あれやこれやと同時に色んな治療を受けると、余計に治らない。 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

先回は
「強いマッサージを
繰り返すと
よけいに筋肉が
硬くなる」
記事を書きました。




今回は
「あれやこれやと
色んな施術を
受けると
余計に治りにくい」
話です。

よく、友達がなんとか
セラピーとかとって
やりあいっこしたり、

一つだけより
色んな施術を
組み合わせたほうが
お得な気がして
手数が多い施術家がいます。

やってもらっている
そのときは
気持ちいいし、
そこまで悪いことは
起こらないだろうと
思うでしょうが

そういうことを
あっちこっちで
やっている人は
たいてい、半年とか
1年の間に

ぎっくり腰・寝違えが
ひどくなっていたり

気分のむらが
ひどくて
テンション高い時は
あげあげのりのりなんだけど

そうじゃないと
もうひどくって
違う人間なんじゃないかって
思うくらい。

コンスタントに自分の
調子を一定に
保ちにくい
やっかいな人になります。

私が針灸学校に通って
いたときに
授業で生徒同士で
練習をしていました。

1時間目は
‘お相撲さんがきても
満足してもらえるような’
強揉みのあんまの授業。

2時間目は
‘エステ系’の
アロマオイルマッサージ

3時間目はお灸
(たいてい学生は
下手くそだから
やけどします)

4時間目は針
(これもやっぱり
学生は下手くそだから
よけいに具合が悪くなる)

ふつう、日常生活で
こんなに短時間で
刺激の違う施術を
受けることはありません。

いくら自分が受けている時は
気持ちよく感じていても
体のほうが
あちこちいじられまくって
パニックを起こしているような
状態。

特に針灸では
「氣」を補う治療を
するのですが

やけどの跡が
つくようなお灸や
深く針を刺して
ぐりぐりやるような刺激は

「氣」をひく働きを
します。

やればやるほど
いいってものでもないのです。

お寺の鐘をゴーンと
鳴らしたときに

音の余韻が
しばらく残ります。

体への刺激もよく
似ていて
何か手を加えた時に
それに体が反応して
感じる時間が必要です。

色んな手技を
あっちもこっちも
受けまくると
体が反応する前に
次の刺激がくるので
体がどうしていいのか
分からない。

音の余韻を感じる前に
ごんごん、むやみやたらに
鐘をうちまくるような
ものですから
常に騒音状態で
過ごすようなことになる。

私が治療で
やっている
「そっと触れる手技療法」は

お料理に例えると
関西風のお吸い物に
ゆずのしぼり汁を
一滴いれて風味を
利かすような
働きかけをしています。

体が鈍感な人は
最初は物足りなく感じます。

施術家の自信がないと
お客さんに満足して
もらおうと

料理の味が足りないような
気がして
ソースいれたり
からしいれたり
マヨネーズいれたり
結局、何を食べたのか
分からないような
味になる。

腕のいい治療家ほど
治療で治すのでなくて
「あとは自分でお風呂入って
早く寝たら
治るから」と
最後の余韻を
大事にする気がします。

ほかの治療も受けたくなる
気持ちもすごく
分かりますが

目安は「3ケ月」

まずはひとつの治療院に
通い始めたら
3か月(10回くらい)
そこ以外の治療は
受けないように
その先生を信じて
体をゆだねてみてください。

それでも全然
変わらないなら
次にいけばいい。

同時にあっちもこっちも
行っていると
余計に治りません。

そして、
なんちゃっての
セラピストのみなさん。

せっかくお金かけて
スクールに通ったし
色々な人で
腕を試したい気持ちは
分かりますが

最低でも500人くらいまでは
お金をもらうレベルでは
ないことを
よく自覚したほうがいい。

自分や家族に
やっている程度なら
何も問題ありません。

他人さまの体を
触る以上、

色んなことが
起きます。

腕があがるということは
持っている刀が
よく斬れるように
なってきたということ。

調子こいていい気に
なってきたころに
今まで通りのことを
していたら
必ず「事故」は起きます。

体の仕事がしたいなら
本気でやってください。