[コラム] 機動戦士ガンダムの食事、そこに安らぎはあったのか。 | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~
※この記事は過去記事の再構成です


諸君、ご壮健かな。


何もかも懐かしい。夏だ。もうジオング並みに完全に夏と叫んだあの頃の話。
↑ナニソレ

昼の気温は30度、だるくてバブルスライムのように溶けそうなそんな厳しい日は。


バーベキュー!BBQ!

日々の生活を彩るのはやはり「食」。このような語らい食し飲み干す時間が持てること、幸せだと凄く思う。

その思いは機動戦士ガンダムの食のシーンを見ていると、さらに強くなる。


まずはこれ。

まるで最期の晩餐のような質素さ。

アムロ・レイがランバ・ラルとクラウレ・ハモンに出会う有名なシーンである。この食が戦時の物資の少なさとともに、アムロのシリアルな心中をよく表している。

次は機内食。


なんなのだろうこのペースト。

保存と栄養バランスという効率を追求するとこうなるのは理解できるが、食というのは心を癒す大切な時間。この食を見るだけでも食傷なのだが……。


それを子供から盗む大人。

戦争というのはここまで心をすり減らすものなのか。それをわずか数十秒で表現した富野悠由季。凄まじい才能だ。


しかし機動戦士ガンダムには、戦時中にも心の豊かさを表現した作品がある。

それは機動戦士ガンダム第08MS小隊。

シロー・アマダやキキ・ロジータの搭乗により、悲壮感に満ちていた小隊に熱がこもる。喧嘩し笑い、食を取ることで1つの「チーム」となっていく。

そして行き着く先。


敵ジオンの兵士アイナ・サハリンとの生活。

わずかなティを分け合うだけの二人だが、その温かい時間は画面を通して伝わってくる。それを見つめるキキ・ロジータの切なさと嬉しさの入り交じる表情が印象的。


我々が生きるこの社会は、心磨り減ることが多い。しかしそんなときこそ、温かな時間が必要なのだ。



肉をがぶり。

さてと。
少し頑張ってみようかな。