NO.106
ペンギン、カフェをつくる/三谷宏治
¥1,575
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感想
すべての作品を読んでいる作者の中の一人である三谷さんの新作"ペンギン、カフェをつくる"です。
この本のテーマは発想力。常識と知識に縛られてつまらない発想しかでてこなくなってしまっている状況をどう打破していくか
という点をペンギンのキャラクターがカフェを作るというストーリーとともに学んでいく構造になっています。
きっと表向きのターゲットはライトな感じでこういう本を読みたい社会人/大学生などなのだと思うのですが、徐々に本当にやりたいと思っている子どもの教育の方にシフトしていこうと思われてるのかなという気がします。
というのもあってとても読みやすい本なのですが、
とても頭に入ってきやすくなっている一番のポイントは、あまり表立って書かれていないですが
発想力向上のためのメカニズムを
①常識離脱×(②非常識な視点+③異分野の深い学び+④言葉へのこだわり)
の一本の式にまとめあげられて、それを元に組み立てられているところなのでしょう。
それぞれのテーマごとに異分野の知識を元にした例とそれをできるようにするための方法のヒントも書いてありすぐ取り掛かれるようなものが多いです。
自分の発想力に課題を感じている人に
最終的には観想力がオススメとは思いますが、まず読む本として最適ですね。
引用
- 常識は「非常識」と比べるとわかる
- 「歴史や進化」の観点から思い込みを打破する
- カタチ自体でなく「誰のためか」を考える
- 非日常的視点を得るために、いくつかの方法があります。いずれも「日常への違和感」を得るための方法です。
- 自分と違う者の視点
- 例外と比べる
- 「宇宙人から見たら、そこは『美術館』という意味不明な場所ではなく、肌もあらわな美女たちの劇場ではないか」
- その秋日本で長女が生まれたのですが、学校(フランスのビジネススクール(INSEAD))の友人たちに言われたことがあります。それは、「日本人らしい名前をつけろ」でした
- 赤ん坊にプチプチを渡すと、
- 生まれてはじめて見るのにつぶそうとする。
- 1歳半以上の子供ならつぶせてハマル
- かわいくてもバカができないとダメ、すましているだけじゃツマラナイ、というムードが高校生の、しかも女子の間に強くなってきているのだとか
- 「何でも文字書くネーミングしてみる」「伝えたいことを何に例えるか考えて本を1冊読む」ですよ!
- 親方のやることはつまり、任せるタイミングを見極めることと、大きく任せたら責任だけ取ってガマンすること、なのです。
- 新生児が最初から持っている情緒は「興奮」だけだそうです。それが1ヶ月もしないうちに、痛み、空空腹、冷たさ、寒さ、眠さといった「不快」感情を持つようになります。
- 言葉を1つ1つ見つめましょう。その隠れた意味を見つけ出すのです。5W1Hを意識しましょう。明示されていない部分を補うのです。
- 鍛えるとは、とても時間と手間のかかるストイックな行為なのでした。そのための活動こそが「トレーニング」です。いっそそこから、変えてみましょう。鍛えずとも強くなる(向上する)、ちょっと怠惰なプロセスがあるはずです
- ヒット商品の名前やキャッチコピーにこだわりましょう。そしてそれを絞ったりずらしたり、広げたりしてバリエーションをつくってみましょう。