(2013年/イギリス・イタリア/91分)
監督:ウベルト・パゾリーニ
【ストーリー】
公務員のジョン・メイ(エディ・マーサン)は、ロンドン南部ケニントン地区で亡くなった身寄りのない人々の葬儀を執り行う仕事をしている。いくらでも事務的に処理できる仕事だが、律儀な彼は常に死者に敬意を持って接し、亡くなった人々の身内を捜すなど力を尽くしていた。糸口が全て途切れたときに初めて葬儀を手配し、礼を尽くして彼らを見送ってきたが……。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
※がっつりネタバレしてますよー※
こういうお仕事の方もいるんやなぁ・・・と思いながら観ていました。
静かな作品でしたが、ジョン・メイの仕事同様、作品自体も丁寧で誠実に創られているなぁという印象を受けました。
そんな中にもクスッと笑えるユーモアもあり、それがまた私の大好きな類の「クスッ」でした。
ジョン・メイのいつもの日常だけを描いた作品だったら絶対睡眠100%の映画になってしまうと思うのですが、ジョン・メイが人員整理で解雇されることになり、最後の案件となった一人の男性の「死」をきっかけにドラマも大きく展開。
自分の家の前に住む男性ビリー・ストーク。
彼がジョン・メイが最後に見送る人となりました。
彼とは家も近所だったのですが言葉も交わしたこともありませんでした。
今まではきちんとお葬式をあげてお別れすることだけはしてきたジョン・メイ。
しかし、このように他人と話して、交流して・・・というスタイルでの仕事方法は初めてだったのではないでしょうか。
いろんな人と交流していく中でジョン・メイの人生もちょっとずつ変わってきます。
上司にだって意見しましたし、全力で走ったりもしました!!
ジョン・メイ走れるんや!!とびっくりしましたが。←失礼・・・
上の画像の交流シーンもとてもいいシーンでした。
その訪ね歩いて行く中で、フィッシュ&チップスを売っているある女性の所にたどりつくのですが、帰り際に渡されたお土産に爆笑してしまいました。
ここまで来たらお土産にくれるって言うたら、フィッシュ&チップスやと思いますやん?!
渡されたものは調理される前の生魚。
笑ったわぁ・・・
わたしやったらいらんかなぁ・・・
その後のジョン・メイの調理にも笑ってしまいましたが。
いろんな人を訪ね歩いているうちに彼の娘・ケリーにたどり着きます。
結局解雇されてしまいましたが、それでもビリー・ストークのお葬式をあげることに力を注ぎ続けたジョン・メイ。
自分のお墓を建てる予定だった場所を彼に譲ってまで彼のお墓を建てようとします。
・・・惚れたのね、彼女に・・・
わかりやすいわ、ジョン・メイ・・・
でも、それでこそ「生きてる!」って感じでいいよね!!
解雇されたあとに着た薄いブルーのセーターがジョン・メイのきれいなブルーの瞳とマッチしてとてもよく似合っていました。
これからの人生が色づくのねーというようにも感じましたし。
また、ジョン・メイとケリーが待ち合わせて会う場所が「駅」のカフェ、というのも「人生の転機」という感じがしてよかったです。
全然おしゃれでもなんでもないのですが、確か夢占いでも「駅」は「人生の転換期」という意味合いがあったと思います。
そして、列車ではいつも進行方向とは逆向きに座っていたジョン・メイですが、最後には進行方向と同じ向きの座席に座るようになります。
しかし、彼の人生に輝きと彩が添えられ始めたころ・・・
人生って無情よなぁ・・・な出来事が起こります。
なんで彼が・・・。
ラストシーンはちょっと心温かくもなりましたが、できればジョン・メイには人生や恋の楽しさというものも味わってほしかったなぁ、と思いました。
ジョン・メイだってケリーとココアを飲みたかったんじゃないかなぁ。
そういうことも全部含めて「人生」ということでしょうか。
くうこのおまけ
・数年前、ならで行われた国際映画祭にウベルト監督がこの作品と共に来てくださったそうです。
その時すたっふされていた方にいろいろお話を聞いたのですが、なかなかダンディーな監督さんだったそうで、ちょっとお会いしたかったなぁ、と思いました。(英語でのコミュニケーションは無理だけど~)
・劇中に出てきたハーゲンダッツのちょっと大きなサイズを見て「あれ日本でも欲しいわー」と思っていましたが最近スーパーで見かけました!!前からあったのかな??
とは言え、彼の食事は栄養バランスがすこぶる気になる・・・
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆