3人
親愛なる君へ
(2020年/台湾/106分)
監督:チェン・ヨウチェ
【ストーリー】
老婦シウユーとその孫ヨウユーの面倒をひとりで見る青年ジエンイー。ただの間借り人であるはずの彼が2人に尽くすのは、今は亡き同性パートナーの家族だからだ。ところがある日、シウユーが急死してしまい、その死因を巡ってジエンイーは周囲から不審の目で見られるように。警察の捜査によって不利な証拠が次々と発見され、ジエンイーはついに罪を認めてしまう。それはすべて、大切な“家族”を守りたい一心で選択したことだった。(映画.comさんより)
【かんそう】
大好きな作品です。
私が2021年のベスト作品を何品か出すとしたら必ず入れるやろーなーと思うくらいに好きです。
予告編を観たとき、私はジェンイーが亡くなったパートナー、リーウェイの家族に尽くしているのは、パートナーへの愛情からだけだと思っていましたが…
「あれ?サスペンスなん?」と思わせる裁判所シーンから物語は始まりますが、ベースはジェンイー、シウユー、ヨウユーの物語。
そこにリーウェイの弟の登場、シウユーの死、とサスペンス要素が入ってきますが、結局そのサスペンス要素も家族物語として必要なもので、ジェンイーの愛が強調されていました。
大枠の構成も見事でしたが、細かいところのシウユーとジェンイー、ジェンイーとヨウユーの関係の描き方も良かったです。
シウユーがジェンイーに「もう恨んでいない。息子は幸せだったかい?」て聞くところで涙が止まリませんでした。
シウユーとジェンイー、2人の関係の雪解け…
もう、シウユーはとっくにジェンイーを認めていたんだと思います。
ヨウユーがジェンイーの仕事を待っている間にたどたどしくピアノを弾いているところ、ジェンイーの部屋で過ごすヨウユー、二人がとても仲良くヨウユーがジェンイーを信頼しているのもよくわかりました。
冒頭でも書きましたが、ジェンイーが彼らのお世話をしていたのは亡きパートナーの家族だから、というのもあるとは思いますが、ジェンイー自身に罪の意識があったんだと思います。
ラストは悲しかったけれど、ヨウユーの歌を聞くと、彼らはまた必ず再会できるよね!という希望が感じられました。
冒頭にゆっくり見渡すように写されていた美しい山。
ジェンイーにとって今は「山」は別れの場でしかないと思うけど、いつか笑顔でヨウユーとまた登れたらいいよね。
この感想を書いている今も作品を思い出しながら胸いっぱい
基隆のしっとりとした気候と物語がぴったりだったのもまたよかったです。
そして忘れてならないこのお方!
主役を演じたモー・ズーイーの繊細な心情を表す表情、演技が素晴らしかったです!
くうこのおまけ
・来場者プレゼントでチラシをいただきました。映画を見終わってからそのチラシ見たらまた泣けてきましたわ…ちょっと字が曇り加減なところがあるのもいい!
・ジェンイーのセフレもいい人だったよね…😭色気のある役者さんだったな。
うりぼう5つ:
2021.8鑑賞
ありがとうございました