「授乳中毒?!」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

郡上もりのこ鍼灸院・院長の
加藤祐里です

以前母乳育児をテーマにしたブログ
を書いており
自分なりの母乳育児支援の答えのような
部分にたどりついてしまった感もあり、
なんとな~く
針灸院の方には
母乳ネタは少なめでした。

今回、おっぱいのしこりについて
断乳間近のママさんからの
質問でしたが
書きながら、なんだか決定的な
部分に気づいてしまいました。

母乳あげると
気持ちいいですよね?


張りつめたおっぱいを
赤ちゃんに吸ってもらえると
おっぱいが軽くなってスッキリします。

授乳の後、なんともいえない
眠気が襲ってきて
赤ちゃんと一緒に寝ると
気持ちよく熟睡できます。

よく効くマッサージや針治療を
受けたくらい
筋肉が緩んで血流がよくなります。

母乳を出すためのホルモンは
プロラクチンといいますが
最も濃度が高いと思われる
お産後1ヶ月くらいは
新聞を読んだり、何かを記憶したり
道案内が異様にできない時期があります。

理性を司る脳の部分の働きが
抑えられ、
教えられてもないのに
無意識にしている子育て行動や
生殖機能をはじめ人間の本能行動を
司るホルモンが分泌される
深い部分の脳の働きが活性化するのか

子育て以外の一切のことが
できない身体になります。

この時期に育児書を改めて開いて
マニュアル通りのことを
しようとしても無理があります。

授乳をすると
ポヤ~とする感覚が起こりますが
おそらくホルモンがでて
理性を司る脳の部分の
働きが抑えられるので
受けたストレスを
一掃し、身体も感情も
癒してくれる効果があると感じます。

これらはすべて私の感覚です。

医学書にも書いてあるかもしれませんが
私がこれまで教えられてきた
授乳に関する体のシステムと
自分のカラダで感じた感覚を
表現するとこんな感じでした。

たぶん脳内で起こっている現象は
タバコやアルコールをやめられない
人と同じように中毒を起こさせるような
‘快’ホルモンが出ている状態だと
思います。

母乳育児は大変だ、という人は
ひょっとしたらこの‘快’感覚を
感じられないのかもしれません。

お産で消耗して
ゆっくりと休みたくても
赤ちゃんのお世話は待ってくれません。

慣れないおむつ交換や抱っこに
冷や冷やしながら
泣き出しても上手くあやせない
自分に落ち込みます。

赤ちゃんのしゃっくりひとつに
息がとまるのでないかと心配し

面会にきた家族に
そんな抱き方じゃあぶない!
泣いていればおっぱいが足りないんじゃ
ないの?と言われます。

授乳が始まっても
上手く口を開けてくれないし
まだ一回しか吸わせてないのに
乳首に傷を作ってしまって
痛くて仕方ない…。

お腹が空いて泣いているのに
おっぱいをくわえてくれない。
ミルクもたくさん飲んだのに
泣き止まない。
家に帰ってもこんな状態だったら
どうしたらいいんだろう…。

おっぱいが張ってきて
母乳だけで育てられるようになるまで
早い人で3日目、
たいていが10日位かかります。

おっぱいが軌道に乗ってくるまで
上手くできなくて当然ですが
それまでに受けたストレスで
挫けてしまっている人が
多すぎます。

授乳をして気持ちいいと
感じるのは脳ですが
悩み事や脳へのストレスが
強いと脳は上手く機能しません。

入院中に母乳量を測っていた
人もいると思いますが、
一回に30ccくらいしか
飲んでいないうちは
飲んでくれた感覚は
ほとんどありません。

50ccくらい吸ってくれるように
なると「あ~軽くなった」という
感覚が出てきます。

それくらいになると
赤ちゃんの体重が一日に
何グラム増えているかとか
一日に何回おしっこをしているかとか
数字をみなくても
吸ってもらったおっぱいの感覚と
飲み合わった赤ちゃんの表情をみれば
数字なんてみなくても
大丈夫と自信が持てます。

母乳は体に良いから、
タダだから、とか人によって
母乳が良いと思うメリットは
色々ありますが
理屈で「正しいと思うから」やっている
うちはたぶん辛いのでしょうね。