世界
(2004年/日本・フランス・中国/133分)
監督:ジャ・ジャンクー
【解説】
北京郊外に実在するテーマパーク“世界公園”を舞台に、そこでダンサーとして働く若い女性たちの人生模様を鮮やかに描き出したドラマ。監督は各地の映画祭で評判を呼んでいる「プラットホーム」「青の稲妻」のジャ・ジャンクー。
北京郊外あるアミューズメント・パーク“世界公園”。エッフェル塔やピラミッドなど、世界各国の名所が10分の1に縮小され再現されている観光スポット。20代なかばの女性タオはこの公園でダンサーとして働いていた。毎日様々な国の衣装を身にまとい踊る彼女は、いまやベテランとして同僚たちから“姐さん”と慕われている。公園の警備主任のタイシェンと付き合っているタオだったが、一方で将来に対する漠然とした不安を抱えていた。そしてそんな彼女の周りでも、結婚が決まった同僚や、団長の愛人となり出世を果たす後輩などいくつものドラマが日々紡がれていく。(all cinemaさんより)
【かんそう】
がんばってもう1本ジャ・ジャンクーを観ました!
でも、がんばらなくても観れるなーと「青の稲妻」とこの「世界」を観て思った。
『青の稲妻』のオープニングもすごく印象的だったのだが、この『世界』のオープニングも主人公が「バンドエイド持ってへんかぁ?!」と、各楽屋をずーーーっと歩いて行くのをカメラも前から主人公の姿をずーーーーーっと撮っている。
両作品とも主人公の普段の居場所をずーーーーーーっと追っているのだ。
主人公がだいたいどんなところで生活していてどんな環境にいるのかというのがわかる。
この、長回しって言うんですか?それが両作品ともとても印象に残っている。
お話は上述にあるような感じなのだが、「世界公園」で働いている人々の「世界」を切り取って写している。
「パスポートなしで世界回れまっせー」との言葉とは裏腹にこれまた「若者の閉塞感」なるものを感じる。
結局、男と女が狭い狭い狭い空間ですったーもんだーすったーもんだーしているだけで、同じような毎日を送っている。
この人らこれで一生終わるんちゃうか、て思ってしまう。
かと言って私が、今現在生きている「世界」が広いものか?と問われれば「いいえ」なんですけど。
なので結局私も狭い世界でくるくるくるーっと動き回ってるだけなのかもしれない。
この映画を観て「なんだかなぁ・・・」と思うのは自分ももしかして同じような状況にいるんじゃないか?!とうっすら共感しているからだろうか。
でも、ちっちゃな抵抗で
「自由にあちこち行けていろんな人と交流ができて・・・彼らの世界よりはまだ自由かな?」
とか思ってみたりはする。
もちろん彼らの「小さな世界」の中ででもロシア人ダンサーとの心温まる交流があり、「お?国際交流?」とか思ったりするんだけどね。
それでもやっぱり彼らの言動からは狭い狭い「世界」しか感じられない。
ロシア人の彼女だって中国に来ているものの、自由とは言えない。
タオたちが毎日世界各国の衣装を着て踊るステージや、毎晩立つ華やか過ぎるステージが痛々しかったなぁ・・。
うりぼう4つ:
くうこのおまけ
・ある場面で女に別れ話を切り出された(束縛)男が自分の服に火をつけて自殺しようとする。
はぁ?!あほちゃうか・・・と思って見ていたら、劇中の女性も火を消しながら「バカ!」と叫んでいた。
その時に使われていた中国語が「あんた気ぃおかしいんちゃうか!!」と言うようなものだったので、ぴったりーーー!!と思った。
・タイシェンが”チョップリン”の西野さんに似てるなーとずっと思ってた。
ありがとうございました!!
みなさま楽しい週末を~♪