失敗したお産だと思っていたけど、実は最高のギフトだった。 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

ずっと長男のお産を
受け入れられなかった私。

長男のお産をやり直すかのように
次男は助産院で自然分娩で産んだけど
やはり、あのお産は
失敗だったという気持ちが
拭い去れませんでした。

妊娠35週、体重2100gで
生まれた長男。

特にどこか異常があるわけでも
ありませんでしたが
全体的に成長もゆっくりでした。

1歳4か月でようやく歩き出して
3歳過ぎたころには発語が遅くて
発達相談にかかったり、
こだわりも強く離乳食もほとんど
食べない…。

今どき妊娠35週で生まれるのも
めづらしくないし
元気な子もいっぱいいるのは
知っているのに

私はいつもどこかで
「あの時、ちゃんと普通に
産んであげれば
こんなことには
ならなかったのかも」という思いが
つきまとっていました。

ですが、長男が3才、次男が1歳で
助産師の仕事に復帰しました。

そこで気づいたのは
お母さんたちに育児のアドバイスをするのに
なんの問題もなかった
次男の子育てよりも

長男のお産や育児で経験した
痛い思いや、こんなはずじゃなかったという
体験の方がずっとためになるという事です。

特に忘れられないのが
妊娠34週で破水して
大きな病院に救急搬送される
ことになったママさんに付き添って
救急車に乗った時です。

お腹の赤ちゃんの推定体重は
2300gあったので

「うちの子は2100gだったけど
元気だったから大丈夫!」と伝えたときの
ママさんの落ち着きを取り戻した時の表情。

関わった時間はほんの数分だったけど
後で「あの時の助産師さんに
救われた」と言っていたと聞いたとき

私は長男から
最高のギフトをもらっていたことに
気づくことが出来ました。

「胎内記憶」の研究をされている
横浜の産婦人科医・池川明先生によると
「子どもは親に学びや気づきを
与えるために生まれてくる」と言います。

長男のお産を経験したことで
理想通りのお産をする以上の
学びができました。

ついつい親や医療者がお産の場所や
お産の形を選んでいるような
気になっているけど
すべて赤ちゃんが仕組んだ
‘シナリオ’なのです。

自然分娩にこだわる人の中には
薬を使ったり、
帝王切開になることが悪いことと
とらえがちで

安産の為に針灸に通ったり
たくさん歩いたり
食事も気をつけて
体重を増やさないようにしたのに

自分の理想のお産ができなかったと
自信を失っている
ママさんにお会いします。

でも、失敗だったお産でなくて
いつかそこから何かを学び
誰かの苦しみに寄り添えるような
気付きを与えてくれた
赤ちゃんからの必然的な
プレゼントに感謝できる日が来ます。