山田詠美第2弾! | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。


シネマド館-ぼくは勉強ができない
『ぼくは勉強ができない』



これも友人にむぎゅっとかばんに無理やり入れられた本。


これもなかなかおもしろかったわ。

今回は「時田秀美」という高校生の男の子が主人公で、いくつもの短編がつまっている。


この秀美君は、勉強ができない・・というわりに、とても頭がよく、年上の彼女とつきあっていて、学校の勉強よりももっと大切なことがあるんじゃないの?女子にモテるとかさぁ・・・とかいう考えの男の子。

きっとビジュアルもいいはず!でないとウソだ!!!



彼の小学生の頃のお話もあるのですが、小学生時分からかなり頭が良かったようで、なかなか一筋縄でいかない人間だったようだ。



こう書いていて気付いたのだが、彼は、すごく自然体で自由で、縛られることが大嫌いな青年なんだなぁ、と思って読んでいたけど、実はとても頑固で固執する人間ではないだろうか・・・



だから自分の考えを簡単には曲げないし、簡単にみんなの言うことにも同調しない。



そんな彼だから、「賢者の皮むき」という話の中で、クラスの人気女子:山野舞子にズボリ!!




あんたのそのかわいさって計算でやってんだろ?!

男子のハート、もてあそぶやん?!




みたいな事が言えるのだ。


そしてそれを読んだ私はすっかーーーー!!!と気分爽快になるのだ。

腹黒な私は「もっと言ってやってー!」とさえ思うのだ。


自分は絶対面と向かって言えないくせに・・・(だから腹黒)




こんな感じで彼の言動はスカッとさせてくれたり、なるほど、と思わせてくれたりするのだ。


ちょっと無理あるなぁ・・・と思う母親や祖父の設定ではあるが、まぁ、こんな秀美君を作り上げるためには必要だったのかもしれない。


彼の言うことやることすべてに賛成!というわけではないが、私が高校生のときには周りにこんな男の子いなかったので、楽しく読めた。


もし、高校時代にこんな男の子いたら・・・恋愛感情で好きになるかどうかはわからないが、



この人とすごく仲良くなれたらいいなー



と思うやろうなぁ。



だって、私が行っていた学校てほんまおとなしくてさぁ・・・・

男子の印象なんてほとんどないもん。


って、男子も女子の事おんなじように言うてそうな気がするけどな。




「放課後の音符」よりは高校生時代を懐かしむ・・・というノスタルジックな雰囲気はないけれど、読んでいていろいろと考えたり、共感したりできる作品。

高校生の時に読んでも、大人になって読んでも、きっとその時の「頭」「視点」でいろいろ考えるはず・・・。

最近「考える」ということをしていなかったので、そんな今の私にそういう「考える」きっかけを与えてくれたかな。