安倍改憲NO NHK憲法改正に関する世論調査2017年3月

憲法改正に関する最新の世論調査は、この2017年3月NHK「日本人と憲法2017」のようです。

※　2017年3月NHK「日本人と憲法2017」はこちらです

2643人が回答していますから、統計的には十分に「有意」ですね。

過去の世論調査と比較してありますから、変化が分かります。

以下のとおりです。

△憲法改正は必要か　必要43％、必要ない34％

憲法改正「必要」が過半に達している訳ではなく、いわんや圧倒的多数が必要としている訳でも無い。

2002年と較べると、2002年では改正必要が58％までいったん上がったんですが、再びやや下がりましたね。長期的には「分からない」が減って「必要」が増えている傾向です。

△「必要」の理由

「安全保障環境の変化に対応」54％で、憲法9条を変更しようという意識が約半分。「自衛隊の存在」は、かなり少なくて、15％。

△｛必要ない｝の理由

 

「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」51％。これも9条意識ですね。

「既に国民の中に定着しているから」、「基本的人権が守られているから」も20％を越えています。

△憲法9条の改正は必要か

憲法9条に限定して改正すべきかどうか。

「改正する必要がある」25％に対して、「必要ない」が57％。9条に関しては国民は過半が「必要ない」ということです。

長期的に2002年（約15年前）から較べて、改正「必要ない」が微妙に増え、「必要」がその分だけ減っています。

性別・年齢層別には次のとおり。

【男性】

【女性】

男女ともに、40歳代が改正「必要」の意識が高いです。

よく言われている若い世代が改憲を望んでいるという説がありましたが、これを見る限りでは、18～9歳では改正「必要ない」が6割台であり、平均的な57％を越えています。
心配していたんですが、若い世代も憲法9条を維持したいのだと分かりました。むしろ、男性の40代と60代が共に37％と、九条改憲意向が強いです。

△憲法９条は日本の平和と安全にどの程度役に立っているか

「非常に役に立っている」29％、「ある程度役に立っている」53％。つまり合計で82％が憲法9条が、日本の平和と安全に役立つものだとしています。
2002年では、これもまた多いんですが、合計で73％程度だったのが9％増加したのですから。
これは、集団的自衛権・安保法制に関して、安倍政権が2015年に、現行憲法9条を越えた海外派兵こそが日本の平和のためになるんだというどんでん返しをやったことがありましたから、2017年の今日でも、憲法9条がより一層支持され続けているということなので、正直言いまして驚きました。

△自衛隊は憲法で認められるか

今回の唐突な9条改憲安倍総理案は、「自衛隊の存在を憲法9条」第3項として書き込むというもの。

自衛隊のことを違憲だとする憲法学者が居るから、自衛隊員が余りにも可哀相であり、書き込めば合憲となるというものであった。

世論調査結果は、自衛隊は憲法で「認められると思う」が62％。大半とまではいかないが、おおかたの国民は自衛隊合憲ととらえている。対して「認められないと思う」11％は、相当に少ない。
1992年の「認められると思う」48％が、2017年では62％へと大幅に増えている。
安倍総理による自衛隊加憲案が、如何に自衛隊認知の国民意識とかけ離れているかということである。

△自衛隊の役割(複数回答)

「人命救助や災害復旧」90％は、文句なしなんですね。東日本大震災や熊本地震などの報道で、国民は全体によく知っていて大賛成だというところでしょうか。

「テロの防止、対策」と「他国からの侵略や攻撃に対する防衛」が62～63％。いわゆる専守防衛について、過半というかかなり多くの方々が、これを自衛隊の役割として認識していることが分かりました。
「同盟国と共同で行動すること」33％も、感覚として少なくないように感じます。

憲法9条改正が「必要」とするのが25％なので、憲法9条改正をしてでも共同行動する、また憲法9条は変えないままで共同行動する･･･この二つが混ざっているのだと思います。

●声なき声は、これだ
以上、たどったように、安倍政権･自民党の憲法改憲の動きに対し、必ずしも国民は改憲を望んでいる訳では無い。
うち、9条については、過半が改憲「必要ない」。しかも過去からの傾向は「必要ない」が増えてきている。
自衛隊が憲法で認められていることも、国民の62％がそう思っていて、認知されている。安倍総理は「声なき声に耳を傾ける」んだそうだが、国民の声なき声は、憲法改正や自衛隊加憲を望んでいないのだから、早々に、自民党も安倍総理も、憲法改正のセッカチと妄想を止めたら良いと思う。