戦争の爪痕 映画「FOUJITA」 | 妖精の ほうれい線

妖精の ほうれい線

不老不死な妖精は
大人だけれど悪戯で
寡黙だけれどお喋りで
でも、ほうれい線がありました。

フランスで寵児として愛された 画家 藤田嗣治

 

藤田氏は

パリでの夢のような20年間から 

一転 戦時下の日本へ

 

日本軍の命を受け 

戦地へ赴き 戦場の画を描かされる

 

そして

軍の監視下で 戦意高揚の画を描き

画壇のトップに立った 藤田氏

 

女性の美しい曲線と 猫が 藤田氏の持ち味だったが

戦争という背景は 力づくで圧し潰されていく

 

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キスマークgumrieさんのつぶやき

 

カズオ・イシグロ氏「浮世の画家」の 画家 小野益次と重なった

 

戦時下は 先生ともてはやされるが

終戦後は ガラリと変わってしまう

 

娘婿や 一番弟子 世間の評価は

戦争に加担しても のうのうと生きている輩として・・・

 

でも

小野自身は 

戦時下の自分自身を評価し 淡々と時代の隅で生きていく

 

だが

藤田氏は 

戦後息をひそめるように 生きることから

パリへ逃げる

 

そして 帰化し 二度と日本の地は踏まなかった

 

誰もが逃れることが出来なかった 戦争の爪痕だった

 

 

映画は映像が暗く 最後は幻想的で 戦争の現実を映し出す

重苦しさの塊を 引きずる映画だった

観る価値は十分ある映画だと思う

 

藤田氏が 軍の幹部に見せられる映像には

若い女の子たちが 崖から次々飛び降りる映像が・・・

衝撃的で 息をのむものだった

 

 

左は 映画でのオダギリジョー 右が藤田嗣治氏

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