金木犀の香り漂うおかず横丁です。


さて、台東・墨田・千代田区の一部にお住まいの方にはお分かりでしょうが、

下町には、通称「バタ屋」と呼ばれる、廃品回収業者の方々が多数いらっしゃいます。

リヤカーに山ほどダンボールを積み、車道を悠然と歩いて買い取り業者の元へと向かう姿は逞しさを感じます。おそらく彼らのほとんどが定住せず、ダンボール回収で日銭を得、何者にも束縛されない自由気ままなライフスタイルを確立しているものと思われます。


 当店も結構使用済みのダンボールが出るものですから、バタ屋さんは毎日やってきます。

縄張りがあるのか、いつも同じ方がみえるので、もう顔なじみです。


 そんなある日、いつものバタ屋さんが来ないまま閉店時刻となり、その日はダンボールが多かったものですから、池本が買い取り業者の元へと持って行き、金銭38円也を稼いできたのです。


以前、私が鉄くずを持っていっても買い取ってくれなかったところで、池本は見事、金銭を獲得したのでした。

 

 この事実が何を意味するか。

池本はこれから先、何かがあったとしても、ダンボール回収業で食っていく、その可能性を示す第一歩を踏み出したのです。小さいかもしれないけれど、偉大な一歩です。


 (まあ池本に何かあった時点で、私にも他人事ではないんですが)


 では本日 夏川でした。

今日から名古屋にお邪魔します。