※この記事は過去記事の再構成です
諸君、ご壮健かな。
機動戦士ガンダムの主人公といえば、アムロ・レイ 。彼の成長が物語のテーマの一つである。
しかし、彼をはるかに凌駕する人気を持つ人物がいる。
そう。
多くの魅力的なキャラクターの中でも、彼のカリスマ性は群を抜く。儚くアムロとの決戦で命をちらすのだが。
その吸引力のある遺伝子が後世に残り、勇躍する姿を見たい。そう思った人は、多いのではないだろうか。
その思いが、多くの説を生んでいる。
機動戦士ガンダムUCに登場する「シャアの再来」フル・フロンタルについては、あえて触れるまでもないので割愛しとこう。またお腹に宿りながら、悲劇の最後を飾ったナタリー・ビアンキ の子ついては、別の記事に機会を譲りたい。
まずは。
少年が天才的なモビルスーツ操縦能力を発揮する、「機動戦士ガンダム」シリーズ。その中でも、なんと13歳という、飛び抜けた幼さで技量を発揮した、「機動戦士Vガンダム」の主人公の少年である。
その能力の高さは、もちろんシャア・アズナブルをほうふつさせるが、血を感じさせる要因が他にある。
それは、彼の母親の名前が。
ミューラ・ミゲル。
この名前を聞いて、
「え?」
と思った人も多いだろう。
そう。シャアが最後に登場する「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場する、シャアの副官であり恋人関係だった、ナナイ・ミゲル と同姓なのである。
このことから、ウッソはシャアの子孫では、という議論が巻き起こった。
しかし、監督の富野由悠季はこれを否定。さらにガンダムエースにて、ナナイ・ミゲルとミューラ・ミゲルの「ミゲル」のアルファベットの綴りが違うことも発表されたため、公式に全くの別人という結論になった。
次に話題になるのが。
この人物は、富野由悠季作の小説「ガイア・ギア」に登場する人物。「宇宙移民運動の指導者」と方される、シャア・アズナブルのクローンである。
この人物は確かに、シャアの遺伝子を紡いでいる。しかし内面は異なり、コックピットで「おもらし」をするなど、カリスマ性には程遠い。
遺伝子だけでは、どうにもならない部分がやはりあるのだろう。
さらに、この小説を書いたこと自体を、富野が否定したい節もある。そのことから、彼の存在も微妙なものとなる。
やはり劇中の民衆も我々も、全員が英雄シャア・アズナブルを渇望している。その虚構と現実のうねりが、フル・フロンタルという存在を生んだのだ。
(過去のコラム)