お産の時の呼吸法 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。


出産時の呼吸法と言えば
「ヒッヒッフー」ですかね?

子宮口が全開するまでの
分娩第1期は
できるだけいきまないように
力を抜いて呼吸法することが
望ましいです。

よく、
「自分は呼吸法が
上手にできなかった」

とお産後に
落ち込んでいらっしゃる方に
お会いします。

まず、はっきりと
言いたいことは


「呼吸法が完璧に
できたからと言って

陣痛の痛みが楽に
なるわけではありません」


私が助産師学生の時に
助産院実習先で
お世話になった

カリスマ助産師の
神谷整子先生

「呼吸法なんて
医療者の都合で
押しつけているルールだから
必要なし。

他の動物は誰もやってない。

叫ぼうが、
暴れようが
それがその人の
お産なんだから

助産師はそうさせてあげるべき」

と言われました。
(今はどういうお考えだか知らないですが)

日本人は昔から
お産の時は静かにじっと耐えるのが
美徳とされてきましたから

あんまり「痛い、痛い」と
言わないことが良いことのように
言われています。

あんまり騒いだりせずに
呼吸法が上手にできれば
良いお産のような風潮がありますが、

中国の方をはじめ
外国の方などは

それは、まあ、
ご近所中に響き渡るお声で
お産をされます。

病院の先生や
ついているスタッフの性格で

大きな声をだしたりすると
嫌な顔をされてしまって

「お腹の赤ちゃんがびっくりするから!」

「あんまり騒ぎすぎると
疲れてしまって陣痛が弱くなるよ」とか

脅された方も
大勢いらっしゃると思いますが、

個人的には
さんざん騒いでお産してくれた方が

師匠の望む
助産師としての仕事を
かなえられたような気がして
うれしかったりします。

陣痛のときには
子宮はキューッと縮みます。

赤ちゃんや
子宮への血管も圧迫されて
子宮へ酸素が届きにくくなりますから

痛いときこそ、
息を止めない方がいいのです。

大きな声をだしていると
少なくとも
息が吐けていますから

逆に良い呼吸法だったりします。

「ママが騒いだから
赤ちゃんが苦しくなって
生まれたときに心音がさがったり
呼吸が上手にできなかったのよ」

なんて言われて
自分を責めている人はいますか?

まったく、そんなのは
根拠はないですからね。

騒いでない人だって
心音は落ちるし

赤ちゃんが
おギャーと言わないことは
全く別の問題です。

いろんな呼吸法が
あって正直、どれがどのように
正しいのかなんて
知りません。

その人のリズム、
その時の感じで
自然に産みだされた呼吸法が
一番、良いような気がします。

ですから、言われたとうりに
上手くできなくても
大丈夫です。

「息を吸うように」と
指導する人もいますが

正直、吸う意識は
あまりしなくていいのかな、と
思います。

呼吸って
「吐けば勝手に吸えるので」
意識して吸ってしまうと
逆に吸いすぎて
過呼吸になりやすいからです。

逆に痛くなったり
パニックになったりすると

吐く息が浅くなったり
とめてしまうので

「吐く」ほうをしっかり
意識してほしいです。

息を吸いましょうと言うと
たいていの人が
鼻を膨らませて

肩をあげて
胸で息を吸い込むのですが

これはあんまりよくない。
深く息が吸えていないです。

妊娠中から
意識してほしいのですが

理想的な「吸い方」は

お腹の下の方、
赤ちゃんの頭のある場所を
膨らませるように

吸った息を
細く、ゆっくりと
お腹の赤ちゃんに降り注いで
あげるようなイメージで
吸います。

「吐くとき」は
口をすぼめて

ろうそくの火を消さないように
やさしく、ゆっくり吐き続ける。

吐いた息や
手のひら額から、

身体のいらないもの、
自分の体の緊張や
心の不安など
血液にたまった汚れを

外に放出させるような
イメージで。

痛いときほど、
「吐くだけ、吐くだけ」の意識です。

私はソフロロジー分娩の施設で
働いたことがなくて
実際に、どんな指導をされているのか
知りませんが、

妊娠中に行う
呼吸法の練習用CDなどが
あるそうです。

自分の出産施設が
ソフロロジーしてなくても

勝手にやっても
問題ないですからね(^_^;)

次回は
分娩第2期、
いきみたくなってきたときからの
お話です。