[汚ジーンとの死闘]荒ぶる魂を鎮魂せよ | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~

諸君、ご壮健かな。



人生のモラトリアム、キャフェティラス。私はカーフィーの湯気をくゆらせ、ふぅ、と息を吐く。


何という至福の時間だろう。



「やんなっちまうんだよ」


私の耳を刺激する不愉快な声音。ドラマティックな展開が待っていそうな気がして、心がタップダンシングオールナイトニッポン。


私は気づかれないように、チラリと眼球だけ動かしてみる。気取られたら石になる、エマージェンシー。


そこには川谷拓三みたいな汚ジーンとえなこのようなギャル。何なんだ?この組み合わせは?と思いながら、聞き耳を立てる。


「…」

「あいつ、許せねえ」


何も語らないえなこを、かつて一世を風靡したツインターボのように置き去りに。



勝手にヒートアップする拓三。えなこはめんどくさそうに言う。


「ふぅ…何があったの?」


ため息に全てが凝縮されている。一人でハラハラするシャア!。拓三、貴様は何と答える?お前の血は何色だ!



拓三は口を開く。何だ?何があったんだ?


「それは忘れた」





そこ一番大事なとこ。

テストに出るぞー。




えなこ。ストローをでかい音でズズズ、とすする。それだけで不機嫌さを表現するとはニュータイプか。




さて。


帰るか。