですよね。だから、国体というのは永らく死語になった訳です。」

13分14秒。戦後のこと。まず小池さんから。「アメリカも象徴天皇制を支持した。まさにそんな関係ですよね。アメリカを長とする国体。冷戦構造崩壊後は、対米従属が自己目的化して」
白井さん「戦後は、アメリカが上に立つというのがいわば国体だと考えた訳です。だから、アメリカは日本のことを愛してくれているんだ、天皇のようにね。第三者的にみると、これ属国だよねと見えるけど、この国体の中に暮らしていると、いやいや違いますよ、これは愛に基づく結合なんだから従属なんかじゃ無いんだ。だって家族ってそうでしょと。愛の共同体だろうと。支配とかそういう権力的な関係では無いんだというね。」
この時点で16分30秒。

このあたりまでは、入り口の「なぜ国体なのか」のお話。まだまだ続きます。


●お聴きしての感想です
しかし、よく実感できるように、口頭説明です。
面白い。
自分の知らない領域のお話なので、ここまで解説してくれると有り難いです。
もし、皆様、ご興味がありましたら、ゆっくりとご覧になって下さい。
といいますか・・・・、白井さん著「国体論 菊と星条旗」を購入して読みたくなってきました。
「永続敗戦論」は、仕事仲間の切れ味バツグンの経営コンサルタントさんから、ともかく面白いと勧められて読みましたが、意外に平易ですいすいと読めました。「国体」のことも、昔気質の「天皇制」論だったら決して出てこない難しい説明になるんでしょうけど、白井聡さん、さすが若い世代だけあって、「愛の共同体」「子どものように愛してくれる」という現代語で語ってくれています。

最近感じる事は、世代感覚のズレです。
1970年安保世代で、当時の活動経歴のある市民活動の世代って、どうしても実力武闘による反権力や革命活動の思い出のお話からスタートし、現政権に対する打倒活動と民主主義活動に至る癖から抜け出せません。
非難は決してしません。
というのも、時代の宿命で仕方がないのかもしれません。それで、何が問題なのかというと、最近では「コミュニケーション障害」なるものがあるんだそうです。若い世代は、自説をまくし立てるのではなく、聴いている側の内心の疑問質問にどう届いているのかが問題なんだそうです。つまり、体験を共有していない世代との間で、どうコミュニケーションを取るのかということですから・・・・。
なぜ、武力闘争をしようとしたのかとか、革命を目指そうとしたのかとか、その根底にある「愛」を口にしないんですよね。「人民」という言葉のそこんところに含めているハズなのが、伝わりにくいのだろうと感じます。
「愛」を語るなんて、軟弱だという感覚かもです。
その点、白井聡さんは、戦前~戦後体制をパッケージにする評論で、よく現世代に伝達できる言語をお持ちだな~と、感心してしまいます。
切れ味抜群の方だと思います。



ペタしてね