産むのは誰ですか? | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

郡上もりのこ鍼灸院・院長の
加藤祐里です。

去年は名古屋の産婦人科で助産師学校の
実習指導の仕事をしていました。

助産師になるためには看護学校を卒業した後
1年間学校へ通います。

学校にも寄りますが
3か月くらいかけて
1人10名のお産を取り上げることが
国家資格を受けるための条件です。

私の働いていた施設では
学生の数も多く、
夜勤の実習が許されていなかったので
学生もなんとか時間内にお産になるように
必死で援助をします。

初産の方などは
陣痛が始まってからも
すぐには産まれません。

例えば、今日の昼間入院してきても
途中で陣痛が弱くなってしまえば
次の朝まで産まれていないことはよくあります。

学生はお産の予測を立てることも
実習のうちですから、
今日は生まれないと判断すれば
明日に賭けてその日の実習を終えます。

Aさんという初産の方が
3センチ、破水、陣痛がない状態で
入院してきました。

まだ普通に話もできるし、歩けます。

学生は今日は生まれないと判断しました。

「今日産まれなくても焦らないでください。
今晩はよく寝て体力を蓄えて
ひょっとしたら夜中から痛みが
来るかもしれないけど
一緒に練習した呼吸法を思い出して、
なるべく力を入れないように
好きな姿勢で
リラックスして過ごしてください。」
と、実習の終わる夕方5時くらいに伝えて。

そしたら、その日の夜9時くらいに
産まれてしまっていました。

助産師の予測も外れる大安産の秘訣を
伺いました。

「痛みはないとはいえ
入院したら緊張して不安な気持ちだったが

学生さんに足湯をしてもらったり
アロマでマッサージをしてもらって
呼吸法をしたり、
一緒に階段のぼりをするなかで
すごく安心することが出来た。

生まれるときは陣痛も痛かったけど
学生さんの言葉を思い出して
冷静に対処することができた。

学生さんに受け持ってもらえて良かった(^v^)」
とAさん。

学生さんは「また空振りした↓」と
落ち込んでいましたが
その場にいなくても先を見越して
産婦さんが自立して自分をコントロールできる
関わりができたなんて
素晴らしいと思います。

痛いときに助産師にずっとそばにいて欲しいと
誰もが思いますが、

時にはそれが甘えとなって
自分でなんとか産もうとする
本能的な部分を奪っているときがあります。

夫や実母など家族の立会いも同様で
誰かがいないといけない、
あの先生がいないとイヤだ、
とこだわる気持ちは
自分で産むことに自信が持てない
不安の表れなのかもしれません。