諸君、ご壮健かな。
野毛ちかみち。
横浜の最新鋭シティみなとみらいから、線路を挟むと急速に昭和感が漂う。この夜光虫が寄ってくる路ラビリンスに、ともに迷い込むのは。
学徒動員兵。
踏まれても笑顔で力強く生きていく様は、雑草のようで逞しい。彼のような介添人がいると安心だ。
お。
懐かしいステンドグラスのアーケード。
かつてガンダムバー「ジャブロー」が健在であった時、たむろして歩いた思い出のイゼルローン回廊だ。
けんちゃん通り？
動員兵「やばいっす、言ったもん勝ちっす」
シャア！「すごいな」
動員兵「あのリーゼントで断言されたら、そうっすね、としか言えないっす」
けんちゃんの影に怯えながら、まだ早いのでマイナス2次会の会場を探す。
名物！塩煮込みのお店もつしげ。
動員兵「塩煮込みってなんすか」
シャア！「よくわからないから行くか！」
動員兵「そうっすね！」
結局は寒くてすぐにでも座りたいオサーンが2人。ドッカと座ると。
これが塩煮込み。
シャア！「でさー、そしてさー」
動員兵「そうですか！そうですね！」
塩煮込みに触れないのかよ。
2時間、エンジンがかかってきた！
シャア！「次行くか！」
動員兵「そうっすね！マイナス1次会行きましょう！！！」
またさすらう2人。
シャア！「あそこにするか？」
動員兵「朽ちてます！」
シャア！「それもまたいい」
などと言いながら、たどり着いたのは。
川沿いズラーリ。
女性の下の名前の店ばかり。一代年寄のようなママさんが溢れているのか、代替わりをしたら二代目を襲名するのか、改名するのか。
シャア！「なあ、動員兵」
「なんすかー」
だ、ダメだ…もう違う世界へと連れ去られたようだ。悪霊退散。
シャア！「でさー」
動員兵「まじすか！」
シャア！「でな」
動員兵「どしぇー」
そんなこんなで2時間がすぎた。外もすっかり帷が落ちた頃。
「ゼロ次会いきましょう！」
そう、まだ戦いは始まっていないのだ。
（つづく）
