「本当に、本当に妊婦さんに針なんてやっても大丈夫なのか、自信がない」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

3月28日(月)に
石川県金沢市で
針灸師・助産師・看護師など
医療資格者向けの
助産師によるマタニティケアの
勉強会をします。

針灸師にとって
3年間、専門学校で
勉強したとはいえ

本当に、本当に
妊婦さんにやっても
大丈夫なのか、

効果はあるのか
いまいち自信がない、

自分の目でみて
確認できるわけじゃないから
信じられないというのが
本音かもしれません。

だって、何千件とお産を
みてきた助産師の私でさえ
絶対に大丈夫、なんて
言えないですもの。

自分で妊娠中に
自分の体で試すことが
できたような
女性の治療家なら
実感が持てるかもしれませんが

今まであまり婦人科を
扱うことが少なかった
ような男性の針灸師の方
などはいきなりは
難しいかも
しれませんね。

もし、
「そちらでは
妊婦の治療はできますか?」と
問い合わせがあったとき

「あまり症例を
経験していないので
婦人科専門でやっている
針灸師を紹介します」と
最初にはっきりと
伝えることも
より患者さんに
信頼してもらえるコツです。

せっかく予約してくれたから
他の治療家に紹介するのは
もったいない気もするかも
しれませんが

「あのとき、すぐに
専門の方を紹介して
これたおかげで…」と
あとで感謝されて
二人目はあなたに
お任せしたいと
通ってもらえることも
ありますから。

もし、それでも治療して
ほしいと言われる
患者さんがいた場合
なんとか治そう、
結果を出そうというより

自分の嫁や娘が
妊娠したような気持ちで

少しでも楽になるように
気持ちが晴れるように、と
祈るような気持ちで

できることを精一杯
やらせてもらうことを
積み重ねていくしか
ないと思います。

以前、ある男性の針灸師の
方からこんな質問が
ありました。

「前回、帝王切開の
妊婦さんが
どうしても自然なお産を
希望している。

そういう場合、
助産院でのお産は
不可能なのか?」

基本的に助産院では
帝王切開の既往のある
方の出産はできません。

※福井県の「ささした助産所」
ホームページより

妊娠中に針灸院に
通ってくるような方は
どちらかといえば
健康への意識が高く

理想が高すぎたり
自分に厳しすぎたりして
一歩間違えると
強いこだわりが
逆効果になってしまうことも
めづらしくありません。

このときに
私はその針灸師さんに
こう聞き返しました。

「彼女に
どうしてそこまでして
助産院でのお産に
こだわりたいのか?

逆に前回の帝王切開のときに
何が嫌だったのか
ゆっくり聞いてみましたか?

男性の場合、
ついつい女性の訴えに
対して解決してあげるような
アドバイスをしてしまい
がちですが

女性の場合、
自分の気持ちを聞いてほしい
だけの時のこともあります。

表面的には
自然なお産を経験することで
前回のお産で
悔いが残っている部分を
やり直したい気持ちが
あるのかもしれませんが

もっと奥底の
しまいこんできた
感情にゆっくり
耳を傾けてあげたときに

本当はこうしてほしかった、
ああしてほしかった、と
お産の形とは
全く違ったところに
彼女の悔しさや
悲しさを感じている部分が
あるのかもしれません。」

すると彼から
「そういった視点は
抜けていたから
とても参考になった」と
お返事がありました。

例えば、
事故などで
足がなくなってしまった
ような患者さんが
いたとして

針灸をしたとしても
なくなった脚が生えてきて
前みたいに
歩けるようになるわけでは
ありません。

身体的な苦痛を
和らげ
今ある機能を最大限に生かし

できることで
生きる希望を見出して
いけるように
援助するように、

脚がないのに
無理やり歩かせるような
お産を目指させるより

その人なりにできる
お産を応援するのが
マタニティケアをする
治療家の立ち位置なのじゃ
ないかと思うのです。

3月28日(月)13時半~15時半
「マタニティケアに関わる
施術家むけ勉強会」

場所;金沢医療専門学校(isis)

参加費;5000円
学生2000円

申し込み先
team針灸@石川
ariariq@gmail.com