テレビ大好き!

小さき麦の花
(2022年/中国/133分)
監督:リー・ルイジュン
【ストーリー】
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農家の四男・ヨウティエ(ウー・レンリン)は、三男ヨウトン(チャオ・トンピン)から厄介者として扱われながら彼の家で暮らしていた。あるとき、彼は体に障害のあるクイイン(ハイ・チン)と見合いをして夫婦になる。ヨウティエとクイインは不器用ながらも互いに思いやって慎ましく生きるが、農村改革によって住んでいた空き家を追い出される。立ち退きの補償金を元手にするなどして自分たちの家を建てる二人だが、突然クイインが命を落とす。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
とてもとてもとてもよかった。
じんわりよかった。
ほんまによかった。
私がアジア映画を贔屓目に見ているのもあるかもしれませんが、それでも この作品は とてもよかったです。
有鉄(ヨウティエ)と貴英(クイイン)の貧しいながらも静かで幸せに満ちた夫婦の物語。
片田舎の農村の片隅で、原題の通り、ホコリに隠れて存在がわからないくらいにひっそりと暮らすヨウティエと障害を持つクイイン。
厄介払いのために結婚させられた2人だったので最初はお互いそっけなかったけど、ちょっとずつちょっとずつ心の距離を縮めていく2人。
誰に迷惑をかけるわけでもなく、一生懸命に生活する2人。
ヨウティエもクイインもお互いを大切に大切に想っているんやなぁ、ということが、ちょっとした描写で伝わってくるようになります。
しかも、ちょっとケンカがあったりするのもリアル夫婦な感じでよかったです。
遠い昔のような農村地帯が舞台ですが時代は現代。
都市部のスピーディな変化には関係のない2人かと思いましたが、しっかり影響を受けていて、空き家を解体すれば奨励金が出るとか何とかで、あてがわれた家を出ていかないといけないことに…
搾取されっぱなしの2人…。
そういえば、ヨウティエの血液は珍しい型で、村の金持ちの人と同じなので、度々その人のために献血をするのですが、それを金持ちの息子がBMWに乗って頼みに来るんですよねー。
彼らはヨウティエの血液まで搾取するのかーーー!!!ってちょっと思ってしまいましたが。
で、ヨウティエとクイインは自分たちで家を建てることにします。
もうね、ヨウティエがすごいんです!
無人島に流されてもヨウティエがいてくれたら間違いなく生き延びれるような気がしますわ。
そして完成した立派なおうち。
クイインのとても幸せそうな顔。
とうもろこしが売れたらテレビを買って(クイインはTVを見るのが好き
)、市の病院でクイインの病気をちゃんと診てもらおうな、と優しく言うヨウティエ。
この時のシーンを、今、思い出しても泣けてきます。
とてもとても幸せな瞬間だっただろうな。
慎ましく、小さな幸せを一緒に感じ、時に2人でフフッと笑い合いながら生きている彼らを見てると、もう、誰も彼らを邪魔せんとって。
このままそっとしといてあげてほしい、このささやかで幸せな生活が永遠に続きますように…と、強く強く思いました。
先程も書きましたが、時代が…そして今度は運命が2人をソッとはしてくれません。
…呆然ですわ。
リー・ルイジュン監督の前作『僕たちの家に帰ろう』のラストも呆然…となりましたけど。
あと、ポスターにもちょっと出ている「ツバメ」
ツバメについてヨウティエが言っていたセリフがラストの彼の強い悲しみと覚悟を一層引き立てていたように思います。
優しい2人の物語。
静かに、とても深く心に刺さった作品でした。
あと、2人の大事な財産でもあるロバね。
働き者で食いしん坊のロバがとてもかわいらしかったです
くうこのおまけ
☆クイインがヨウティエに「ご飯にしましょう」というシーンが頻繁に出てくるのですが、それがとても中国らしいなぁ、と思いました。
☆そのご飯が、小麦で作った食べ物がメインだったのもよかったな。(中国北部の話だしね)
☆せやんな!!あの地ではBMWよりロバやんな!!
☆ヨウティエの兄弟の名前!!
一番上の兄から…
有金
有銀
有銅
有鉄(ヨウティエ)
ヨウティエの下に男の子が生まれたら何て名前が付いたんやろー。有鉛とか??
うりぼう5つ:

2023.3鑑賞

にほんブログ村
ありがとうございました