昨晩は非常に風が強かったものの、和歌山北部は夜中1時ぐらいまでは雲のない空を望めそうでしたので、仕事が終わってからみさと天文台へ遠征しました。
観望時間はあまり長くとれませんが、春の銀河を少し楽しめたらと思い宮内10cmを持っていきました。現地に23時頃到着すると、空はまだ雲が多い状態でしたが、10分も待っていると雲はどこへやら、全天美しい星空が現れました。ただヌケは悪いようで少し白っぽい空です。ひょっとしたら6等星は見えてなかったかもしれません。
各倍率でいろいろ楽しめましたので、ちょっとだけ紹介したいと思います。
【M51】
通称「子持ち銀河」で北斗七星の柄のすぐ近くにありますが、属する星座はりょうけん座になります。とても明るい銀河でどの倍率で見ても、大きな銀河と小さい銀河が並んでいるのがはっきりわかります。またそれぞれの明るい核のまわりに淡い光の雲が取り巻いていていて、さらに逸らし目で粘っていると、親銀河の子銀河側に太い腕がぐるんと回っているのが見える一瞬が何度かありました。特に20倍では錯覚かもしれませんが、反対側の腕も同時に見えた一瞬があり、まさしくフェイスオンそのものの見事な姿です。すぐ近くのM101に比べて、とても見応えのある銀河ですね。ちなみに37倍では大きくみえるものの腕はまったく見えませんでした。
【マルカリアンの鎖】
春の銀河と言えば、おとめ座銀河団がとても有名で、たくさんの銀河が一度に視野に入ってくるという星見記をよく目にします。実はお恥ずかしい話で、これほど有名な銀河団を見るのは今回が初めてなんです(^^; 銀河団方向へ双眼鏡を向けると、ボヤっとした小さい光の雲が広い範囲に点在しているのがわかり、そのスケールの大きさを感じとれます。銀河団最大の見所は、曲線を描いて銀河な並ぶ通称「マルカリアンの鎖」です。M84から始まるいくつもの銀河が一度に2.5度の視野に入り“おぉ~!”っといった感動があります。西側の明るいM84、M86から始まり、くっついて縦に2つ並んでいるNGC4435とNGC4438、さらに東にある小さく暗いNGC4461を越えて、並びを北へ曲げながらNGC4473、NGC4477へ繋がっていきます。またM84とM86の南側に横に長く淡いNGC4388も確認できます。視野の中に8個の銀河がはいっているのですから壮観です。またマルカリアンの鎖のすぐ近くには、M87やM88の明るい銀河もあり、まさしく銀河のお祭り状態です。確認できた一番暗い銀河がNGC4438の11.15等級で、12.02等級のNGC4458は見えませんでした。今回は26倍メインで観望しましたが、37倍、1.8度では暗くなるものの大きく迫力のある見え方で、フジノン40倍へ期待が高まります。
【M5】
これは銀河ではなく、へび座にある5等級台の大型球状星団です。今まで宮内やハイランダーなどで自宅よりいつも対象になってきた天体です。20倍では白く明るい丸い雲に見え、美しい見え方をしますが、最高の見え方をするのは37倍です。明るく大きく、逸らし目で大小多くの星々に分離し、ゾクッとくるような球状星団そのものの素晴らしい姿を堪能できます。天体写真に近い見事な見え方で、球状星団は分離してこその魅力だと改めて感じました。やはり私は球状星団が特に好きなのかもしれません。フジノンで見てみたい…。
【NGC5139】
ケンタウルス座のオメガ星団です。みさと天文台からは南方向の山の稜線が、地平線から約5度の高さにあるので、南中高度3度のカノープスは見えなくても、8度のオメガ星団は見える環境です。オメガ星団は3.68等級、サイズも満月なみという全天最大の化け物球状星団です。37倍の視野に入れると、まずその明るさと大きさに驚かされます。これだけヌケの悪い日の超低空の空で、これだけ迫力があるのですから半端な存在感ではないですね。この星団は星が細かくまったく分離はしませんが、じっと見ていると南半球で見てみたいと強く思ってしまいます。鼻血出るほどの感動が味わえること間違いなしでしょう(笑)
その他、核を中心に少し南北に伸びているようにも見えるガラッド彗星、どれだけ目をこらしても大きく淡い綿のようにしか見えないM101(フェイスオン銀河)、真ん中が大きく膨らんだどら焼きのようにも見えるM104(ソンブレロ銀河)などが印象に残っています。0時30分になると北側から雲が迫ってきたのでお開きとなりましたが、最後の最後に、超低空でもポツポツと分離する蠍座のM4(球状星団)や、小さいながらもちゃんとリングに見えること座のM57(惑星状星雲)も見れて1時間半という短時間ながらも満足度の高い観望になりました。
上記以外で見た天体は、M65、M66、NGC3628、M81、M82、M87、M88、M90、NGC5128、他おとめ座銀河団でナンバーが確認できなかった銀河多数です。
雲が迫ってきてすぐに機材をしまい撤収しましたが、撤収して10分もするとパラパラと雨が降ってきました。山の天気は怖いですね(^^;