グォさんの仮装大賞
(2012年/中国/104分)
監督:チャン・ヤン
【ストーリー】
「こころの湯」「胡同(フートン)のひまわり」のチャン・ヤン監督が、老人ホームで暮らす老人たちが人気仮装番組に出演するためホームを飛び出し、古いバスを手に入れて都会を目指す姿を描いたハートフルコメディ。友人のチョウさんの勧めで老人ホームに入居したグォさんは、家族にも見放され、変わり映えのないホームの日々に生きる気力を失っていく。そんな中、チョウさんが人気テレビ番組「仮装大賞」への出場を提案し、にわかにホームの老人たちは活気づくが、職員や家族たちから反対されてしまい……。(映画.comさんより)
【かんそう】
やーっとこれで1月に観た映画の感想が終わります・・・
ところでこの映画は。
数年前に偶然知って、観たいなーと思っていた映画でした。
すると!東京国際映画祭で上映することになり、おー!と思いましたが、観に行くこともできず・・・
そうこう思っていたら!!!
配給がついて劇場公開してくれるというではあーりませんか!!!
というわけで大阪でも公開されたので早速足を運びました。
チャン・ヤン監督作品は「フートンのひまわり」よりは「こころの湯」の方が好きかなー。
でも、どちらも「人の情」を描いた温かい作品。
今回もとても楽しみにしておりました。
もし、私がもっと若かったらおそらく、自分の両親の「老い」についてだけ考えたかもしれません。
でも、今の私の年齢で観ると、両親はもちろんですが、「自分自身」の「老い」についても少し考えてしまいました。
他人事じゃないよなぁ・・・いつかは自分も・・・と思わずにはいられないシーンもありました。
子供がいても、決して幸せとは限らない。
お金があっても、決して幸せとは限らない。
そういうしんみりしてしまうようなことも描かれていましたが、でも、みんな基本的には明るい!!
「仮装大賞に出ようぜー!」ということから話は始まるのですが、とにかくみんな楽しいことが大好き。
こういう楽しい仲間と一緒なら老人ホームも悪くないなーと思いました。
絵空ごとかもしれませんが、グォさんが入所する時のホームの皆さんの温かなお・も・て・な・し!!がとても素晴らしかったです。
あの枕カバー&シーツ素敵やわー
世界に一つじゃんねぇ。
仮装大賞の練習も観ていて楽しかったですし、院長に反対されても、なお、仮装大賞への出場をあきらめきれずにあれやこれやと画策して脱出する場面もとてもおもしろかったです。
しかも天津までの移動は・・・・めーーーっちゃぼろいバス!!!
ほんまに大丈夫?!ちゃんと天津まで走りきる?!と心配になるほど年季が入ったバス。
でも、年齢を重ねてきた彼らとこのおんぼろバスはぴったり息のあったチームメイトのようでしたし、美しい内モンゴルの大草原を走る姿もなかなか素敵でした。
ここで私の疑問。
彼らは内モンゴルをつっきって天津に行きます。
じゃぁ、彼らの老人ホームは一体どこにあるの?!
家に帰ってきて中国地図をひっぱりだしました。
甘粛省かなぁ・・逆の方向の吉林のほうかしら・・・
何気に中国の映画サイトを見ていると同じような疑問を持った方がいらっしゃり、ほかの方が「寧夏だよ」と答えていらっしゃいました。
だとすると直線的に天津に行ったのではなく、ぐりーんと内モンゴルをわざわざ通って行ったことになるけれど、直線的に行くのはもしかすると道路などの関係で難しいのかもしれんなぁ・・・と地図を見ながら思いました。
うむ。
以上「私の疑問」コーナーでした。
さーー!!バス旅行も一筋縄では行きません!!
途中、内モンゴルヤンキー?!な若者たちが乗った車が煽ってきたのでなんと!!
このおんぼろバスはその車とカーチェイスを繰り広げます。
もー・・・
こんなにゆるいカーチェイスは初めて見ましたわ。
全くスピードがなく、全くハラハラしないのですが、最後はなかなかいい終わり方で思わずにんまり☆
途中で追いかけてきた院長たちに追いつかれるのですが、院長のあと20年両親が生きていたとしても時間にすると・・・という話と、グォさんが草原で孫に聞かせる話が印象的でした。
結局ひと波乱ふた波乱あって天津に到着して番組に出場するのですが、言いだしっぺのチョウさん・・・じつは仮装大賞に出たかった本当の理由がここでわかります。
まぁ・・・最後の部分はちょっと長かったかなー。なくてもよかったかもなー。と、素人ながらに思いましたけど。
でも、笑いあり、涙あり、人情ありの素敵な映画でした。
久々のチャン・ヤン監督作品でしたが、変わらず心温まるほっこり映画で、良作でした。
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆