瞽女展望地  ~伊豆半島行き当たりばったり~ | ライムとハナコと、ときどきカッパ

ライムとハナコと、ときどきカッパ

気が向いたときに、書きたいことを書きます。
本当に、テキトーに…。
家族の日記代わりなので、しょうもない内容とクオリティの低い写真につきましては、ご容赦ください。


晴天とポカポカ陽気に恵まれた、今年のお正月のお出かけ。
今年のお出かけ先は、房総か伊豆か、ずっと迷い続けていたけど、結局伊豆に向かうことに。

お正月には、千葉の巨大霊園に眠る父や祖父母のお墓参り…
が、お約束のわが家。
祖父の命日が1月2日だしね。

で、今年は翌1月3日に、母方の祖父母のお墓参りへ。
お墓参りの後は、伊豆半島をぶらぶら…。
母の実家のある修善寺から、沼津市の戸田に抜ける道中は


思いがけない場所から、思いがけない大きさで富士山が現れる!


『こんなきれいな富士山、ハナコも一緒に見たかったよね~』
と、感慨深いカッパさんとワタクシ。
言うまでもなくハナコ大先生、失明していたので、どのみち見えなかったんだけどさ。
でもまさか、今年のお正月の旅行には、ハナコがいないなんて思ってもいなかったし。

海に向かって走るうちに、
「いつの間にか、富士山が見えなくなったな…」
と思っていたら、突然道の左側に見えたのは、数台分の駐車場と、木道が見える場所。
そりゃ、この先何があるのか、見に行くに決まってるでしょう…

というわけで、車を降りたワタクシとライムちゃん。
その時に、チラッと目に入ったのがこれ。


「瞽女供養」
の文字が見える…。

とりあえず、ワケもわからず木道を進む、ライムちゃんとワタクシ。
一応、どこにも、ワンコ禁止と書いていない事だけは確認したけどね。

のしのし歩きつつも、疑問が…
『瞽女さんって、確か昔読んだ小説の…』
高校時代に読んだ、水上勉氏の小説
「はなれ瞽女おりん」
を、ものすごく久しぶりに思い出したりして。
なんだか、救いのない物語だったような記憶が…。

と、思い出すともなく思い出して。


いったん木道が終わって地面が…と思ったら、その先にもまた木道が。

『この先には、絶景が待ってるにちがいない!』
確信に基づいて、歩き始めたライムちゃんを追い越して、ずんずん進むと…


なぜか2mくらい戻って、地面を必死に嗅いでるライムちゃん。
『置いてっちゃうよ~』

その一言で、ダッシュでやってくる可愛いヤツめ。


予想通りの展望台が目の前に!

しみじみと(?)景色をながめやるライムちゃん。


遠くを眺めていたうちはよかったけど…


自分がどんな場所にいるのか、気づいたらこわくなっちゃったみたい…


ちょっと手すりから離れて、
『頑張ってここまで来たのに、イマイチだなぁ…』
と言いたげな表情になっちゃって。

戸田の海が遠くに見える展望台。


意外なくらい離れた場所に、カッパ号が見える…。
って、この写真じゃわからないけど。

海に向かって、消えかけの行機雲。


山肌に目を凝らすと、これから通っていく道が、木の間隠れに見えてる…。

既に、
『早くパパの所に帰りたいよ~』
モードのライムちゃん。


早足で、自主的に帰って行っちゃうし…。


だけど、往きにもニオイ嗅いでた場所を、またしつこくフニフニしてるし。




脇目もふらずに帰って行くライムちゃんのおかげで、あっという間に駐車場に到着。

改めて、お祀りしてあるお地蔵さまなのか観音様なのか…じっくり見ると、やっぱりそこには
「瞽女供養塔」
の文字が。


春先の大雪で、この峠を越えようとしていた3人の瞽女さんたちが、遭難して亡くなったことがあり、彼女たちを供養するためのお地蔵様が祀られてる。
いや、赤い帽子に前掛け姿でお地蔵様に見えるんだけど、瞽女観音という名だそうだ。


そういえば、20歳頃に観た映画の、
「はなれ瞽女おりん」
を、何十年がぶりに思い出したりして。
若かりし岩下志麻サン演じるおりんの、キレイだったこと。
その、おりんの歩く四季折々の野山の何とも美しかったこと。
誰も立ち入らない岬のはずれで、一人迎えたおりんの最期に絶句したこと。
原作の小説には、おりんの最期の場面はないんだけど。

目の不自由な女性たちが芸事を身につけて、集団となって町や村を歩く瞽女さんたちの暮らしは、とうてい楽なものではなかっただろう…
瞽女さん達を
「神様と結婚した存在」
と位置づけたのは、ある意味で彼女たちを守るシステムだったのかもしれない…とも思うけど。
だけど、目の見えない彼女たちが、決して生き易かったわけではないしね。
男性と性的な関係を持ったら、それが本人の意志であったか否かに関わらず一座を追放されてしまう厳しい現実もあったし。
何よりも、女性であるというだけで、男性よりも社会的には圧倒的に不利だった時代が、本当に長かったしね。



この峠で、凍死してしまった瞽女さんたちが、いつ頃の時代の人かはわからないけど。
ネットで調べたところによれば、
「メチルアルコール」
が云々という記述もあったから、比較的最近(戦後)のことだったのかもしれない。



のんびりニオイ嗅いで歩くライムちゃんを見ながら、いつになくしんみり考えちゃったりして。



供養塔の前で見上げたら、真っ青できれいな空が。

遠くに見える、戸田の海も本当にキレイ。


絶景ポイントを、ライムちゃんとお散歩!
と思って、脳天気に立ち寄った場所だけど。
いろんな意味で、寄ってみて本当によかったわ。

そういえば、この瞽女観音様、芸事の神様として、今も篤く信仰されてるんだって。
全く知らなかったから(その場にあった案内看板も読まなかったのよ…)、今回はホントにあっさり手を合わせただけだったけど。
また行って、今度はしっかり拝んで来ないとね。
ま、特に芸事というほどのものは、なにもやってないけどさ。


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