さて前回、記事に取り上げたら大好評(大不評?)だった男。
ワニ夫。
彼とのエピソードはろくなものがないが、このままフェイドアウトも申し訳ないので、少し記事を書いてみよう。
時代は士官学校(大学)に入学した頃、遠い昔の記憶だ。
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私がはじめて入る教室、これが講堂か!そんな小さな感動のもと、中段の左はじの席に座った記憶が残っている。
「隣いいですか?」
一人で寂しかった私は、素敵なキャンパスライフを期待し、淡い期待をもって顔をあげる。そこにはいかしたプリティガールがいるわけもなく、ひとりのワニのようにアゴが発達した男がたっていた。
「となり、いいっすか?」
「あ、どーぞ」
私がそう返答をすると、その男はドッカと隣に座った。その意外なほどけたたましい
音に、私の心臓は床に落とした鍋の蓋のごとくグワングワンした。
男「早く来ていたんですか?」
シャア!「五分前くらいかな」
男「すごい!師匠と呼んでいいですか?」
なんだこいつ。
これがワニ夫との出会いだった。
(過去の士官学校物語 )